家を借りて、新生活を始める時はわくわくするものです。初めて実家を出る時、結婚して新居住まいを始める時など、色々なタイミングがあると思います。ただ、賃貸契約は頻繁に行う事でもありませんから、いざ家を借りるとなった時に何が必要なのか不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は賃貸契約に必要な書類はなにか?学生や無職でも大丈夫なのかなどについてまとめていきます。

賃貸契約には何が必要?

それでは、実際に賃貸契約を結ぶ際に必要な書類を見ていきましょう。物件によって必要な書類は異なりますので、参考にして頂きながら、実際の物件担当者にきちんと確認するようにしてくださいね。

 物件を借りる時に必要な書類一覧

(1)住民票

住民票はほとんどの賃貸物件で求められます。運転免許証などの写真付きの身分証に加えて、住民票の提出が義務付けられている賃貸が多いのには、住民票の場合、本人の住所や世帯主など、より詳しい情報が得られるからというのが理由の1つですね。
住民票は役所に行けば簡単に手に入りますが、平日しか受け取れない自治体もありますので、早めに準備をするようにしましょう。

(2)身分証明書

本人確認をする為に、顔写真付きの身分証を求められるケースが多いですので、運転免許証やパスポート、顔写真付きの学生証などを用意しておきましょう。

(3)収入を証明するもの

家を借りる時に十分な収入があるかを証明しなければならない場合も多いです。
会社員なら源泉徴収票を提出すれば大丈夫ですし、フリーランスや自営業の方は、確定申告書や、納税証明書などを収入の証明として提出していきます。

(4)銀行口座、銀行印

毎月の家賃を口座引落に指定されている賃貸物件も多いです。その際は銀行の口座番号が分かるものと、銀行印が必要になります。
クレジットカード支払いが可能な賃貸物件の場合は、クレジットカードの提出でも対応可能な場合があります。

(5)連帯保証人関連書類

賃貸契約期間中に何らかの理由で家賃の支払いが滞ってしまう事も起こりえます。そういったリスクに備えて、連帯保証人をたてる必要がある事もあります。その際は、連帯保証人の住民票・印鑑証明書・収入証明などの提出を求められるケースがありますので、事前に連帯保証人になってくれる方に頼んでおきましょう。

住民票はなぜ必要なの?

せっかく身分証明書を提出しているのに、わざわざ住民票を役所に取りに行くのが手間だなと感じる方は多いです。
ただ、住民票の場合には、身分証では分からない情報として、本人の住所や世帯主などが記載されていますし、なりすまし防止の為にも、住民票の提出が求められるケースがほとんどです。

保証人はどうする?

基本的には両親を保証人にたてるのが一番スムーズではありますが、両親が高齢の場合や、収入がない場合などは兄弟姉妹や親戚に依頼するのも良いでしょう。
血縁関係の無い人を連帯保証人にするケースは少ないですが、状況によって、友人や会社の上司などを保証人にたてられる場合もあります。

学生は収入をどう証明すればいいのか

学生や未成年が一人で賃貸契約をする場合、収入を証明することが難しい場合がほとんどです。
すでに内定通知をもらっている学生の場合は、内定通知書を提出することで審査が通る場合もあります。それも難しい場合は、保護者が契約者となった上で、学生や未成年者を入居者として契約するという事もあります。

社会人が賃貸契約をする時の注意点

学生だけでなく、社会人であっても、賃貸契約をする際の注意点があります。

勤務先の証明には何が使われる?

会社員の場合は、社員証などもありますが、基本的には勤務先から発行されている保険証や、源泉徴収票によって勤務先の証明をする事が可能になります。

フリーランス・自営業の人間は?

フリーランスや、自営業の方の場合は、会社員に比べると収入や勤続年数の証明が難しい為、一般的には入居審査に時間がかかるケースも多いです。確定申告書の写しや、取引先との契約書など、客観的に収入を証明できる書類を準備した上で、物件の担当者にきちんと相談するのが良いでしょう。

無職でも賃貸契約はできる?

基本的には、無職で収入がない場合、単独での賃貸契約は難しいです。
ただ、物件は限られてきますが、ある程度の貯金があれば、預金通帳の写しを提出する事や、生活保護の受給証明書を提出することなどで、賃貸契約ができる可能性はあります。伝えにくい事かもしれませんが、現状をきちんと伝えて相談するのが良いでしょう。

賃貸契約時にお金はどれくらい必要なのか


続いて、賃貸契約時にかかるお金についても確認をしていきましょう。

敷金とは

賃貸契約で部屋を借りる際、その物件の所有者や管理会社に対して、預ける費用の事です。あくまで保証金として預けるだけなので、退去する際には返金される費用になります。通常、退去時にかかる部屋の清掃費用などが引かれますが、大きく部屋を壊したりしていなければ、一部戻ってくるお金になります。

