ローンというと何となく聞こえが良く、悪いもののように感じないかもしれませんが、日本語で言い換えるとローンとは借金のことであり、自分の身の丈以上のお金を誰かから借りていることに他なりません。誰だって借金はできるなら避けたいものですよね。そのため、多くの人は少しでも現金があると、繰り上げ返済をしてローンの額を減らしたいと考えるようですが、不動産投資に関しては、繰り上げ返済は時にマイナス要素になることもあります。不動産投資を成功させるために、繰り上げ返済のデメリットをきちんと理解しておきましょう。
☆キャッシュフローを重視しよう!繰り上げ返済の判断基準
キャッシュフローは簡単に言えば現金の流れことですが、
今手元に現金があるからと繰り上げ返済をしてしまうと、リフォームをしなければならなくなった場合などに、資金を捻出することができなくなります。
また、不動産投資で得られるメリットは家賃収入が入ってくることですが、
空室が多くなると収入が減るというリスクも抱えています。不動産投資では現金はある程度手元に残しておいた方が良く、収入が減少した場合でもローンが返済できる余裕を持つことが大切となります。
そのため、むやみに繰り上げ返済をするべきではないでしょう。どうしても繰り上げて返済をしたいなら、空室リスクが少なく、リフォームなどの出費の予定もない上に現金にもよほど余裕がある時以外は避けた方が望ましいでしょう。
また、繰り上げ返済をしたいがために、所有している物件をいくつか売却したいと考えている人もいるかもしれません。
しかし、物件を処分してまで返済期間を縮めるのはデメリットの方が多い場合があります。
不動産を売って返済に充てればそれだけトータルの返済額は減少しますが、収入もまた減ってしまいます。
賃貸経営を続ける資金的な体力がなくなれば、投資は失敗して全ての物件を売却しなければならない事態に陥ることもあるので要注意です。
☆金利動向にも注意が必要!繰り上げ返済のタイミング
ローンには金利がついてまわるものですが、今後金利は上昇する可能性があります。
金利が上がると毎回の返済額も上がり、投資の成否を分けることにもつながります。
返済期間が短くなればなるほど余分な金利を支払わなくて済むため、もしもこれから金利が上がるのなら、繰上げ返済を検討してみて良いと言えます。
繰り上げ返済をするなら、返済額軽減型の繰上げ方法ではなく、期間短縮型の返済方法を選択しましょう。
逆に、これから金利が下がると予想される時は静観しておきましょう。低金利が続く日本ではあまり考えられませんが、海外で不動産投資をしている場合などは、その国の経済動向を逐一チェックして判断することが大切です。
☆インフレ時は繰り上げ返済すべきではない?
物価や給与が上昇するいわゆるインフレには、今持っているお金の価値が下がるというデメリットも含まれています。
例えば、インフレ前に3000万円の現金を持って同額の物件を買おうとしていたとします。
急なインフレで物価も給与も今の2倍になったとしたら、3000万円で以前は売られていた物件は6000万円に上昇します。つまり、3000万円を持っていたとしてもその価値は半分に減ってしまい、以前はキャッシュで買えた物件も、インフレ後は手の届かないものになってしまうのです。
これを繰上げ返済に当てはめると、インフレ前に組んだローンの元金の額はインフレ後も変わらないので、所得がどんどん上昇するインフレ中は現金を多くためておいた方が賢いと言えます。
以前組んだ1億円のローンも、インフレで給与が10倍になれば感覚的に1000万円程度のローンでしかなくなります。そのため、インフレ中の繰り上げ返済は様子を見ておくべきでしょう。
【記事筆者】
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