こんにちは。
東京都内でワンルームマンション投資をしている、個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。

2019年7月、ついに35年間固定金利の住宅ローンの金利が1%を切り、0%台になりました。変動金利との差も過去最小です。史上最低金利の、固定金利の住宅ローンを今回はご紹介します。

フラット35がついに金利0%台に!

最大35年間固定金利の住宅ローン、フラット35がまた過去最低金利を更新しました。
フラット35には「買取型」「保証型」という2つのタイプがあります。
2019年7月に0%台の金利になったのは、「保証型」のフラット35を取り扱っている金融機関の一部です。

「保証型」のフラット35の申込ができる金融機関は、

・日本住宅ローン
・アルヒ
・財形住宅金融
・広島銀行
・クレディセゾン
・住信SBIネット銀行

以上の6機関で、数は少ないです。(2019年7月時点)

しかし、「買取型」と比べ「保証型」は金利が低いため融資件数は急激に増加しています。
フラット35は、自己資金ゼロでマイホームを購入する、いわゆる「フルローン」というローンの組み方ができず、物件価格の最低1割の自己資金が必要です。

「保証型」のフラット35は、自己資金の基準がさらに厳しいことが多く、それと引き換えに低金利を実現しています。

マイホーム購入のために資金準備をしていた方や、
親御さん等からの住宅資金援助があり自己資金にゆとりのある方は、
フラット35の保証型をマストでチェックしましょう。

■フラット35(保証型)の詳細はこちら
https://www.flat35.com/loan/hosyo/index.html

金利水準でお勧めのフラット35(保証型)を、2つご紹介します。
ポイントは、「自己資金比率」と、「団体信用生命保険」です。

全疾病保障の団信付きで金利0.97%、「住信SBIネット銀行」

2019年7月、フラット35の過去最低金利で多くのメディアが取り上げたのが、
住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)です。

住信SBIネット銀行は、以前から変動金利の住宅ローンの競争力が非常に高く人気です。
「変動金利と言ったら住信SBIネット銀行」と今まで言われていました。
そして、今回のフラット35(保証型)の2019年7月の金利は35年固定で0.97%です。

おそらくこれからは、
「固定金利も住信SBIネット銀行」と言われるようになるでしょう。
そしてこの金利が適用できるのは、物件価格の2割以上の自己資金を準備できる方に限ります。

つまり、5,000万円の物件を購入する方は、1,000万円以上の自己資金+残額をローン。
3,000万円の物件を購入する方は、600万円以上の自己資金+残額をローンとなり、
十分な自己資金の準備ができているかどうかが重要なポイントとなります。

そしてフラット35には、借入当初5年または10年の間、
更に金利が下がる「フラット35s」という商品があります。
省エネ性能などの一定基準を満たす住宅であれば、戸建てでもマンションでもこの金利優遇を受けることができます。

仮に、購入を検討している物件がフラット35sの対象であれば、借入当初の金利は0.72%。
もはや変動金利と殆ど変わりません。
5年または10年間の金利優遇期間終了後0.97%になり、その後完済まで金利の変動はありません。

住宅ローンを組んでいる方には、
「住宅ローン減税」と呼ばれるローン残高の1%分の税金が還付される制度があります。
銀行に0.97%の利息を払って、国から1%の税金が戻ってくる。

単純に数字だけを見ると、マイホームは現金で購入するよりもローンを組んだ方がお得ですね。

また、住信SBIネット銀行の住宅ローンは、団体信用生命保険(=団信)に大きな特徴があります。
「買取型」のフラット35は、どの金融機関で申込をしても「機構団信」と呼ばれるフラット35共通の団信に加入することになります。

ところがより金利の低い「保証型」のフラット35は、
申込をする金融機関が提供する団信に加入できるため、保障内容は金融機関により様々です。

団信に力を入れている住信SBIネット銀行は、「全疾病保障」という団信がフラット35(保証型)に付いています。

一般的な団信の保障は、「ローン契約者が死亡した際、ローン残高がゼロになる」というものです。
そして、全疾病保障の団信は、
「ローン契約者が死亡した際、または病気やケガで働けなくなった際にローン残高がゼロになる」という保障で、一般的な団信に比べ手厚いです。

