リートは、実物不動産への投資と比較すると少額で手軽に投資できる点が魅力です。しかし、手軽に投資できることと簡単に儲かることとは違います。リートに投資をして利益を出せる人もいれば、損することが多い人もいます。その違いは、投資に対する考え方の違いが理由である可能性があります。思考法が違えば価値観も投資判断も変わってきますし、利益の出方も変わります。そこで、リートへの投資で利益を出すための思考法についてご紹介します。

投資期間に対する思考の違い

リートは、上場株式と同じように取引ができますので、短期売買をすることも可能です。しかし、株式投資との大きな違いは、株式の配当金にあたる分配金の利回りが高く安定していることです。そのため、売却益狙い目的だけでなく、長期間にわたって分配金をもらって投資資金を回収するというスタンスで投資に臨む方法もあります。リートの投資対象は賃貸不動産ですから、長期間かけて投資回収する考え方をとれば、価格変動リスクを気にすることなく投資できるメリットがあります。

長期間かけて投資してもよいと考える人と短期間で売却益を得たいという人では、投資期間中に負うリスクの大きさが変わってきます。長期間かけて投資する方が価格変動リスクを下げることができますので損をする確率が下がり、より確実に利益を手にすることができるようになるでしょう。

あくまでも自己責任で投資できるかの違い

リートへの投資で上手く利益を出すためには、投資の結果は自己責任だと考えることも大切になります。実際に投資は自己責任以外のなにものでもありませんが、損をした場合に自分以外の何かに責任を転嫁したいと考える人もいます。損をした理由が証券会社の営業担当者などの他人や、日本の金融商品取引法や税金に関する制度などにあるとなれば、自分の責任と向き合う必要がなく精神的に楽ができるかもしれません。しかし、投資結果と真剣に向き合い、失敗した原因を特定して次回の投資に活かすというチャンスを失うことになります。

リートへの投資で成功したければ、損失が発生したとしても投資結果を自分の責任だと受け入れて、冷静に失敗の原因を分析し、2度と同じ失敗をしないようにするという考え方をとることをおすすめします。

経済ニュースへの関心度の違い

リートへの投資で成功する人のもう1つ大切なポイントは、新しい情報を取り入れて常に自分の投資シナリオが最適かを再検証する柔軟な思考ができるかどうかです。経済ニュースへの関心の持ち方で、柔軟な思考ができる人かどうかがわかります。

同じ経済ニュースを見たとしても、新しい情報を取り入れて自分の投資への影響を検証できる人は、「リートへの影響は?」「不動産市場との関わりはあるか?」といったことをイメージしながら、どんなニュースでも関心を持って接します。一方、投資に関して柔軟性を欠き硬直的な思考をしている人は、新聞に載っているリート指数の変化と不動産関連の紙面にしか目を通さないでしょう。

投資は、臨機応変に投資方針を変更することが必要な場合もあります。柔軟な思考法を身につけることも、リートで成功する秘訣です。

リスクを正しく理解して長期的な視点が重要

どんな投資にもリスクはつきものです。リートへの投資の場合も、価格変動リスクはあります。過去には、リーマンショック直後に大幅な価格下落が生じたこともあります。しかし、長期保有をすることで価格変動リスクは低減させることが可能です。長期投資を行うと、投資資金が長期間同じ金融商品に縛られることになり、売買益狙いの観点からは好ましくありませんが、リートの場合は、株式投資や債券投資と比較して高い利回りの分配金を安定的に受け取ることができますので、長期投資に適した投資商品といえます。

リートへの投資は、ミドルリスク・ミドルリターンに分類されるのが一般的ですが、長期的に投資を考えることによって、結果的にローリスク・ミドルリターンの投資に変えることができるようになるでしょう。アンテナを高く、柔軟な発想で長期的に戦略を立てることがリートに適した思考法といえます。