「自己資金ゼロで年間家賃収入1000万超え!」などというフレーズとはほど遠い、地道な不動産投資を始めて2年の新米大家「naanan」です。
専業主婦歴は20年ほどの大ベテランです。
ここでは、主婦業しかやったことのない私が不動産投資を始め、法人を立ち上げて事業家になるまでの道のりを振り返っていきたいと思います。
前回のお話の続き、「2棟目の物件探し」からです。
第5章をまだご覧になっていない方はこちらから
地場の中堅を新規開拓
早速、教えていただいた不動産会社に連絡を取り、モデルルームを見せていただくことにしました。
コンサルシートを記入して、こちらの希望を伝えてから、不動産市場の動向や最近の不動産投資の動きなどのお話を伺いました。若い女性営業マンでしたが、とても勉強されており熱心さが伺えました。
モデルルームは築2年程で状態は良かったのですが、一部壁の上部に亀裂らしきものがあり、とても気になったので指摘しました。
誰も気づいていなかったようで、担当の方も驚いていましたが、「原因と対策をきちんと解明してからご連絡させてください」と言われ、翌日キチンとした回答が返ってきたため、とても信頼できるなと思いました。
私は常々、「ピンチはチャンス!だ」と思っています。
トラブルの対処の仕方で色々な事が見えてきます。「キチンと誠意を持って対応してもらえれば、私はその失敗は帳消しになるどころか、強い信頼に変わるものだ」と思っています。なかには、細かい指摘に対して嫌な顔をする業者もあり、その雰囲気が伝わった瞬間、「ないな」と思ってしまいます。
立地もそこそこで、物件価値が高い新築アパートを紹介してもらった時のことです。
広いルーフバルコニーや浴室TVなど、競争力の高い仕様を揃えた物件でした。細部へのこだわりを感じる素敵な物件だったのですが、物件価格がとても高く、お断りすることにしました。すると後日、理由を聞かせて欲しいとメールが来たので、正直に理由を説明しました。
「とてもこだわりのある良い物件だったのですが、仕様のグレードをあげればその分価格が高くなります。自分の住む家ならば良いものを付けたいと思いますが、投資物件の場合は違うと思っています。
どこにオリジナリティを持たせて競争力を高めるかは、個人の価値観かと思います。ただ、自分は立地や動線の良い間取りなどの工夫により、必要最低限の仕様でも相場なりの家賃設定で入居が見込める物件を理想としています。」
といったような内容だったと記憶しています。
それに対してきた返答が
「そのような考え方ではなかなか理想の物件には巡り会えないかと思いますが、頑張ってください」的なものでした。
何だかとても嫌な気分になりました。今後の参考にさせて欲しいから理由を聞かせてくれと言われ、スルーする事もできた中であえて返事をしたのに…
若い男性営業マンに良くあるのがこのパターンです。余計なことは言わず、社交辞令の挨拶で終わればいいのに、捨て台詞のような言葉を残してしまう。
この先どこでどうご縁が繋がるか分からないのに、もったいないなとさえ思ってしまいます。このような対応をされると自分の中では、もう二度と会う事もないなと確信します。
このような感覚は人それぞれなので、自分の感覚は大切にしてもらいたいと思います。感覚に正解不正解はないのですが、自分がそれをしっかり持っている事で、感覚の近い人が集まってきて、最終的には自分の感覚や理想に沿った結果につながるからです。
▶ポイント1:ピンチは最大のチャンス!失敗の後の対応が分岐点
イメージに沿った情報が集まるように
足しげく現場を見て回り、こまめにメールのやり取りを続けていると、以前モデルルームに不備のあった不動産会社の女性営業マンから連絡がありました。
立地にこだわっていたためか、なかなか土地が出て来ないエリアだったのですが、全国でも地価の上昇率がトップクラスの場所に建築予定地があるとの一報です。更に、まだ建築プランが確定していないのでオーナーさんが自由にプランニングできると言うのです。
土地の詳細を送ってもらいGoogleのストリートビューで現地を確認しました。気に入った私はすぐに現場を見に行くことを伝え、アポを取りました。
場所はとても気に入ったのですが、土地が狭かったため、どのような建築プランを立てられるのかが問題でした。なかなかこのエリアに土地が出て来ないことはわかっていたので、イメージ通りの建築プランと収支が出せるようなら購入しようと思いました。
▶ポイント2:少しでもピンときたらすぐに行動!こちらの本気度を伝えるチャンス
オリジナルデザインのアパートを検討
「一緒にプランニングしていきましょう!」
と言われてから、設計士の描く設計図の図面とにらめっこする日が続きました。
少しでも空間を広く取れないか?
