「自己資金ゼロで年間家賃収入1000万超え!」などというフレーズとはほど遠い、地道な不動産投資を始めて2年の新米大家「naanan」です。

専業主婦歴は20年ほどの大ベテランです。
ここでは、主婦業しかやったことのない私が不動産投資を始め、法人を立ち上げて事業家になるまでの道のりを振り返っていきたいと思います。

前回のお話の続き、「希望物件が見つかる?!」からです。

第3章をまだご覧になっていない方はこちらから

 

ついに運命の出会いが?!

希望の物件と出会ったら即決できるようにエリアにしっかりと優先順位をつけるべく、公共の乗り物を利用してウロウロして周りました。

「中心地から東西南北に地下鉄や電車で離れて行き、何駅目までを希望エリアにするのか」
「駅の規模や繁栄具合」
「人通りの多さや街の環境(ゴミが散乱していないか、落書きがないかなど)」
を自分の目で確認して、それぞれの駅に優先順位を付けました。

その際、色々な仕様のアパートを見ながら歩き、自分の理想のアパートのイメージを固めていくことも忘れないようにしました。

このような独自の調査をしている最中、最も信頼していた営業マンがいくつかオススメの物件があると連絡してきてくれました。画像やデータを見る限り、あまりピンとこなかったのですが、ここは場所も環境もかなり良いので是非見てください!と言われて一緒に内見に向かいました。

エリア的には優先順位で1、2番にあげていた場所で、なかなかオーナーチェンジ物件も新築も出てこないエリアでした。

旗地(分筆の奥側)という地形が気になっていたのですが、実際に現場に行って見ると、幅のあるアプローチが奥まっている地形のデメリットを払拭し、マンションのエントランスの様な優雅さを感じさせてくれました。建物の仕様や雰囲気は初めから気に入っていたのですが、地形による暗さや圧迫感が気がかりでした。

しかし、百聞は一見にしかず!見た瞬間、これだ!と思いました。

▶ポイント1:ネットの中の情報や頭の中の想像だけでなく、実際に物件に足を運ぶことが大切

 

初めての買い付け

その日の夜、撮っていた現場の動画を見た主人もすぐに賛同してくれました。運命を感じた私はすぐに買い付けを入れることを決意!不思議なことに何の迷いもありませんでした。

しかし、残念なことに私は3番手での申し込みになると言われました。先に融資の申し込みをして審査待ちの方が2人もいらしたのです。それでも私は「この物件は自分のものになる!」という根拠のない確信があったのです!笑

自分の勘を信じて買い付け申込書を作成しました。

手続きとしては不動産買付申込書に以下のようなことを記入していきます。

・購入金額(指値をする際はここに希望額を書きます)
・手付金(100万円程度が相場です)
・契約締結希望日(申し込みから2週間ほど)
・引渡希望日(申し込みから1ヶ月ほど)
・融資特約の有無(有にしておけば、銀行の融資条件が合わなければ無条件に解除できる)

果たしてこの物件が誰の手に渡るのか…運命の日を待ちながらもう1つの大切な準備を始めます。

▶ポイント2:希望の物件が見つかったら、順位が悪いからといってあきらめない

 

法人立ち上げ準備開始

融資の審査には2〜3週間ほど時間がかかります。その間に私は法人の立ち上げ準備をすることにしました。

以前相談に乗って頂いた税理士さんに公認会計士をお願いし、法人立ち上げに司法書士さんを紹介していただきました。税理士さんと司法書士さんと三者面談を行い、費用や時間の流れを確認しながら契約の段取りを付けました。

専業主婦の私は自分の実印すら持っていなかったので、すぐに印鑑を買い登録を行いました。
なんだかとってもテンションが上がったのを覚えています。

主人と私の印鑑と印鑑証明、資本金を準備して時を待ちました。法人だけ立ち上げて不動産が所有できないとなると困るので、タイミングは不動産会社を含めて皆さんの意見を聞きながら決めます。

