皆さん、こんにちは!宅建士の關口さゆりです。前回の前編https://assema.tokyo/?p=8200)では、2025年に大阪万博が開催されることが決定したことに関連して、まずは、万博とは一体何なのか、そして1970年に開催された大阪万博が一体どういう内容だったのか、日本にもたらした経済効果はどれほどだったのかについてお話させて頂きました。

今回の後編は、大阪万博2025の開催で、どのような経済効果があるのか、そして大阪の不動産市況が一体どうなるのかなど詳しく解説します!

大阪万博2025の概要は?

まず、約6年後に開催される大阪万博2025の概要について少し触れておきましょう。

大阪万博2025は、2025年5月3日~同年11月3日の185日間、開催される予定となっています。開催会場は、大阪市此花区にある「夢洲」で、予想来場者数は約2,800万人、参加国は150ヵ国となっています。そして経済効果は、なんと約2兆円と推定されています。2兆円といわれても全く想像できないですよね!

大阪万博2025のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」となっており、今からどんな万博が開催されるのか、どれほど万博が盛り上がるのかとても楽しみですよね!

大阪万博2025の開催地、夢洲ってどんなところ?

次に、大阪万博2025の概要にもでてきた、開催会場、「夢洲」についてお話していきます。皆さん、大阪万博2025に開催地として選ばれた「夢洲」をご存知でしょうか?私は、大阪で育ってもう30年以上経ちますが、今回、大阪で万博が開催されることが決定し、メディアで取り上げられるようになって初めて知りました。まずは、一体「夢洲」とはどういう所なのか見ていきましょう。

夢洲(ゆめしま)とは

大阪万博2025の開催会場の「夢洲」、どういう読み方か分かりますか?私は「ゆめす」と読んでしまいましたが、正解は「ゆめしま」と読みます。夢洲は、大阪府大阪市此花区にある、大阪湾を埋め立ててできた人工島の1つです。夢洲の他に、「舞洲」「咲洲」という人工島が近くにあります。広さは約390ヘクタールと、かなり広い人工島となっています。

夢洲(ゆめしま)は、実は大阪の大きな負の遺産となってしまっている

夢洲は、30年以上前に大阪を活気づけようと、舞洲、咲洲とともに大阪湾を埋め立てて、人工島として造られましたが、現在の夢洲は、土地の一部はコンテナターミナルなどに使用されていますが、大半は空き地として放置されたままになってしまいます。

埋め立てをするのに、多額の資金を費やしたものの、土地は活用されていないのであれば負債でしかありません。今回、この莫大な空き地を万博で使用するということは、大阪にとっては土地を有効的に活用する大チャンスといえます。

大阪万博2025の開催によって発生する費用ってどれぐらいかかるの?

 

大阪万博2025の開催によって不動産市況がどう変化するのかを見ていく前に、まずは、大阪万博2025の開催によって発生する費用ってどれぐらいかかるのか解説していきます。

大阪万博2025の開催でかかる費用はおよそ2,000億円!

大阪万博2025の予想来場客数は約2,800万人でしたよね? この2,800万人の中には、日本人だけはなく世界各国からたくさんの外国人が大阪に訪れます。もちろんそうなると、宿泊施設が必要となり、多くの宿泊施設を建築しなければなりません。

そして現在、夢洲に行く手段は、舞洲と夢洲を結ぶ「夢舞大橋」を利用するか、咲洲から「夢咲トンネル」を利用するしかありません。これでは、夢洲に行くのが非常に不便であるため、「大阪メトロ」と「JR西日本」は、2025年の大阪万博までに、今ある路線を延伸する計画、構想を立てています。

まずは、大阪メトロです。大阪メトロには、代表的な御堂筋線や谷町線、四つ橋線などたくさん路線が存在していますが、今回、延伸の計画が出ているのが「中央線」です。中央線は、コスモスクエア駅~長田駅を結んでいます。コスモスクエア駅は、人工島の1つ、咲洲にある駅で、このコスモスクエア駅から西に路線を延伸することで、咲洲と夢洲を結び、夢洲に新しい駅として「夢洲駅(仮)」を新設する計画があります。

一方、JR西日本では、「桜島線」を延伸する計画が出ています。桜島線は、大阪の主要都市、梅田で乗り換えとなり、ユニバーサルスタジオジャパンに行く際にも、必ず利用する路線となっています。このように、大阪万博2025に開催に向けて、宿泊施設の建設や路線の延伸などのインフラ整備が必要となり、多額の費用がかかると予想されていて、その費用が約2,000億円といわれています。

【参考】JR西日本:https://www.westjr.co.jp/company/info/plan/pdf/plan
【参考】Osaka Metoro:https://www.osakametro.co.jp/company/page

大阪万博2025の開催は、どんな経済効果があるの?

