みなさん、こんにちは。
FANTAS navi 編集デスクの小川です。

2018年10月29日にFANTAS technologyの新規事業として投資型クラウドファンディングFANTAS fundingがスタートしました。

前回は、新しい不動産投資の形FANTAS fundingの運用マネージャー 永野のインタビュー 前編https://assema.tokyo/?p=8588をご紹介いたしましたが、今回はその続きになります。クラウドファンディングの今後とFANTAS funding の特徴について伺ってみました!

 

クラウドファンディングは以前はソーシャルレンディングが主流

【編集部】

クラウドファンディングには、大まかに4種類(融資型、投資型、購入型、寄付型)あり、以前は圧倒的に融資型が多かったようですが、現状はいかがでしょうか。

【永野】

クラウドファンディングはオンライン上で投資をする仕組みの1つのカテゴリです。
その中で、融資型と言われるソーシャルレンディングは、不動産事業会社への融資を指します。融資債権に対し一般投資家が融資をするという仕組みで、このソーシャルレンディングには、第二種金融商品取引業の免許が必要です。

不特法の改正前までは、投資型のクラウドファンディングのサービスはまだなくて、不特法の改正後にオンラインで最初に投資型クラウドファンディングをはじめたのが(株)TATERUです。投資型のクラウドファンディングは(株)TATERUの1社だけだったので、ソーシャルレンディング(融資型)が圧倒的に多かったというのが2年前くらいのマーケットの状況です。それから、不特法改正を機に、参入する会社が増えてきたので、投資型のマーケット自体は大きくなってきているし、今後さらに伸びていくと考えています。

情報開示が義務付けられている投資型クラウドファンディングが今後伸びていく

【編集部】

今後の投資型クラウドファンディングのマーケットの見通しを教えてください。

【永野】

勢い的には投資型が融資型を上回っていくようなマーケットになると思います。

なぜかというと、ソーシャルレンディング(融資型)は色々な会社でトラブルがあり、事業会社が集めた時の目的と違った資金の用途に変更することが多発したので、ソーシャルレンディングに対する投資家の見方が厳しくなっているというのが現状です。

一方、我々が提供しているFANTAS funding(投資型)の場合、投資対象不動産を実物不動産購入時と同様に、重要事項説明書などの物件情報を事前に確認できる仕組みとなっていて、投資の際の判断材料をしっかりと提供できることから、投資型クラウドファンディングが今後のびていくと見ています。

【編集部】

ソーシャルレンディング(融資型)は事前に情報は開示されないのでしょうか。

【永野】

現時点においては開示されていません。ソーシャルレンディングは貸付債権に投資をするのですが、貸付先の会社の情報があまり開示されません。貸付先の担保不動産の情報を開示すると、出資をする人が貸金業の免許が必要となり、貸金業の適用義務が発生するという金融庁からの指導があったとソーシャルレンディング業者より聞いています。免許なしで投資をするためには、物件の詳細が不明な状態で投資家は出資をしなければならない点がソーシャルレンディングの課題であると考えていましたが、この点は近々改善され、投資対象の情報が開示される見通しだとも聞いています。

不特法のクラウドファンディング(投資型)に関しては、全て情報が開示されているので、ソーシャルレンディングと比較し、そちらの方がいいだろうというのがいまのマーケットの流れです。

空き家投資で社会貢献できるのはFANTAS fundingだけ

【編集部】

投資型クラウドファンディングは他社でも提供していますが、FANTAS fundingだけの特徴などはありますか?

【永野】

アセットタイプでいうと、空き家ファンドをこの規模で展開している企業は今のところFANTASだけです。(2019年1月現在)

「空き家再生」は以前より取り組んでいた事業であり、空き家問題に対する解決作の提案と考えています。空き家となってしまっている物件を投資用不動産に再生して、投資家に販売していくという事業を行なっていました。その空き家再生事業に対し、クラウドファンディングを利用することによって、多くの投資家に参加してもらい資金を集めることでさらに事業を大きく展開し、より社会貢献につながるということが1番の特徴と考えています。

また、区分マンションについては、FANTAS check(ファンタスチェック)があります。もともとHAYAGAIとうサービス名で展開していましたが、昨年サービス名称を変更し、FANTAS checkとなりました。
AIを使って不動産物件の査定をするサービスなのですが、そこで買い取った物件をファンド化して、最終的にFANTAS fundingが販売することによって、仲介業者を介さずに、圧縮した中間マージン部分を投資家や購入者に還元する仕組みがFANTAS checkの特徴です。クラウドファンディングを利用して、いろいろな方に投資をしてもらうことが、この事業の目的です。

FANTAS repro(空き家再生)ファンドは募集開始から30秒で完売!

【編集部】

サービスの話に戻りますが、FANTAS fundingには『FANTAS repro(空き家再生)』『FANTAS check (中古不動産流通)』の2種類のファンドがあり、どちらもキャピタル型ということですが、賃貸はついていないのでしょうか。

【永野】

FANTAS check (中古不動産流通)は、基本的には賃貸がついています。中にはついていないものもありますが、ついていても売却益を見込んだキャピタル型です。

FANTAS repro(空き家再生)は、基本的には、リフォーム途中の物件をファンドに組み入れて、その後に賃貸をつけて賃貸がついたあと販売という流れなので、賃料の発生は見込んでいません。売却益のみですね。

【編集部】

募集時には想定利回りとなっていますが、区分の場合、運用期間中に空室になったので利回りが下がるということはあるのでしょうか?

【永野】

今のところ、売却益のみで分配ができる収支を組み立てています。

【編集部】

キャピタル型に関しては、保有しつづけることは想定していないということでしょうか。

【永野】

現在組み入れているものに関しては、基本的に売り切る予定です。

今後はインカム型のファンドの展開も予定しています。その場合は、期間満了で売却せずに組み替えといったこともあるかもしれません。

【編集部】

インカム型はキャピタル型と違って賃料収入のみという考え方でしょうか。

【永野】

賃料収入から賃貸費用と運営費用を除いた、期中の収益を分配原資としているので、また別の仕組みになると思います。

【編集部】

初回の募集では、空き家が大変人気で30秒で募集終了となりましたが、これは想定の範囲内だったのでしょうか(笑)
空き家の方が人気が高そうですが、それは利回りでしょうか?それとも社会貢献につながるからというような投資家の意識もあるのでしょうか?

【永野】

感覚的には、空き家の方が…というところですね。他にないので、FANTAS fundingを選ぶ方は空き家に出資をしたい方が多いだろうなという想定はありました。30秒が想定の範囲かというと思ったより早かったなという印象です(笑)

▶︎後へ続く(https://assema.tokyo/?p=8735

記事:小川 明美(宅建士)