具体的には1番手、2番手の融資が流れ、私に権利が回ってきて、なおかつ融資が確定した段階で手付金を入れて物件を押さえます。

本契約まではそこから少し時間が空くので、その時に法人登記の手続きを司法書士さんに行って頂きます。1週間以内に法人登記が完了し、本契約に必要な書類を揃えておきます。

▶ポイント3:同時並行で関連する手続きを進める

 

事業計画書とにらめっこ

不動産会社で作成してもらった事業計画書をもとに、以前YouTubeで耳にした総収益率・自己資本配当率・損益分岐点などを算出していきました。これは、不動産投資を経営の観点からみるとこのできる大切なポイントです。

これまで、気になる物件があるとすぐにシミュレーションし、数字上のリスクマネジメントの仕方を身に付けてきました。買い付けを入れた物件も予想通り、全ての数値をクリアしていました。しかし、その計算にも限界があります。空室リスクなど予測不能な数値は粗方で出すのは仕方ないのですが一棟アパートの場合、管理費や清掃費、共用部の電気代や水道代など、どのサイトにもシミュレーションにも載っていない支出や、物件や管理会社によって変わってくる支出があります。

気になった私は不動産会社にそれらの詳細を知りたいとお願いしました。すぐに、オーナーさんに確認を取ってくださり、詳細がわかったので、より綿密な計算をすることができました。

他の物件で同じような問い合わせをした際、オーナーさんがいつどんなリフォームやメンテナンスを行ったか、ランニングコストがどのくらいかかるか、全くわからない、覚えていないという回答を貰ったことがあります。

これは、不動産会社が面倒でそういう返答をしたのか、本当にオーナーさんがそう言われたのかはわかりませんが、ただただ驚いてしまいました。自分の所有する物件なのにそんなに無頓着なのかと…

今回の物件はすぐに回答が返って来たので、お会いしたこともない方ですが、何となくオーナーさんも信頼できる方のような気がしていました。

▶ポイント4:不動産投資はほったらかしでOKといわれるけれど、綿密な計画があってこそ

 

中古一棟アパート契約成立?!

自分のやれるだけのことはやって、あとは時が経つのを待つばかりでした。

1番手で買い付けを入れていた人は、融資が決まる直前に家族の猛反対を受け、断念したとの知らせが来ました。不動産会社の人いわく、家族を説得できずに断念するという話はよくあるようです。最近はサラリーマン投資家が増えているので尚更でしょう。

2番手の方は持病があり健康面に不安があるため、融資が通らなかったとの連絡がありました。

つまり…

3番手である私に順番がまわってきたのです!

すでに審査をしてくださっていた銀行さんも、準備万端で待ってくれていたようで、ここから一気に本契約へと進んでいきました。

司法書士さんは特に知り合いもいなかったので、不動産会社の方にお願いしました。火災保険は色々と取り寄せて検討しましたが、銀行さんの系列会社のものが1番良心的で内容的に良かったのでそこでお願いしました。

正直、初心者なのでそれら(特に司法書士さんの費用)は相場程度なのか安いのか高いのか、全くわかりません。しかし、不動産会社、銀行、共に私がパートナーと思っている方々なので、信頼してお願いすることで、相手も仕事がやりやすくなるのであればいいかなと思っています。

物件との出会いも、結局は人が繋いでくれた出会いです。そういった出会いや自分を支えてくれる人々を大切にして、win-winの関係である事が私の理想です。

▶ポイント5:人事を尽くして天命を待つ。
       :出会いを大切に信頼関係を築いていくことが良い結果につながる

【記事筆者】

naanan
naanan
アンバランスな3つの顔を持つ女「naanan」です。
・3人の子供を持つ専業主婦
・大学で学んだマーケティングや経営の知識、ゴルフや英会話などの趣味を生かした執筆活動を行うフリーランス
・不動産賃貸業を営む会社社長
遊びも仕事も全力で頑張り、実体験を生かした記事をお届けしたいと思います。