部屋をリフォームするために便利な建材として、エコカラットがあります。エコカラットとは湿度の調整に優れた特殊なセラミック素材で、普段の暮らしの中で気になる臭いを脱臭してくれるほか、ホルムアルデヒドなどの有害物質の抑制効果も期待できます。タイル状になっており、木目調やレリーフなどデザインも豊富なので、部屋の雰囲気を変えるにも便利です。ここでは、エコカラットの特徴、効果、施工方法などをご紹介します。

エコカラットとは?

エコカラットのメーカーはLIXILです。ここではエコカラットの概要をご紹介します。

【出典】LIXIL:https://ecocarat.jp/

土壁の材料と特殊な焼物をブレンドした新しい建材

エコカラットは、粘土や鉱物など微細な孔を有する複数の原料をタイル状に焼き上げることで、インテリアの素材として使用出来るようにしたもので、「多孔質セラミックス」と呼ばれます。

エコカラットの起源は、日本の気候と相性のよい伝統工芸「土壁」にあります。

高温多湿の環境と相性が良く、温度や湿度を快適に保ってくれる土壁の性質をヒントとし、伝統的な素材に最新技術を融合することで、人と環境にやさしい便利な建材として開発されたものです。

優秀な建材としての賞をいくつも受賞している

エコカラットは、2010年のグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しています。

10年以上継続的に提供されている商品やサービスを対象とする賞で、長年にわたりユーザーからの高い支持を獲得しており、今後もスタンダードな価値を発揮することが期待できるデザインを評価するものです。

日本古来の土壁のような製品であること、新築時やリフォーム時にシックハウスやカビの発生などを抑える効果を期待できること、誠実な企業姿勢とデザイン性を感じさせること、などが受賞の理由になっています。

ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催するグローバルなデザイン賞である、「レッド・ドット賞」のプロダクトデザイン部門において、最優秀のデザインである「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」も受賞しています。

同賞は、プロダクトデザイン部門の48の製品カテゴリーの中から選出された、最も優れたデザイン性を有する商品に対して贈られるものです。

【出典】グッドデザインアワード:
 http://www.g-mark.org/award/describe/37098
【出典】レッド・ドット賞:
 http://www.lixil.com/jp/news/pdf/180409_red%20dot_J.pdf

エコカラットの効果について

では、エコカラットの効果について説明していきます。

余分な湿気を吸収し乾燥時には吐き出す

エコカラットには、1ミリメートルの100万分の1にあたる、1ナノメートル程度の非常に細かい孔が存在します。孔の中を空気中の湿気が出入りすることで、湿度を変化させる働きを有していると考えられています。

優れた調湿機能を有する物質として、藻類の化石の堆積物である珪藻土があります。エコカラットは珪藻土よりも微細な孔を有することから、より多くの湿気を制御できる働きが期待されています。

湿度の調節によりダニやカビの繁殖を抑制する

湿度の高いジメジメとした環境では、ダニやカビが大量に繁殖しやすくなります。一方、湿度が低すぎると乾燥によって喉の痛みや肌荒れなどが起こりやすくなります。

高すぎず低すぎず、適度な湿度のコントロールが重要になりますが、エコカラットは室内の湿度を快適な状態に保とうとする特性があります。室内が多湿になると湿気を吸収し、逆に乾燥すると湿気を放出することで、ダニやカビの繁殖を抑制します。

取れにくい生活臭を脱臭する効果がある

エコカラットは、空気を吸放出する微細な孔によって、普段の掃除だけでは取りにくい生活臭を脱臭する効果も期待できます。キャビネットやシンクなど、台所の中でも湿気が特にこもりやすい場所にエコカラットを使用すれば、脱臭作用によって嫌な臭いを軽減することができます。

室内だけでなく、湿気のこもりやすい玄関の下駄箱などにエコカラットを使用すれば、靴の臭いなどを吸収してくれます。工夫次第で、家の中の様々な場所で脱臭効果を発揮してくれるのが魅力です。

部屋の悪臭の大きな原因といわれる物質として、トイレ臭を引き起こすアンモニア、生ゴミの臭いの原因となるトリメチルアミン、煙草の臭いの原因となる硫化水素、ペットの臭いを引き起こすメチルメルカプタンなどがあります。

