新しい住まいへの引越しは心躍るものです。家族が増えてファミリータイプの家に引越し、上京して一人暮らしを始める時に引越し。人生において、実家を出て、賃貸物件に引越しを経験される方も多いのではないでしょうか?

新生活には何かとお金がかかるものなので、引越しの初期費用を低く抑えたいという気持ちは誰にでもあります。そこで今回は引越しにかかる仲介手数料についてまとめていきます。

賃貸における仲介手数料とは?

そもそも仲介手数料とはどういった費用なのでしょうか?
仲介手数料とは、住まいを買ったり、借りたりする際に、貸主との間に入って交渉や契約手続きをしてくれる不動産会社に支払う手数料の事です。

ここでいう不動産会社の事を、物件の仲介をする事から、仲介会社とも呼びます。なので、この仲介会社に支払う手数料のことを仲介手数料というと覚えておけばよいでしょう。

仲介手数料の金額

仲介手数料の金額は宅地建物取引業法という、不動産業界のルールによって規定されています。なので、上限なく仲介手数料を支払わされるという事はありません。

賃貸物件を借りる際の仲介手数料は、貸主であるオーナーと、借主である入居者から、合わせて家賃の1か月分までが上限とされています。なそのため、家賃10万円の家を借りるのであれば、仲介会社が受け取っていい仲介手数料は10万円+消費税が上限となります。

家賃が10万円の部屋を借りるのであれば、仲介会社が貸主から仲介手数料を50%+消費税を受け取っているとしたら、借主が仲介会社に支払う仲介手数料は、家賃の50%+消費税になる訳ですね。

でも、通常は1か月分払っていますよね?

ここで、賃貸住宅を借りたことがある方で不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。

なぜなら、一般的に、賃貸住宅を借りる際に、家賃の1か月分+消費税を支払うケースが多いからです。これは、原則的には貸主、借主からそれぞれ家賃の50%+消費税を仲介手数料として受け取るとされているのですが、支払う側が承諾した場合、家賃の1か月分まで、仲介手数料を受け取っていいという規定があるからなんですね。

その為、初期費用に仲介手数料1か月分+消費税とされる場合が多いのです。気付かない内に、仲介手数料の負担が全額負担されてしまうと思うと、ちょっとくやしいですよね。

ということは、交渉可能なのでは?

結論からいうと、交渉は可能です。

貸主は早く入居して欲しいと考えており、仲介会社も、せっかくなら契約して頂きたいという気持ちはありますので、納得のいく金額を交渉することは可能でしょう。

例えば、「すぐに入居するから仲介手数料を20%割引してくれませんか?」などといった交渉は、貸主にも、早く入居が決まるというメリットがありながら、仲介手数料が安くなるという借主にもメリットがあります。なので、比較的、交渉がうまくいく事が多いでしょう。

ただ、人気物件などで、「仲介手数料を1か月分払っても入居したい!」という方が他にいる物件の場合は注意が必要です。貸主、もしくは仲介会社の担当から見れば、入居を渋って費用交渉してくるお客さんよりも、交渉無しですぐに入居したいと思っている方を優先してしまうケースもあるからです。

なので、仲介会社や他の入居希望者の状況などを見ながら、状況に応じて交渉をする事が大切です。初期費用を交渉する事にとらわれて、希望している部屋に住めなくなってしまっては本末転倒ですからね。

仲介手数料が「半額」や「無料」になるケース

では、どういった場合に仲介手数料が「半額」もしくは「無料」になるのでしょうか?

貸主から仲介手数料が支払われるケース

仲介手数料は部屋に入居する借主からだけではなく、貸主からも支払われる場合があります。

この場合、仲介会社は貸主から仲介手数料をもらっている訳ですから、その分、借主の負担が減るわけですね。貸主にもよりますが、入居を早く決めて欲しいと思っている場合など、支払われるケースが多いですね。

貸主から広告料が支払われるケース

長い間、入居者が決まらない部屋や、引越しシーズンが過ぎて、なかなか入居を希望する人が集まらない場合など、貸主から仲介業者に広告料を支払うケースもあります。広告料は物件にもよりますが、家賃の50%から、多いところで100%以上支払われる場合もあります。

新築物件で3ヶ月以上、長期間入居が決まらない部屋の場合に、広告料が200%や300%などの高額の広告料が設定されている部屋もあります。
こういった賃貸物件であれば、仲介業者は入居者から仲介手数料をもらわなくても利益が得られる為、仲介手数料の半額、無料といった条件でも契約する事が可能になります。

借主から仲介手数料以外の金額を受け取るケース

賃貸物件の初期費用には仲介手数料以外にも、様々な費用が発生する場合があります。

例えば、契約書作成などの名目でかかる事務手数料ですとか、入居前のクリーニング、抗菌消毒などの清掃代。付随のサービスとして、入居後のアフターサービスや指定のインターネット回線への強制加入が条件の場合もあります。こういった名目のサービスは、仲介会社によっては、交渉すれば外してもらえる事もありますが、必須条件にされている場合も多いです。なので、仲介手数料は無料だからと安心していて、別名目で多くの費用がかかる事もあるので、しっかり確認する必要がありますね。

大家さん(貸主)と直接契約するケース

仲介手数料は、あくまで仲介業者に支払う手数料なので、貸主と直接契約をすれば支払う必要はありません。ただ、契約に関してトラブルが起きた際は、直接、交渉する必要がありますので、そういったリスクもあるという事を覚えておきましょう。

仲介手数料の金額にこだわらないことも大切

ここまで仲介手数料についてまとめてきましたが、仲介手数料だけにこだわってしまって、痛い目にあってしまっては元も子もありません。

契約期間総額の支払額で考えることが大切

仲介手数料は、入居時に支払うだけですが、賃貸物件を借りた後は、退去するまで、継続的に支払いが発生します。その為、入居する物件に何年間くらい住みたいのか考え、その入居期間中の総支払額を意識する事も大切です。

短期間しか済まない場合は、初期費用は重要になってきますが、長期間住むのであれば、仲介手数料を1か月分支払っても、家賃の割安な部屋を選んだ方が得な場合もありますし、2年以上住むのであれば、入居期間中に、更新料などが発生することもあります。

仲介手数料を支払ってでもトータルでの支払いは安くなることも

例えば、仲介手数料が1か月分必要な部屋だとしても、仲介手数料ではなく、賃料を交渉する事によって3,000円安く出来たとすれば、年間36,000円の削減になりますし、敷金や更新手数料も連動して安くなります。

また、フリーレントなどのサービスがある場合などもありますので、色々な面から、支払いが必要な支出を検討する事が大切と言えるでしょう。

最後に

いかがだったでしょうか?今回は、仲介手数料の仕組みや交渉可能な物件などに関してお伝えしてきました。
仲介手数料はお金がかかる初期費用に関わる事なので、確認する事は大切です。ですが、一番大切なのは、ご自身の希望に見合うお部屋を、予定の予算内で見つける事ですので、仲介手数料だけに拘らず、トータルの支出を考えなから、理想のお部屋を見つけていってくださいね。