次に、大阪万博2025の開催で、どんな経済効果があるのかを見ていきます。

大阪万博2025の跡地は、IRとして利用される予定!

大阪万博2025の開催後、跡地をそのまま何もせずまた空き地としてしまうと、また大阪は負の遺産を抱えてしまうことになってしまいます。こういった事態にならないように、大阪市は、大阪万博2025の跡地を「IR」として利用する予定としています。

IRとは、Integrated Resortの略称で、よくメディアに出てくるのは、カジノです。カジノといえば、海外でお金持ちの人が遊ぶ施設というイメージが強いかと思います。このカジノを大阪に作ろうという計画です。もちろんカジノだけではなく、ホテルや商業施設などが建てられる計画となっていて、これが実現すると、1年間で約1兆円の経済効果をもたらすといわれています。

大阪万博2025の開催による大阪の不動産市況は一体どうなるの?

いよいよ、大阪万博2025の開催によってどのように大阪の不動産市況が変化するのか、予想していきたいと思います。

近年、大阪の不動産価格、特にマンションは上昇傾向である

大阪の不動産価格は、結論から先にいうと上昇傾向となっています。特に、マンションは上昇率が大きくなっています。大阪の主要都市の梅田は、百貨店の建替えや施設同士(LUCUA、ヨドバシカメラ、阪神、阪急など)を結ぶ連絡通路が作られ、非常に綺麗に、そして便利になってきています。

もう1つの主要都市、大阪ミナミ、難波は、筆者もよく行く街なのですが、とにかく観光客がとても多く、有名な道頓堀商店街は、ほぼ観光客しかいないのではないかと思うぐらい、特に週末は多くの人が訪れています。さらに、飲食店や販売店に足を運ぶと、外国人の店員さんも多く、今の大阪は、大阪人だけではなく、たくさんの外国人で成り立っているといっても過言ではない状況です。このように、大阪に訪れる観光客そして外国人雇用の増加により、宿泊施設や住宅を確保する必要があります。確保するためには、建物の建築が必要不可欠であり、大阪市内では、あちこちで、マンションが建築されています。

今の大阪は、住宅、特にマンションはとても需要が高く、不動産価格が上がり続けています。

【参考】国土交通省:http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000114.html

大阪万博2025開催によって大阪の不動産市況はどうなる?

現在の大阪の不動産市況は、上昇傾向となっていますが、大阪万博2025が開催されることにより、まだまだ上昇傾向は継続するだろうと予想されます。大阪万博2025に向けて、夢洲では、ホテルなどの宿泊施設をたくさん建築する必要があります。

そして、鉄道の延伸が実現し、新しい駅ができると、夢洲から主要都市(梅田や難波など)にアクセスがしやすくなり、夢洲から主要都市の沿線周辺で、マンションや戸建などの建築にさらに拍車がかかります。そして、大阪万博2025の開催後の跡地で、IRが実現されると、日本に移住する外国人が増加するという事も十分に予想されるので、そうなれば、さらに大阪の物件は需要が高まり、大阪の不動産市況は上昇傾向となるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今でも大阪の不動産市況は上昇傾向となっていますが、大阪万博2025が開催されることにより、今よりもさらに、大阪の不動産市況は上昇傾向と良い方向に向かっていくと予想されます。 大阪万博2025の開催で、大阪がさらに活気づき、元気な街となっていくと嬉しいですね。

【記事筆者】

關口さゆり
關口さゆり
大阪府在住。20代半ばから不動産業界に携わり7年目。宅建士・ファイナンシャルプランナー2級の資格を保有しており、現在AFPの資格取得のため猛勉強中!過去の借金の経験からどうやって資産を増やしていくのか日々奮闘しております。皆さんのお役に立てられるように頑張ります!