エコカラットはそれらの物質を吸着し、優れた脱臭力を発揮します。部屋を換気するだけでは消えないような、しつこい悪臭を除去する効果が期待できます。

有害物質を吸収する効果が期待できる

また、建材や家具などから揮発する有害物質として、シックハウス症候群の原因にもなるホルムアルデヒドやトルエンなどがあります。エコカラットの原料にはこうした有害物質が使用されていないだけでなく、有害物質を吸着して低減する効果も期待できます。

エコカラットの効果とメリット

エコカラットを使用した場合の効果やメリットについてご紹介します。

汚れたら水拭きすれば簡単に汚れを落とせる

エコカラットは優れた調湿機能を有しつつ、水分を吸収しにくいという特徴があります。

清掃性を高めたエコカラットプラスという素材であれば、従来の調湿建材では難しいとされていた、水拭きによる手入れも可能になっています。

水や汚れがかかったときは、雑巾などで拭き取ることができます。汚れがひどいときは、一般家庭用洗剤をメラミンスポンジに含ませてこすると、汚れを除去しやすくなります。汚れが染みついた場合は、漂白剤を綿棒に染みこませてから叩くように塗りつけると、染みを落としやすくなります。

エコカラットの効果の持続は半永久的

エコカラットはセラミックス素材のタイル状なので、耐久性に優れ、経年劣化をあまり気にせずに使用することができます。電気も使わずに、半永久的に機能を発揮するのが大きなメリットです。

エコカラットは傷に強く太陽光による変色や変質も無い

エコカラットはセラミックス素材なので、傷に強く、太陽光による変色や変質がないという特徴があります。デザイン性の面では、様々な形状やレリーフのバリエーションがありデザイン性も高いので、高い耐久性能とあわせて、生活の様々な場面で使用することができます。

エコカラットの施工についての素朴な疑問

エコカラットの施工方法や期間についてご紹介します。

部屋の面積に対してどのくらい必要になる?

エコカラットはタイル状なので、部屋の一部だけに効果的に用いることもできます。木目調やレリーフ状など、デザインのバリエーションも豊富です。

部屋の種類や面積ごとに必要なエコカラットの大まかな目安としては、12~15畳のリビングで4~5平方メートル、8~10畳の寝室で3~4平方メートル、6畳の部屋で2~3平方メートル、1畳未満の玄関、洗面所、トイレなどで1~2平方メートルです。

エコカラットの施工にかかる期間について

エコカラットの施工にかかる期間は、使用するエコカラットの種類や面積によって異なりますが、1日で2面が大体の目安です。

施工のおおまかな手順は、エコカラットを使用する部分の壁紙の補強、接着剤を塗布する箇所のマスキング、接着剤の塗布、マスキング部分の除去、の順番になります。

エコカラットの価格はいくらくらいかかるのか?

基本的なタイルとしてのエコカラット自体の価格は、1平方メートルあたり約6,000円くらいが大体の相場です。デザイン性を高めたものであれば、1平方メートルあたり約8,000円~1万3,000円程度になります。(施工費などは含まれていません)

エコカラットの施工はどこで依頼すれば良いのか?

エコカラットの施工はDIYでも可能ですが、大掛かりなリフォームなどの場合は業者に依頼すると便利です。エコカラットの施工に通じた業者であれば、同じ商品でも繊細なところまで丁寧に仕上げてくれる場合があります。

エコカラットは比較的新しい素材なので、一般的な工務店では施工のノウハウが十分でない場合があります。インターネットなどで検索して、エコカラットの施工を取り扱っている業者を選定するのが近道です。

エコカラットのメーカーのLIXILでは、おすすめの業者の紹介もしています。専任スタッフ、施工後のアフターケア、サービス保障などが充実していると安心です。

【出典】施工店のご紹介:
 https://www.lixil.co.jp/constructor/?_ga=2.122105928.2136467629.1535671219-336984853.1535323575

エコカラットの効果のまとめ

エコカラットについてご紹介しました。エコカラットは日本の伝統的な建材である土壁をモチーフとしたセラミック製の複合素材で、湿度の調整機能、生活臭の脱臭、有害物質の抑制、などの効果を期待することができる素材です。使いやすいタイルの形状でデザインも豊富なので、部屋の雰囲気を手軽に変えるためのツールとしても便利です。

エコカラットの施工はDIYでも可能ですが、施工方法に通じた業者に依頼することで、丁寧な仕上がりを期待することができます。こうした情報を活用し、エコカラットの効果を気軽に楽しんでいただければ幸いです。