※ローン残高がゼロになる要件の詳細は、金融機関ホームページ等でご確認ください。

■住信SBIネット銀行フラット35(保証型)
https://www.netbk.co.jp/contents/flat35/flat35spec/

自己資金にゆとりがある人は金利0.75%のARUHI

もう一つ、金利水準で魅力的な金融機関がARUHIです。
ARUHIの保証型のフラット35は、「ARUHIスーパーフラット」という名前の住宅ローンです。

ARUHIの魅力は何と言っても金利です。
最も魅力的な金利は、ARUHIスーパーフラット7という種類で、
2019年7月の金利は35年固定で0.75%です。
この金利が適用できるのは、物件価格の3割以上の自己資金を準備できる方に限ります。

つまり、5,000万円の物件を購入する方は、1,500万円以上の自己資金+残額をローン。
3,000万円の物件を購入する方は、900万円以上の自己資金+残額をローンとなり、
かなり多くの自己資金が必要になります。

購入を検討している物件がフラット35sの対象であれば、借入当初の金利は0.5%。
競争力の高い変動金利の住宅ローンと変わらない水準です。
5年または10年間の金利優遇期間終了後0.75%になり、その後完済まで金利の変動はありません。

この金利は、団信に加入しない場合の金利です。
フラット35は団信の加入が強制でないため、
団信に加入しない代わりにこのような低い金利で借り入れすることが可能になります。

しかし、団信に加入しないというのは非常にリスクの高いことです。
万一ローン契約者が死亡した際、
遺族にローンの返済負担が数十年にわたり残る可能性があります。
団信に加入しない場合は、必ず生命保険等に加入して万一の備えをしましょう。

■ARUHIスーパーフラット
https://www.aruhi-corp.co.jp/product/super_flat/

団信ありorなし、どちらがお得?

団信の加入・不加入を選べるフラット35。
団信ありでローンを組むのと、団信なしで別に生命保険に加入するのではどちらがお得なのでしょうか?
ポイントは、「年齢」「喫煙」です。

例えば、ご紹介した団信付きの住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)と、
団信なしのARUHIのスーパーフラット7には、0.22%の金利差があります。

住信SBIネット銀行金利0.97%-ARUHI金利0.75% = 金利差0.22%

この金利差を毎月のローン返済額で比較すると、

3,000万円の借り入れで月の返済額に約3,000円、5,000万円の借り入れで月の返済額に約5,000円の差が発生します。
この差額分よりも、生命保険の保険料の方が高い方は団信付きがお得です。

反対に、差額分よりも生命保険の保険料の方が安い方は団信なしで、生命保険に加入した方がお得です。

おおまかな基準で、40歳未満は団信なしがお得と言われています。
また、40歳以上でも「非喫煙者」であれば、生命保険の支払い保険料が3割程度安くなる保険会社もあります。

また、団信と生命保険では保障内容に細かな違いがあるため、自己判断ではなく専門家に相談する方が安心です。
住宅ローンと生命保険の両方に詳しいFPにシミュレーションをお願いすることをおすすめします。

住宅ローンを組む方の8割以上が変動金利

現在、住宅ローンの固定金利と変動金利の差は過去最少です。
つまり、変動金利と殆ど変わらない金利水準で、将来の金利上昇リスクを完全にカバーできる固定金利の住宅ローンが非常に魅力的です。

ところが、住宅金融支援機構の最新の調査では、住宅ローン利用者の60%が変動金利、25%が固定期間選択型の変動金利のローンを組んでいます。合計で85%が変動金利、つまり固定金利のローン利用者はわずか15%です。

新築分譲マンションのチラシに記載されている返済額は、
殆どの場合最も金利の低い変動金利のローンで計算されています。
しかし今は、あと0.1%上乗せするだけで全期間固定金利の住宅ローンが組める可能性のある時代です。

比較やシミュレーションをして、最高の資金計画を作ってから、マイホームを購入しましょう!

【記事筆者】

川井 えりか
川井 えりか
ファイナンシャルプランナー、マネーセミナー講師。
「10年後にお金を2倍にするマネープランニング」
「給料+10万円の副収入を作る」をコンセプトに、お金、投資のご相談を受ける。首都圏と札幌を中心に活動。
我慢を伴う「節約」は苦手。「お得にお金を使う」ことでお金の管理を楽しく簡単にします。