初めまして。元3メガ系証券会社でFXのスポットディーラーをしていたスイーツ大好きの中島 翔です。
FXをスタートしようと決めたのはいいものの、最初どのような事から手をつけていいのか? 何を注意すべきか? わからないことがほとんどだと思います。

ここでは「FXって何?」という初歩的なところから、取引を始める際にすべき事、FX会社の選定方法、取引を行うにあたっての注意点をまとめていきます。

FXって何か知っていますか?

FXというのは、「Foreign  Exchange」の略であり、「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。外国の通貨の強弱により、両者を交換するレートが変動することを利用して取引を行い、利益を出すことを目的とする取引です。

厳密には、FXでは外国為替の「実物資産(米ドルや円の現金)」は交換されておらず、取引をすることで、買った時点のレートと売った時点のレート(反対の取引も同様)の経済価値のみを円資産で受け渡しされているデリバティブ取引に該当します。

FX取引はレバレッジと呼ばれる元金以上のリスクを取って取引できることが特徴です。現在規制により25倍までとなっています。

口座開設にあたって注意すべきこと

FXの取引するために最初に行うことは、「口座開設」です。
口座開設においてFX会社がチェックしているポイントをご紹介します。

厳密な本人確認

2008年3月1日に施行された「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)により、口座を開設する開設者の本人確認が義務付けられています。

この法律は、犯罪組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)の防止やテロ資金供与対策のため、本人確認や記録の作成・保存、疑わしい取引の届出などを一定の者に義務付ける法律です。

このため、必ず口座開設で必要になるのは「マイナンバー」の提出です。マイナンバーの提出は法律で義務付けられていますが、マイナンバーカードをまだ受け取っていないという方もいると思います。

マイナンバーカードは今後金融商品を取引するにあたって様々な場面で必要になるため、役所で発行しておくことをオススメします。

マイナンバーカードがあれば、本人確認がそのカードの写しだけで完了するFX会社が多く、とてもスムーズに口座開設ができるからです。

リスクを取ることに問題がない顧客かどうか?

FX会社は口座開設時に預貯金の金額や、取引する資金がどのような原資なのか(余資なのか、生活資金なのか等)をヒアリングする項目があります。

これは口座開設者の方が、レバレッジと呼ばれるリスクが大きいFX取引を行なっても問題ないかどうかの妥当性を判断するためです。

生活が逼迫しているような状態や、生活資金を投資するという口座開設者は口座開設をお断りされるケースもありますので注意しましょう。

FX会社を選定するポイントは?

口座開設をするFX会社はどのように決めるべきか悩まれる方も多いでしょう。ここでは初心者の方がどのようなポイントでFX会社を選定すべきかをまとめましたので、下記を参考にFX会社を選んでみてはいかがでしょうか?

スプレッドが狭いかどうかをチェック

まずスプレッドとは、買う値段と売る値段の差のことを指します。

例えば、ドル円のレートが画面上ではbid(顧客が売りたい時の値段):100.00円 ask(顧客が買いたい時の値段):100.10円となっているとします。(実際はこんなにスプレッドはない会社がほとんどです。)

買うなら100.10円で買う事になり、売るなら100.00円のレートになるため、結果的に10銭が取引にかかるコストという事になります。

FXでは取引手数料のかからない会社がほとんどですが、このスプレッドは実質取引にかかるコストとなるため、スプレッドが狭い会社は取引コストも低くなるということを覚えておきましょう。

最後にスプレッドで競争力のある会社を2社ご紹介します。

SBI FXトレード:唯一0.01pips刻みでレートをクオートしている会社でドル円0.27銭 豪ドル円:0.59銭 ユーロ円:0.39銭と最小スプレッドを強みとしています。

FX ブロードネット:スプレッドは他社と比較して総じて狭いと言われています。ドル円0.3銭 豪ドル円:0.6銭 ユーロドル0.3pipsとかなりスプレッドは狭くなっています。

ニュースの他にマーケットレポートや分析資料があるかどうか

上記のスプレッドは各社競争激化でと戦国時代となっており、どの会社も大きな差がなくなっているのが現状です。そのためスプレッドではなく、そのほかの付加価値で勝負するようになってきています。

