こんにちは。
東京都内でワンルームマンション投資をしている、
個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。

今回は、
ローンを組んで不動産投資を始める方が必ず直面する疑問
「頭金はいくら入れるのが良いのか?」
「そもそも頭金は必要か?」
について、書きたいと思います。

残念ながら、
【頭金を何万円入れるのが正解】という答えはありません。
その方のライフプランや、価値観によりベストな選択は一人ひとり異なるからです。

あなたがベストな選択をするために参考にしてほしい、
頭金を入れるメリット、頭金を入れないメリットを、それぞれご紹介します。

貯金があることが不動産投資の大前提

おそらく、貯金ゼロで不動産投資を検討する方は少ないと思います。
最近は、頭金を入れなくてもローンが組めますし、物件購入にかかる諸費用もローンが組めます。そのため自己資金ゼロで不動産投資をすることが可能です。

ですが、
自己資金ゼロでできるからといって、
貯金ゼロでやってよいものではありません。

いくら低金利とはいえ、諸費用ローンの金利は不動産ローンに比べ高いです。
また、諸費用までローンを組むと、物件価格(=価値)以上の債務を負うことになります。これは、将来売却するときに利益が出しにくくなりますので注意が必要です。

不動産投資のリスクを下げるためにも、最低限、諸費用分(50~100万円程度)の不動産投資用の自己資金の準備ができてから始めることをおすすめします。

そして、諸費用分以上の自己資金がある方が考えるのは、
「頭金を入れたほうがよいのか?」
という疑問です。

自己資金を使って頭金を入れる3つのメリット

自己資金を頭金にする、つまり、
頭金を入れることのメリットは大きく3つです。

  • 負担する利息が少なくなる
  • 収支(キャッシュフロー)が改善する
  • 確実に債務が減る

【メリット①】負担する利息が少なくなる

まず一つ目の、
【負担する利息が少なくなる】についてです。

低金利とはいえ、ローンを組んだ場合利息の支払いがあります。
例えば、金利2%、期間35年の不動産ローンを組んだとします。

金利の変動がなかった場合、
2,000万円借りた人の総返済額は27,825,861円。
つまり、利息の負担は合計で7,825,861円です。

同じ不動産ローンを、
頭金200万円を入れて1,800万円借りた人の総返済額は25,043,216円。
つまり、利息の負担は合計で7,043,216円です。

頭金を入れない場合と入れた場合の利息の差額は、
7,825,861円-7,043,216円=782,645円

始めに頭金200万円を入れると、80万円近く得することがわかります。

仮に、2,000万円借りた人の金利が2%ではなく1.8%だったら、
金利2%の場合と比べ、合計の利息の負担は約80万円少なくなります。

つまり、
頭金を200万円入れることは、ローン金利を0.2%下げるのと同じ効果があるのです。

【メリット②】収支(キャッシュフロー)が改善する

次に、二つ目の、
【収支(キャッシュフロー)が改善する】についてです。

頭金を入れて借入額を少なくすれば、
毎月のローンの返済額も少なくなります。

先ほどと同じ例を使い、毎月の返済額を比較してみます。

66,252円-59,627円=6,625円

頭金を200万円入れることで、
毎月の収支が6,625円、年間79,500円改善します。

今、普通預金の金利は0.001%です。

仮に頭金を入れずに2,000万円のローンを組み、
200万円の自己資金を普通預金にしておくと、年間の利息は20円です。
79,500円の収支の改善と、20円の利息。

不動産ローンの頭金は、普通預金に比べ投資効率が良いことがわかります。

毎月6,625円プラスになった分、飲み代に使ってなくなってしまったらどうしよう・・・。
と心配な方は、ローンの期間を短くする方法がおすすめです。
借入期間を35年から30年に変更してみます。
66,252円-66,531円=▲279

頭金を200万円入れることで、
毎月の収支を殆ど変えずにローンを5年短くすることも可能です。

【メリット③】確実に債務が減る

最後に、三つ目の、
【確実に債務が減る】についてです。
これは、当たり前のことですが非常に重要です。

これまで例に出していたとおり、2,000万円の物件を購入するのに、
2,000万円のローンを組む人と、頭金200万円を入れて1,800万円のローンを組む人では、
債務に200万円の差があります。

2,000万円のローンを組んだ人のローン残高が1,800万円を下回るのは、
借入れしてから4年4ヶ月後です。

つまり、200万円の頭金を入れることで4年4ヶ月前から不動産投資をしている人と同じスタートラインに立つことができるのです。

自己資金を使わず頭金なしでローンを組む3つのメリット

続いて、自己資金を頭金にしない、つまり、
フルローンを組むことのメリットは大きく3つです。

  • 自己資金の運用次第では、将来大幅に債務を減らせることも
  • 不動産の経費が多くなる
  • インフレになったら大成功

【メリット①】自己資金の運用次第では、将来大幅に債務を減らせることも

まず一つ目の、
【自己資金の運用次第では、将来大幅に債務を減らせることも】についてです。

同じ例で、
自己資金200万円、
2,000万円のローンを金利2%、期間35年で借りた場合で考えて見ます。

頭金を入れずにフルローンを組むと、
利息の負担が大きくなることを前にお伝えしました。

しかし、頭金に使わなかった自己資金の200万円を運用した結果、
30年後に500万円になったらどうでしょう?

