住宅の購入というものは、一生のうちでそう何回もできるものではありません。それゆえ気に入った物件を安い価格で購入できれば嬉しいものです。リノベーション物件は、機能性に優れ、デザインは新しく、しかも新築価格に比べ安く手に入れることができる可能性があります。この記事ではリノベーション物件を探す方法や注意点などについて解説をいたします。ぜひ参考にしていただき、気に入ったリノベーション住宅を手に入れてください。

リノベーション物件とは


リフォームは、古くなったり傷んだ部分を修復し、新築時に近い状態に戻すことを言います。一方、リノベーションは建物全体に大規模な工事を施工し、価値を高め魅力的な住宅にすることを言います。リフォームが比較的小規模な工事の「原状回復」が目的であるのに対し、リノベーションは「機能向上」が目的であると言えます。

築古住宅を最新の機能性やデザインに作り変えたもの

住宅というものは建築してから年月が経つと、傷みが出てリフォームをしなければ快適に住むことはできなくなります。しかし、単にリフォームしただけでは、デザインは陳腐化し機能面でも使い勝手が悪いに違いありません。そこで古い住宅を大幅に手直してリノベーションをすれば、快適に住むことができます。例えば、細かく区切られた3DKの間取りを機能性のある魅力的なデザインの広い2LDKや1LDKに作り替えれば、家族が一堂に会し、ゆったりとしたくつろぎの時間を持つことができる住宅になるでしょう。

建物の築年数は古くても、設備などは古くない

建物の築年数は古くても、リノベーション物件の設備は新しく付加価値の高いものが備え付けられています。例えば、トイレでは温水洗浄便座、給湯設備ではエコキュートや電気温水器、お風呂では浴室換気乾燥機、台所ではシステムキッチンやIHクッキングヒーターなどの機能性の優れた設備が設置され、使い勝手が良くなっています。

空き家の再生手段として注目を集めている

近年日本の空き家率が上昇し、治安面や安全面で大きな社会問題となっています。このような空き家を再生する手段として、リノベーションが大きな注目を集めています。付加価値をつけることで、魅力的な住宅に再生し空き家を減らすことが可能になります。

リノベーション物件の魅力


それでは次にリノベーション物件の魅力および特徴についてご紹介いたします。

デザインに凝ったものが多く、個性的な家に住める

かつて日本の住宅事情がさほど良くない時代には、壁で区切られた狭い空間の居室が一般的でした。これを広い開放的なLDKタイプの部屋にリノベーションすれば、家族のコミュニケーションも良くなるばかりか、友人を呼んでホームパーティーを開くことができます。また趣味の為のアトリエやシアタールーム、ウォークインクローゼットなど個性的で魅力ある住宅にすることも可能になります。各々のライフスタイルに合致した住宅を購入することにより、ひと味違った個性的な家で生活をすることができます。

中古住宅なので新築物件よりも安いことが多い

魅力あるリノベーション物件と言っても、もともとは中古住宅ですので、新築住宅と比べると一般的には安い価格で購入することができます。夢に描いた機能的でデザイン性のある住宅を、リノベーション物件であれば比較的低予算で購入することも可能になります。

中古なので早く入居することができる

新築住宅を建てるとなると、土地を購入し、建築会社を決め、基礎工事を行うなどの手順をおって進めなければなりません。リノベーション物件であれば、もともとの骨組みがありますので、大幅に手を加えても、比較的短期間で入居することが可能です。また、これからリノベーションを行う場合でも、同様に建物の完成まで新築と比べるとさほど時間がかかることはなく、比較的早く入居することができます。

内装などは真新しく、機能性も新築物件に引けを取らない

リノベーション物件は、内装についてもデザイン性の優れたものに一新しています。また素材についても、新築物件に負けない機能性に優れたものを使用しており、快適に暮らすことができます。