ニュースの配信はどの会社も機能は備えていますが、アナリスト等を雇ってテクニカル分析の見方や、ファンダメンタルズ分析(各国のニュースから金融政策、経済の行方を予想すること)のレポートを配信する会社も複数あります。

そのため初心者の方は勉強をするという意味でもレポートがあるかどうかは大切であり、ニュースの種類の量やレポートが豊富かどうかをチェックして選定すると勉強にもなるためいいでしょう。

参考までにレポートやコンテンツが充実していると感じているFX会社を2社ご紹介します。

外為オンライン:アナリストレポートはチャートの基礎、テクニカル分析の解説等様々なコンテンツを豊富に取り揃えており、口座開設して損は無いと思います。
外為ドットコム:ここの売りは「数十人規模のアナリストを擁していること」です。レポートの「質」という意味ではここが強いと感じます。

クイック入金に対応しているか?

クイック入金とは、FX会社が提携している金融機関であり、かつ、顧客がその金融機関のインターネットバンキング口座を持っていれば、24時間利用可能なオンライン入金サービスです。

提携している金融機関からの入金の場合、入金手数料もなく入金出来るため、利便性の観点からもこのポイントはチェックして会社を選定する方がいいでしょう。

また相場の急変により、取引に必要な証拠金が不足して、指定された時間までに入金しなければならないケースが出てきます。

その場合にもこのクイック入金サービスがあれば即時証拠金に反映されるため、とても便利な機能と言えるでしょう。

テクニカル分析の機能が豊富かどうか?

FXではテクニカル分析ファンダメンタルズ分析という二つの分析から相場を予測し投資する事になります。

テクニカル分析はチャートと呼ばれる過去の値動きを参考に、現在の位置がどのような意味を持っており、買われ過ぎているのか、売られ過ぎているのか、方向性はどちらなのかを視覚的に判断するための分析です。

テクニカル分析は投資をするにあたって重要な分析手法であり、使い方を勉強すればすぐに応用しやすいため、初心者の方は最初に勉強する事になるかもしれません。

参考書や本を読んで、その本に記載されていることを実際に試すことはトレードの技術を磨くためにも重要な事です。

そのためテクニカル分析の項目が多いかどうかはチェックする方がいいでしょう。

取引を行う時の注意点

ここでは取引を行う時に必ず注意すべき点について簡潔にまとめていきます。
是非この項目は頭に入れてトレードに臨みましょう。

損の幅を決めておくこと

取引する時にはある程度値動きのシナリオを描いてポジションを取ることが重要です。そして特に重要なのは「どこまで逆の方向へ動き損が出たら一度諦めるかを決めておくこと」です。

初心者でやりがちなのは、損が出ていても希望的観測からいずれまた元金までは戻ってくるという淡い期待を持ってしまうことです。

トレードの基本は「損小利大」です。損は限定的に、利益は出来るだけ我慢して引き伸ばすことがトレードで継続的に利益を出す上で必要なことです。

必ずこれは守るようにした方がいいでしょう。

なんとなくポジション取らない

これは「ポジポジ病」とも呼ばれており、なんとなく理由もなしにポジションを取ってしまうことを指します。理由もなくポジションを取って万が一利益が出たとしても、それはギャンブルと同じような物です。理由なしに遊びで取引するのはやめしょう。

ルールは必ず守ること

FXはギャンブルではなく投資です。
自分でシナリオや取引をするルールを決めることがとても重要であり、またそのルールを遵守することがとても重要です。

言葉ではとても簡単ですが、実際行ってみると精神的な不安や、ストレスを感じることもありますが、メンタルコントロールが勝者の条件とも言われています。

自分に厳しく耐える努力をしましょう。

まとめ

記事を読んで頂き、FX取引について、何をすべきで何が取引を行う上で大事か理解して頂けたでしょうか?
FXの世界は勝者が2割、敗者が8割と呼ばれる世界であり、ゼロサムゲームの世界でもあります。

しかし8割の方には共通点があり、その8割にならないよう最後の章で記載した「取引時の注意点」はしっかり意識していただき、皆さんが2割の勝者に入れるようになる最初の1歩となるような記事となれば嬉しいです。

【記事筆者】

中島翔
中島翔
学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行に入行し、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。
【保有資格】証券アナリスト