今やサラリーマンや公務員などのサイドビジネスとして人気の不動産投資ですが、アパート投資は1棟丸ごと所有するので、空室時などのリスク分散ができる点が注目されているようです。ここでは、アパート経営にかかる初期費用や頭金なしでローンを組めるケース、アパート経営とマンション経営の違いや新築・中古物件を経営する際の違いなどを解説していきます。

☆初期費用の目安

アパート経営にかかる初期費用は、物件購入代金、不動産登記費用、仲介手数料、印紙代、火災保険料、固定資産税といった税金などと多岐に渡ります。アパート経営を始める際には、初期費用として物件購入価格の1割ほどを手数料や税金に割り当てる費用として準備しておく必要があります。住宅ローンを組むことを検討している人は、一般的に物件購入価格の3割を物件の頭金に、それに加えて1割ほどをその他手数料などの費用として見積もっておくので、合わせて4割程を用意しておけば良いことになります。
中古アパートを購入した際は、リフォームを行わないと賃料収入が減ってしまうため、費用対効果を考えて大規模なリフォームを行うこともあります。そのため、アパート経営を始める際には修繕費やリフォーム費をどのくらいかけるのか、継続的に行う修繕費はどのくらいにするのかを考えておくことも大切です。いずれにしても、初期費用をなるべく多めに見積もっておくことで、後で慌てずに済むでしょう。

☆物件価格に対して自己資金はどのくらい必要?

サラリーマンや公務員など本業がある人の多くは、金利の安い住宅ローンやアパートローンを上手く活用しているようです。ローンを組む際には評価額をもとに上限が決められるため、物件価格の7割ほどまでが借りられる金額になるようです。物件購入の頭金として3割、その他手数料などの諸費用でプラス1割の合計4割ほどの自己資金を用意しておくことが必要になります。
一般的にアパートローンの方が住宅ローンよりも審査が厳しいようです。その理由は、アパートローンは購入する物件の担保評価や収益性、賃貸管理を行う管理体制などが審査基準となっているためです。
住宅ローンは1つしか組むことができないので、まだ住宅ローンを組んでいない人で過去に滞納などの事故歴がなく、収入がある程度安定している人なら、問題なく住宅ローンを組めるのではないでしょうか。ローンを活用すれば、自己資金や頭金が0円でもアパート経営ができるとも言われていますが、アパート経営にはその後の運営・管理資金も必要になってくるので自己資金は多いことに越したことはありません。

☆購入時にかかる経費にはどんなものがあるの?

アパート経営のために物件購入時にかかる経費は、まず仲介手数料が挙げられます。200万円以下の物件は購入価格の5%、200万円〜400万円の物件は購入価格の4%+2万円、400万円以上の物件は購入価格の3%+6万円がかかるとされています。その他、印紙代や司法書士に代行してもらう登録免許税、金融機関によってはローンの事務手数料として3〜5万円がかかる場合があります。また、火災保険料や不動産取得税、消費税もかかります。土地には消費税はかかりませんが、物件には消費税がかかるので気をつけましょう。
ローンと併用すれば比較的安価な費用で始めることができるアパート経営ですが、物件によって購入時にかかる諸費用は異なり、一般的に物件購入価格の1割ほどが目安になると言われています。これらの経費を余裕を持って見積もっておくことが、健全なアパート経営を行うための秘訣になります。

☆頭金なしでもお金を貸してくれる場合

頭金なしのフルローンでアパート経営を始めるというのも、難易度が高くなりますが、可能なケースもあるようです。フルローンが組めるケースとして、銀行で使う原価法による概算評価額と、融資を受ける予定の物件の評価額が近ければ、頭金なしで全額を貸してもらえる可能性が高くなります。
または、居住用の物件として住宅ローンを利用することも可能です。こちらの場合は物件の担保評価より、本人の年収や勤続年数やローンの滞納歴などで審査が行われるため、物件購入資金をフルローンで借りられる可能性が高いでしょう。他には、投資物件の想定利回りが非常に高い場合は、借入金が早めに回収できると予想されるため、金融機関での融資が受けやすくなるそうです。
頭金なしのフルローンでアパート経営を始める際は、空室や家賃下落などで経営が上手くいかなくなった時のリスクが大きくなりやすいです。事前にしっかりシミュレーションを行い、無理がないかを確認するようにしましょう。

☆銀行で使う原価法による概算評価額の計算方法とは

銀行で用いられる原価法による概算評価額の計算方法をご紹介します。まず物件の評価額は、土地の評価額+建物の評価額で計算されます。次に土地の評価額は、国税庁によって毎年発表される「路線価」を基準に算出されます。また、建物の評価額は、新築時の評価額-減価償却費で計算されます。新築建物の場合は、鉄筋コンクリートなら1平方メートル15万円ほど、木造なら12.5万円ほどで算出されるようです。減価償却費は、建物構造や築年数ごとに法定耐用年数が定められているので、その建物の残りの耐用年数で減価償却費を算出することになります。

☆アパート経営とマンション経営の違いとは

アパート経営とは、一般的に1棟の建物を賃貸経営することを指します。アパートを入居者に貸し出すことによって家賃収入を得る賃貸業となります。オーナーは別の場所に住むことが多いようですが、オーナー自身もアパートの一室に住み、他の部屋を貸し出すことも可能です。アパート経営のメリットは、万一アパートの価値がなくなってしまった場合でも、最終的に土地が資産として残るという点です。残った時は更地にして別の用途で使用することもできますし、自宅として利用する人も中にはいます。日本国内でも、複数棟のアパートを所有し、億単位の資産を形成している人もいるそうです。
一方マンション経営とは、部屋ごとにオーナーが分かれる区分マンションを賃貸経営することを言います。資金に余裕があれば所有する部屋数を増やすことも可能です。建物1棟を所有するよりも手軽に投資できるため、サラリーマンや公務員など本業がある人からも人気のある不動産投資の方法です。

☆中古アパートと新築アパートを経営する場合の違いとは

アパート経営を始める際には、最初に新築アパートにするのか、中古アパートを探すのかを決める必要があります。
新築でアパートを建てる場合は、本体工事費、設備費、電気・ガス・水道などの別途工事費、駐車場設備等の工事費、空調設備工事費などの工事費の他、登録免許税、不動産取得税、印紙税、登記費用、火災保険料などの税金と諸費用も必要になります。新築アパートの特徴としては、デザインや間取りが最新なので顧客のニーズも多く、入居率が高くなりやすいことが挙げられます。新築アパートは丈夫で耐震性も高いため、何十年と長く保有しやすいのも魅力です。
中古アパートの場合は、不動産仲介手数料がかかります。中古アパートを取得する際の仲介手数料や税金などの諸費用は、物件購入価格の1割程度が目安です。中古アパートは、何と言っても購入価格が安いのが特徴です。また、過去の入居率の実績を確かめてから購入に踏み切れるというメリットもあります。