リノベーション物件を探すには


通常の中古住宅と比較すると、なんとなく見つけにくい印象のリノベーション物件は、どのように探したらよいかご説明いたします。

リノベーション物件を専門に仲介するサイトを見る

リノベーションを専門に扱っている会社のホームページは多数ありますので、まずはネットで探すことができます。また店舗を持たずウェブ上のみで営業している会社もあり、そのような会社では家に居ながら詳細な情報を提供してくれます。わざわざ現地に足を運ばなくとも、エリアや路線を決め、価格帯や間取り等をインプットすれば、希望する物件を探すことができ大変に便利です。

中古不動産情報サイトで条件を設定して探す

中古不動産情報サイトでもリノベーション物件を扱っているコーナがあり、希望のエリアから物件を選ぶことができます。価格や面積・間取り・駅からの距離等で絞り込みができ、さらに「浴室乾燥機」などのフリーワードを入れることによって好みの物件を探すことが可能です。 大手不動産会社では躯体工事などの重要部分は10年、配管工事は2年などと保証をつけている場合や住宅の修復履歴を提供してくれる会社もありますので、安心して選ぶことができます。また気に入った物件があれば、不動産会社に資料を請求することもできます。

リノベーション物件を手がける工務店や会社に聞く

リノベーションを行っている会社では、様々な物件を持っており紹介をしてくれます。リノベーション住宅を手がける会社ですので、建物や設備の情報などに詳しいことも利点です。

仲介会社に探してもらう

通常の住宅探しと同様に不動産仲介会社に探してもらう方法もあります。住みたい部屋の大きさや価格・エリア・設備などの条件を伝え、リノベーション物件を探してもらいます。

自分で中古住宅を購入し、リノベーションする

特に住みたい住宅へのこだわりがある方は、希望するエリアの中古住宅を探しリノベーションする方法もあります。この場合はオーダーメイドのリノベーションとなり、自分の望む住宅を作れますので、満足度は高いと言えるでしょう。ただし、中古物件を購入後には、デザインや設備など詳細について建設会社等と打ち合わせをしなければなりませんので手間と時間がかかります。

リノベーション物件を購入する時の注意点


リノベーション物件は価格が安く、ライフスタイルにあった住宅に住めるなどのメリットは多いですが、購入する際には次の点を考慮する必要があります。

リノベーションの過程をチェックすることが大切

リノベーション物件は既に完成している住宅を購入しますので、目に見えない部分はチェックしにくいと言えます。しかし、床下部分や壁面・屋根裏などの痛みやすい部分の補修が十分なされているかどうか、リノベーションの過程を必ず確認するようにしましょう。

配管などが古いままだと破損の危険性がある

リノベーションを行った住宅でもっとも気を付けなければならないのは配管の部分です。配管が長い間交換されていないと、漏水して建物の寿命が短くなったり、配水管の臭いが気になったりすることがあります。配管は目に見えにくい部分ですが、きちんと確認する必要があります。

築40年の物件では耐震性能に不安があることも

リノベーション住宅には、建築してから20年以上経過しているものが多くあります。1981年に耐震基準が改正されましたが、それ以前の建築物は新しい基準を満たしていない場合があり、注意しなければなりません。新しい基準が満たされていない場合には、耐震診断を行い補強工事を行う必要があります。

あまりにも古い物件は住宅ローンの融資が受けにくいこともある

年月を経た住宅の中には、建物の価値が認められず融資されない場合があります。また古い物件を選ぶ際には、建築基準法に合致した建物であるかチェックしなければなりません。かつては建築基準法に適応していても、改正により違法建築となる場合には担保評価が低く融資が受けられないこともあります。

最後に


いかがでしたか。
機能面やデザイン面で優れ、比較的安い価格で購入できるリノベーション物件は、買主にとって魅力的な住宅と言うことができます。しかし、一口にリノベーション物件と言っても、その内容はさまざまです。リノベーションをする前にはどのような状態の住宅であったのか、どの程度の修繕工事が行われたのかをきちんと把握しておく必要があります。住みはじめて「失敗した」ということがないようにしましょう。