動線を変えられないか?
ドアをつけられないか?
など、意見を出しながら何度も修正していただきました。営業マンの方も嫌な顔を一切せずに、
「一緒に納得のいく良いものをつくりましょう!」
と、励ましてくれました。
建築費用も良心的だったし、会社や営業マンの対応もとても紳士的だったので、できればここでお願いしたいという思いで私も頑張りました。
しかし、限られた箱(土地)の中でイメージ通りのものをつくることは不可能に近いのかなと思い始めました。1LDKを6戸入れると、どうしても1戸辺りの面積が小さくなってしまいます。小さめで普通の1LDKでは競争力にかけてしまいます。
そうしているうちに、そろそろ建築届出をしなければならないと言われ、仮押さえ状態を解除する事になりました。
もう少し土地が広ければ何の問題もなかったのですが、このポイントはどうしても譲れませんでした。
また、一から探し直しを覚悟した時、1棟目でお世話になった不動産会社から連絡が来たのです。
▶ポイント3:掘り出し物件であったとしても妥協しない
水面下の情報がもらえるように
2棟目を探しているとき、気になった物件があれば1棟目でお世話になった1番信頼できる営業マンに相談していました。
良さそうなものから的外れなものまで、色々な物件について相談させて貰ったのですが、いつも迅速かつ丁寧で的確なアドバイスをくれました。
私が真剣に物件探しをしていた事を理解してくれていたその営業マンが、新築物件担当の営業マンにいい物件が出たらすぐに連絡するように言ってくれていたのです。
突然、
「まだ公開できない情報なので詳細はお伝えできませんが、今月中に紹介できそうなので、そうなったらすぐに連絡させてもらいます」
と、新築物件担当の営業マンから電話があったのです。
何度か新築披露イベントでお会いしていた方でした。この方も実直な方でスピード感と丁寧さがあり、信頼できる営業マンです。
私はその情報を楽しみに待つことにしました。
▶ポイント4:一般公開前の情報をできるだけ早く貰う
イメージ通りの新築に出会う
月末になり、待ちに待った連絡が来ました。建築プランや立地、土地代、建物価格とどれを取っても申し分ありませんでした。
ただ一点、土地の狭さが気になりました。以前検討していたのと同じくらいの広さだったのです。しかし、それをうまく回避できるプランが組まれていました。違う広さの部屋を組み合わせていたのです。
1Kと1LDKを混在させることで、それぞれのタイプにあった広さを確保できていました。もちろん1Kの方は家賃が低くなりますが、建物価格を抑えてくれたことで、利回りは悪くありませんでした。また、周辺の1K物件でオートロックの付いた物件がなかったため、それだけでも差別化になると思いました。
周辺環境確認のためにすぐに土地は見にいきましたが、実際の建物の雰囲気などは建ってみないことにはわかりません。しかし、ここは迅速な決断が必要です。
・立地に問題はない
・プランにも無理がない
・利回りはそこそこ
・入居は見込める
・家賃設定が良心的(2回転目であげられるかも)
・なかなか出て来ないエリア
・内装のテイストはモデルルームをいくつも見たことでイメージできる
など、自分なりの判断材料を集めて主人に相談し、翌日には買付申込を行いました。
後々聞いた話によると、その後すぐに買い付けが3件入ったようでした。
「naanan 様のスピード感と決断力は凄い!これは、成功している方に共通して言えることです」
と、よく言われます。
好機が来た時に即決できるよう、準備していた甲斐がありました。
▶ポイント5:優良物件には必ず人が集まるため、買い付けはスピード命!!
【記事筆者】

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アンバランスな3つの顔を持つ女「naanan」です。
・3人の子供を持つ専業主婦
・大学で学んだマーケティングや経営の知識、ゴルフや英会話などの趣味を生かした執筆活動を行うフリーランス
・不動産賃貸業を営む会社社長
遊びも仕事も全力で頑張り、実体験を生かした記事をお届けしたいと思います。
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