時間の経過とともに建物はだんだんと劣化していきます。特に建物の床部分は毎日居住者が利用している場所ですので、建物の中で傷みやすい場所と言えるでしょう。畳であれば、古くなったものを交換することはさほど難しくはありませんが、フローリングの床は交換時期を見極めることが難しく、張り替えもせず放置しがちです。そこで今回は、フローリング張り替えのタイミングや張り替えの方法などについて解説します。

フローリングの張り替えの必要性は?もしやらないとどうなる?

ちょっと見ただけではわかりずらいかもしれませんが、フローリングも時間が経つと劣化していきます。
フローリングを張り替える必要性やタイミングなどについて説明していきます。

フローリングだけじゃなく土台が傷んでしまう

フローリングそのものが古くなると、たわんだり反り返ってしまったりして、見栄えが悪くなるだけでなく、床材としての機能も低下します。これは太陽光を長年浴びた影響や水分などの染込みによる劣化です。
また、フローリングがめくれあがったりひび割れが生じたりすると居住者が怪我をしてしまう恐れもあります。

さらにフローリングの劣化が進行すると、床材としての機能を果たすことができなくなってしまうことも考えられます。
床材に保護されているはずの土台(床下地)にまで影響が出てしまう恐れがあります。
具体的には、フローリングの変形などで水分が床の下地部分に侵食してしまったりすると土台にシロアリが発生したり、土台が腐食してしまう可能性もあるのです。

フローリングが柔らかくなり抜ける事もある

フローリングの劣化をそのままにしておくと、フローリングそのものが抜けて、場合によっては人が床下に落ちてしまう可能性もあります。
歩くと床がきしむ、床が沈んだように感じるというような異変を感じた場合は、フローリングや床下地が痛んでいる可能性があるため、注意が必要です。

フローリングの状態が劣化し始めたらすぐに張り替えを進めることが大切ですが、その前に一定の期間が経過したら張り替えをするように考えておくことも重要です。

フローリングの張り替えの基本は15年に1度!

フローリングの張り替えの目安としては、15年に1度の張り替えをするように準備をしておくと良いと言われています。

もちろん、日頃の使い方によってフローリングの状況も変わりますので、もっと早く状態が悪化することも考えられますし、もっと長い時間良好な状態を保つこともありえます。
しかし、特定のタイミングでフローリングの張り替えをするようにしておくと、うっかり忘れて放置することなどが防げます。

また、普段はなかなか目で見ることができないフローリング下も張り替えのタイミングで確認することもできます。
実際にフローリングの張り替えをするかどうかは、フローリングを点検した状況によるかもしれませんが、少なくとも定期的なフローリングの状態確認は必ず実施するようにしましょう。

フローリングの張り替えを計画して予算を決める

一口にフローリングの張り替えと言っても様々な方法があります。張り替え方法によってかかる費用は異なりますが、どのような方法であっても一定の費用は発生しますので、あらかじめフローリングを張り替える計画を考えておいて、予算を見積もっておくことが大切です。

張り替えすべきフローリングの寸法を測る

まず必要なのは、どのくらいの広さのフローリングの張り替えを行うのか、ということです。
対象となる部屋や場所の寸法を測ることが必要です。
張り替え場所が広ければ広いほど、一般的には費用がかかります。

またフローリングの張り替えと言っても、既存のフローリングの上に新しいフローリングを貼り付ける重ね張りではなく、フローリングを剥がして張り替える必要があるような方法であれば、費用も嵩むでしょう。

どんな床材にするのか検討して見積もりを取る

どのような床材で張り替えをするのかも予算を考える上で重要です。
高級な木材を使ったフローリングであれば、当然価格は跳ね上がるでしょう。
また、例えば水周りのフローリングであれば耐水性に優れた材料であることが求められますし、多くの人が利用する場所のフローリングであれば耐久性の高い材料が必要になります。

つまり、その場所にはどのような床材が適しているのかを検討することが大切なのです。
そのうえで見積もりを取るようにしないと、あとになって余計なコストが発生してしまうことになりかねません。

自分で張り替える又は業者に依頼して張り替えてもらう

フローリングの張り替えは、業者に依頼して作業をしてもらうか、自分自身で作業を行うか、選ぶことが可能です。
業者に依頼する場合には、プロの作業となるので、基本的には丁寧な仕上がりを期待することができるでしょう。
ただし、技術料を考えると、その分費用はかかってしまいます。

一方で自分で張り替える場合には、自分で好きなフローリング材を選んで費用を安く済ませることができます。
しかし、業者に比べると、素人なりの仕上がりになってしまう可能性もありますので、その点には留意が必要です。

フローリングを業者に依頼する場合の平均的な費用はいくらか?

