賃貸アパート経営を行っている場合は、所得税などの課税対象となる所得が発生する可能性が高いです。
そのため、不動産賃貸事業を行う場合は、確定申告についての知識が不可欠といえます。そこで、有意義な確定申告を行うためのポイントについてご紹介します。
☆基本を知る!免税事業者と課税事業者
消費税法では、事業者を免税事業者と課税事業者に分けています。
2年前の課税売上高が1,000万円を超える場合、または超えない場合でも、前年の前半6カ月の課税売上高が1,000万円を超え、かつ給与等の支払額が1,000円を超える場合は、
課税事業者となり納税義務を負うことになっています。
それ以外の事業者は免税事業者となり、納税義務は生じません。
アパート経営を個人でやっている場合、何もしなければ消費税を納める義務がある課税事業者になる可能性は低いです。理由は、住宅の貸付による家賃は非課税売上とされているからです。政策的な配慮から人が住むためのアパートの家賃は非課税売上になっているのです。
☆節税には必須!消費税還付スキーム
賃貸アパートの家賃は非課税売上ですので、アパート経営をしていて課税売上が発生することは稀です。そのため、消費税の納税義務が生じる可能性はほとんどなく、消費税の確定申告の心配は要りません。
しかしこの状態では、消費税に関して損をしている、節税できていないと考えられます。
理由は、支払った消費税を最終消費者として負担したままになっているからです。
原則として消費税は、事業者の負担や利益を生むことはありません。預かった消費税があれば納税する、支払った消費税があれば預かり消費税から控除するとしているため、事業者の損益には影響がないのです。
しかし、免税事業者としてアパート経営をすると、家賃が非課税売上のため預かり消費税は発生せず、修繕費や管理費等の支払消費税は負担したままになっています。
そのような場合は還付申請をしたいところですが、免税事業者には還付申請が許されていません。
そんな時は、「課税事業者選択の届出」の制度を使うと節税できます。
免税事業者があえて課税事業者を選択するという制度が消費税には用意されているのです。
この制度を利用することで課税事業者となり還付申請ができるようになりますので、支払った消費税の還付を受けられます。
☆具体例で確認!消費税還付を申請するフロー
アパート経営における消費税還付の節税スキームについて、流れで確認しましょう。
まず、課税事業者選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
還付を受けたい年の前年の末日まで提出することが必要です。
↓
この届出書を提出することで、還付を受けたい年は課税事業者になります。1年間賃貸アパート経営をして、家賃が年間1,000万円、必要経費(すべて課税仕入とします)が324万円かかったとします。
↓
1年が終了したら納税計算をしますが、預かり消費税は家賃が非課税売上のためゼロ、控除税額は324万円のうちの8%分にあたる24万円となり、納税ではなく24万円の還付になることがわかります。
↓
最終的には、税務署に対し還付のための申告書を提出し、還付を受けるという流れになります。
但し、実際の納税計算は、国税の部分と地方税の部分に分けて処理します。
アパート経営をしているオーナーであれば誰でも使えるスキームです。
事前に税理士等の専門家に相談して節税対策をしましょう。
【記事筆者】
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