30年後のローン残高は約377万円です。
500万円で全額返済すると、ローン残高がゼロになり、
さらに123万円のお釣りがきます。

前にお伝えした、
200万円の頭金を入れてローンの期間を30年に短縮する人より123万円お得になる計算です。

もちろん、
運用ですので30年後200万円が必ず500万円になるわけではありません。
ですがかなり確実に実現できます。

この低金利の時代に200万円が500万円になるなんてあり得ないかもしれませんが、
低金利なのは日本と欧州だけです。

不動産投資をする方の自己資金の運用は、
工夫次第でリスクを大幅に下げてリターンを取ることができるので、
詳しくは別の機会にご紹介したいと思います。

【メリット②】不動産の経費が多くなる

次に、二つ目の、
【不動産の経費が多くなる】についてです。
これは、節税に繋がる話です。

不動産投資をしている人は、不動産所得が発生します。
不動産所得とは以下の計算で求められます。


不動産投資の経費にはいくつか種類がありますが、
その中のひとつに「支払利息」という経費があります。
ローンを組んで不動産投資をしている人の毎月の返済額のうち、
元本ではなく「利息」にあたる額で、これを経費にすることができます。

ローンの借入額の多い人ほど負担する利息も多くなるため、
「支払利息」という経費も多くなります。
そして、経費が多くなるということは、不動産所得の額が少なくなります。

所得が少ない、つまり、納める税金が少なくなるということです。

給与所得のある方で節税を兼ねて不動産投資をしたい人は、
あえて頭金を入れずに支払利息(=経費)を多くし、
不動産所得を赤字にして給与から天引きされた所得税の還付を受けることも可能です。

【メリット③】インフレになったら大成功

最後に、三つ目の、
【インフレになったら大成功】についてです。

個人的な話ですが、
私は不動産投資を「頭金なしのフルローン」で始めました。
そのいちばんの理由はこれです。

不動産投資に限らず、
貯蓄や投資など資産運用をするときに考えなくてはならないのが、
「インフレリスク」です。

日本人は投資よりも貯蓄の比率が圧倒的に高いです。
「銀行に預けておけば絶対元本割れしないから安心」
と、社会人になったばかりの頃はよく母に言われたものです。

貯蓄が多い人が最も気をつけなくてはならないのがインフレです。
2年ほど前に新聞でこんな記事を見つけました。

新潟県にある地方銀行、第四銀行の定期預金が満期を迎えました。
金利6%(複利)、1915年に募集をした100年定期預金です。
100年間、複利で利息が膨らみ続け、元手が339倍になりました。

もし100万円預けていたら3億3,900万円・・・!
夢が膨らみますが、この100年間を冷静に振り返ってみたいと思います。

1915年当時の初任給は約50円です。
現在の約20万円と比較すると4千分の1です。
仮に100年前に、初任給全額(50円)をはたいて預けても、
元本50円×339倍=16,950円
元本と利息を合わせて16,950円です。

これでは今の初任給の10分の1にも満たない額です。
何の為に、初任給全額を100年も寝かせていたのでしょうか・・・

年6%の預金金利よりも、
賃金や物価の上昇(=インフレ)率の方が圧倒的に高かったということです。

 

本題に戻ります。
貯蓄にはこのようなインフレリスクが伴うため、
株式や不動産などインフレに強い資産も必要とよく言われます。
(私もセミナーでよく言っています)

実はもう一つ、
インフレ対策に効果的な方法があります。
それは、【借金をする】ことです。
借金、つまりローンを組むと、借入れ時点の物価に相当する債務を負うことになります。

仮に、年収500万で2,000万円のローンを組んで投資用の不動産を購入したとします。
その後、日銀の金融緩和が成功しインフレ経済になった場合、物価や賃金が上昇します。
イメージしやすいように少し大げさにシミュレーションしてみます。

2,000万円で購入した不動産は、年数が経過したにもかかわらず3,000万円の価値に。
そして賃金上昇により年収は1,000万円になったとします。
さて、この人が借りた2,000万円のローンはどうなっているでしょう?

借金は、借入れ時点での物価で債務が確定します。
その後インフレになっても、2,000万円の借金が増えることはあり得ません。
実際には、時間が経つと返済が進むので借金の残高は減り続けます。

2,000万円の物件を所有している年収500万円の人の借金2,000万円と、
3,000万円の物件を所有している年収1,000万円の人の借金2,000万円
同じ借金2,000万円ですが相対的に見るとどちらが債務が小さく見えますか?

頭金を入れずにフルローンを組むことで、よりインフレに強い不動産投資をすることが可能です。

頭金を入れるメリット頭金を入れないメリットをご紹介しましたが、
あなたはどちら派でしたか?

ここで挙げたメリットは一部に過ぎません。
信頼できる不動産会社やファイナンシャルプランナーと一緒に投資戦略を立ててから、
あなたの考えにあった方法で不動産投資をはじめることをお勧めします。

記事・監修 川井えりか(ファイナンシャルプランナー)

【記事筆者】

川井 えりか
川井 えりか
株式会社EDU(エデュ)代表取締役。ファイナンシャルプランナー、マネーセミナー講師。「10年後にお金を2倍にするマネープランニング」をコンセプトに、資産運用、家計管理のご相談を受ける。首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)と札幌を中心に活動。東京都在住。白米が大好き!毎食お茶碗2杯食べてます。