6畳(10㎡)のフローリングの張り替えを業者に依頼する時の参考例は、下記の通りです。

種類 価格(税込み)
重ね張り 92,800円~
張り替え 99,800円~

重ね貼りとは、既存のフローリング材の上に新しいフローリング材を重ねて貼り付ける方法です。一般的には、古いフローリング材を剥がす費用などがかからないので、費用を抑えることが可能です。ただし、床の高さを調整する必要がある場合などは、重ね貼りの方法を取ったとしても、費用が高くなる場合がありえます。

出典:「床の張替え料金 リノコ (フォームのコトならリノコ)」(URL:https://www.renoco.jp/floor/price/

フローリングの張り替えを今話題のDIYで行う場合

フローリングの張り替えを自分で行う場合は、業者の仕事を自身でやらなければいけないので、慎重に準備をする必要があります。
現在では、ホームセンターなど多くのDIY店でフローリングの張り替えをするための道具や材料を揃えているところや、相談に乗ってくれるところも増えていますが、DIYを行う場合の注意点について説明します。

≪寸法を測り材料の費用を計算して用意する≫

見積もりの際にも説明しましたが、実際にフローリングを張り替える場所の広さを測って、どのくらい費用がかかるのかを計算します。

DIYに必要な材料や道具を合わせると、6畳(10㎡)のフローリングの張り替え(重ね張り)で、22,500円から67,500円くらいの費用がかかります。
一般的には、材料代だけであれば、フローリング張り替え業者に頼むよりもDIYの方が安上がりです。ただし、工事用の道具などを最初から揃えるとDIYの方が高くなってしまう場合も考えられます。また、友人などに手伝いを頼む場合には、昼食代やバイト代などがかかることもあります。材料費だけに目がいきがちなDIYだけど、色々とお金がかかってくることもあるので、そこも含めて検討することが重要となります。

おすすめの方法は重ね張り工法だが土台(床下地)が傷んでいたらNG

フローリングの張り替えは、前述したように、重ね張りによる方法がおすすめです。
特にDIYで張り替える場合には、床の土台にまで手を入れることは難しいと考えられるので、既存のフローリング材を生かした重ね張りが良いのではないでしょうか。

ただし、フローリング部分を綺麗に補修できたとしても、土台が腐っているような場合には、床が抜けて大怪我をしてしまう可能性があります。
がきしむ、沈む、大きな凹みがあるなどの症状がある場合は、床下地が痛んでいる可能性が高いので、無理をせず、業者に依頼して見てもらうようにしましょう。

DIYでフローリングの張り替えを行うデメリット

DIYでフローリングの張り替えをする場合はコストが抑えられるというメリットがありますが、一方で失敗した場合のリカバリーが難しいというデメリットがあります。
フローリング材の寸法を間違えたり、考えていた材料と異なるフローリング材を購入してしまったり、無駄な費用がかかってしまう可能性があります。
業者であれば、他の現場などで活用することのできる材料であっても、DIYではそういうわけにはいきません。

フローリングの張り替えを業者に依頼する場合

費用を気にしなければ業者にフローリングの張り替えをお願いすることはできますが、大切なのは信頼できる業者に仕事をお願いすることです。

一人で無理なら業者に依頼!まずは下見に来てもらう

最初はDIYでフローリングの張り替えを検討していても、張り替え場所の状態や張り替え作業の繁忙さなどを考えると業者に依頼した方が良い場合があります。
そのような場合には、業者に連絡をして、フローリングを張り替えたい場所の下見にきてもらうことから始めましょう。
信頼できる業者であれば、下見の段階でいろいろと質問をしてくるでしょうし、契約を急がせるようなこともしないでしょう。

フローリングの張り替えの見積もりをお願いする

続いて、業者にフローリング張り替えの見積もりを依頼します。
前回はいつ頃張り替えたのか、張り替え場所の利用目的や利用頻度、どういう材料であらたにフローリングを考えているのか、希望予算はいくらか、など、依頼主の希望と目的に応じた施工をするべく、丁寧なヒアリングが行われるでしょう。

契約を結びフローリング張り替えの施工をしてもらう

見積内容を業者と依頼主とで交渉をして、お互いに納得できればいよいよ施工の開始です。
施工までには時間があるので、依頼主はフローリング工事をする場所を片付けておくと業者はスムーズに工事に入れるでしょう。

フローリングの張り替えにかかる日数や最適な時期も検討する事

フローリングの張り替え作業には一定の日数や時間がかかります。
したがって、張り替え作業にかかる日数をあらかじめ確認しておくことが必要です。
また、季節的に工事に適していないような時期は避けた方が無難でしょう。

最後に

フローリングの張り替えにはDIYと業者に頼む方法とがありますが、どちらにしても費用や作業時間の見積もりは必要です。
満足のいくフローリングの張り替えをするためには、見栄えだけでなく、機能的にも納得のいく材料や方法を用いて施工をすることが重要です。また雨の多い梅雨の時期等はさけることをお勧めいたします。