不動産鑑定士といえば不動産関連資格の中でももっとも難しい資格といわれています。不動産投資をするにあたって、この資格を持っていることでかなり有利に働く部分が多いのです。社会人の方が今から不動産鑑定士を自ら取得するということは少し現実的ではないため、専門家をパートナーとして相談にのってもらう選択肢が一般的ですが、ここではこの不動産鑑定士の概要と不動産投資への影響をご紹介します。

不動産鑑定士とは？

不動産鑑定士とは、不動産の評価などを行い、適正な価格を導き出す不動産のプロフェッショナルです。不動産鑑定士の資格は不動産系資格の中でも最高峰に位置し、超難関試験といわれています。

不動産鑑定士にしかできない独占業務としては不動産の評価を行う不動産鑑定評価業務がありますが、これ以外にも不動産の有効活用をアドバイスするコンサルティング業務が大きな仕事のひとつです。また、不動産会社などの企業内鑑定士としては不動産の評価だけではなく、管理や運営、企画なども任されることがある立場です。

不動産鑑定士が投資効率を高めてくれる可能性

不動産投資において不動産鑑定士の知識が大きなアドバンテージになるということは、その業務内容を見ればわかってきます。不動産鑑定士の独占業務である不動産鑑定評価業務において出された結果は、通常『不動産鑑定評価書』というものにまとめられます。この不動産鑑定評価書は不動産の適正な価格などだけではなく、銀行が融資を行う際の判断基準に使われたり、担保を取るときの判断基準に使われたりする重要な書類です。不動産投資は融資なくして行うことはほぼ不可能ですので、非常に大きな影響力を持っているといえます。

また、不動産の適正評価自体を独占業務としていますので、将来的な土地、または建物の価格の上下や適正な評価の論理的な導き方は誰よりも優れています。投資において絶対はないため、不動産鑑定士がいれば必ず成功するとは言いきれませんが、その可能性を大きくしてくれることは間違いないでしょう。

売却時も不動産鑑定士がいれば安心！

不動産の売却を行う際にも、不動産鑑定士の存在はとても大きいものです。不動産鑑定士の鑑定評価と似ているものに不動産会社による査定がありますが、これはなにが違うのでしょうか。細かいところを挙げればキリがありませんが、決定的に違うところは参考価格なのか、法的な力を持った適正価格なのかの違いです。不動産会社が行う査定によって導き出された価格はあくまでもその周辺の取引相場などに基づいて算出された参考価格であって、法的な力は全くありません。

一方、不動産鑑定士の行った鑑定評価による価格は不動産一般における客観的な適正価格であり、裁判所などの参考資料としても提出される法的な力を持ったものです。売却の際に何かトラブルがあったとしても、不動産鑑定士による鑑定評価書があれば安心して取引を行うことができます。

専門家の存在が円滑不動産投資のパートナーに

 

不動産の購入や売却にあたって、不動産鑑定士に依頼することは難しいことではありません。むしろ、このような個人的な不動産の売買を対象として設立されている不動産鑑定士事務所なども多数ありますので、気軽に相談してみることが大切です。

逆に大きな事務所や法人の場合には企業間取引などをメインに受け持っているところも多いので、あらかじめ調べておくようにしましょう。

不動産鑑定士による鑑定評価は、私見の入らない客観的なものですし、その価格が人によって大幅にぶれることは本来ありません。そのため、不動産投資を行う際には、投資活動を有利に進めるためにも心強い味方として不動産鑑定士などの専門家をパートナーにしておくとよいでしょう。