逆に、敷金がない場合、退去時の費用があらかじめ設定されている事が多いため、よく確認をしましょう。

礼金とは

物件の所有者に対して支払う費用になります。読んで字のごとく、部屋を貸していただくお礼の費用という意味合いなので、敷金と異なり返金されません。
新築の部屋などは賃料の2ヵ月分かかる事もありますが、古い物件や、空室が長い物件の場合、礼金が無料のケースもあります。初期費用に大きく関わってくる項目になりますので、物件選びのポイントにしても良いでしょう。

仲介手数料とは

仲介してくれた不動産会社に支払う手数料になります。法律で上限が決まっており、賃料の1ヵ月分+消費税が上限になります。物件を扱う不動産会社や、物件の種類によって無料~1ヵ月分まで差がでてきます。事前に手数料がいくらになるのかを確認しておくのが良いでしょう。

その他に必要なお金は?

*入居月、入居翌月の前家賃

基本的に、家賃は前払いのケースが多いです。入居する当月、物件によっては翌月分の家賃までをまとめて、契約時に一括で支払うことがあります。ただし、入居の日付によっては、日割りで対応してもらえるケースもあります。

*火災保険料

賃貸で部屋を借りるときは、基本的に火災保険への加入を求められます。
建物自体の火災保険は所有者が加入していますが、自分の家財などに対してかける火災保険に入るように勧められるケースが多いです。
また、火災などの原因を作ってしまった際、所有者や隣人からの損害賠償請求に対して適用される、借家人賠償責任もついている事が多いです。

*駐車場、バイク置き場、駐輪場など

部屋だけでなく、車やバイク、自転車を利用するスペースにも月極で費用がかかる事があります。

*室内消毒、クリーニング費用など

新築でない部屋の場合は、クリーニング費用がかかる事があります。こちらは任意で選べる場合が多いです。

*鍵交換

こちらも所有者が交換してくれている場合もありますが、新しい入居者が負担するケースも多いです。同意があれば、前の鍵をそのまま利用させてくれる事もありますが、セキュリティー上、交換しておいた方が安心でしょう。

初期費用は家賃3~5ヵ月分

一般的に、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃がそれぞれ1ヵ月分。これに加えて鍵交換などの諸費用がかかるので、初期費用は5ヵ月分を目安に準備しようと言われます。
ただ、物件によっては礼金や仲介手数料が半月分や無料になる事もありますし、フリーレントなどの家賃サービスがある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

賃貸契約書の内容を確認


書類とお金の準備ができたら、後は契約を残すのみです。賃貸契約に関わる内容を確認しておきましょう。

契約内容の確認

*契約期間

契約の種類は、大きく分けると普通借家契約か定期借家契約かに区別されます。定期借家契約の契約期間は2年間で設定される事が多いですね。

*更新

借家契約の場合は、基本的に入居者の希望があれば更新して住み続ける事ができます。
一方、定期借家契約の場合は、期間が定められているので更新はありません。ただし、所有者の同意があれば、契約期間満了後に再契約をする事ができます。

*賃料

契約期間中は原則変わりませんが、更新や再契約の際に賃料が増減される事もあります。

*解約

解約の条件はきちんと確認しましょう。退去1ヵ月前に申告すれば良いケースが多いですが、物件によっては2ヵ月前には申告をしないといけない事もありますし、契約期間中の解約には違約金が必要な場合もあります。

禁止事項の確認

禁止事項として多い項目としては、ペットの飼育、楽器の演奏、石油ストーブの使用、無断で入居者以外を住まわす事、民泊としての利用、無断で長期間部屋を空ける事などがあります。
契約によって異なりますし、違反した場合、退去を求められる事や、費用を求められる事もありますので、特約・禁止事項等を確認しておきましょう。

原状回復の範囲と内容

賃貸契約において、所有者とのトラブルになりやすい要因の1つが、原状回復に関わる事です。退去時に思った以上に高い金額を請求されてしまったり、経年劣化に関しても入居者側に費用が請求されたりと、トラブルになりやすいです。契約時に原状回復についての案内があれば、よく確認し、入居直後の部屋を写真で撮影するなどして、不明な部分は事前にチェックしておきましょう。

特約事項の確認

所有者や建物の事情により、賃貸借契約書の特約事項が加えられる事があります。入居時の壁紙の交換費用は入居者が負担するなど、通常の契約にはない条件が記載される事が多いですので、きちんと確認しましょう。
また、入居前に条件交渉などをした場合も、特約として記載しておいてもらえれば、後々安心でしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?今回は賃貸契約に関わる書類、お金、契約内容についてまとめてきました。賃貸契約は期間も費用も大きな契約になりますし、日常で、あまり使い慣れない言葉も多いですので、後で後悔しないようにしっかりと準備をして望みましょう。