投資で自分の資産を増やし、教育資金や住宅資金、もしくは老後資金に充てようと考えている人は多いでしょう。資産運用をする場合、いろいろな投資対象が考えられますが、手間をかけずに安定的な収入が得られるREITも有望な選択肢の一つになります。そこで、REITの配当が出る仕組みや配当額の決定条件、さらにはREITを組み込んだ最適なポートフォリオについてご紹介します。
☆REITで配当が出る仕組みを理解しよう
REITは不動産投資信託です。投資家から資金を集め、ファンドが賃貸不動産を購入し、そこから生まれる利益を投資家に配当するタイプの投資信託です。
REITへの投資の魅力は、比較的安定した配当が継続的に見込めることですので、REITに投資をする場合は、配当が出る仕組みを理解しておくことが大切です。
REITが所有しているのは賃貸不動産ですので、定期的に賃貸収入が入ってきます。
そこから、資産管理会社等への支払いをした後に残るお金を賃貸利益といいます。
また、物件の入れ替えを行うために売却益が生じることもあります。この賃貸利益と売却益がREITの配当原資となります。
また、REITは決算期間が定められています。
J-REITの場合、ほとんどの銘柄が半年ごとに決算をしますので、配当金も半年ごとに計算され配当されることになります。J-REITの銘柄ごとに決算期は違いますので、決算期の時期をずらして複数の銘柄に投資をすると、毎月配当金をもらえる形を作ることもできます。
☆REITの配当額はどんな条件で決まるの?
REITの配当額が決まる条件も知っておくと役に立ちます。
株式を購入した場合も配当金を受け取ることができますが、株式の配当金が決まる条件は事業の状況によって変わります。
原資はREITと同様に利益ですが、その利益のうち何割を配当に回し、何割を会社内に留保するかについては、投資をして事業規模を大きくする方が有利かどうか、株主に返す形で配当に回す方が望ましいかどうかによって決まります。そのため、利益がそのまま配当金になるわけではありません。
一方、REITの場合は、決算期間に生じた利益はほぼ全額配当に回ると考えるといいでしょう。
これには理由があります。REITの場合、配当金は法人税の計算上、損金算入が認められています。
そのため、発生した利益を全額配当に回せば、実質的に法人税はかからないのです。
J-REITは、どの銘柄もほぼすべて決算期間に生じた利益の全額を配当する形をとっています。
REITの配当原資は賃貸利益がメインですが、物件入れ替え時に売却損が生じることもあります。
その場合は、利益が減少しますので、配当金も減少することになりますが、そういったことがなければ、安定した配当が期待できるでしょう。
☆安定した配当を得るための最適なポートフォリオとは
安定した配当を得るためには、2つのポイントに気を付けてポートフォリオを組む必要があります。
1 アセットアロケーションのバランスをとること
アセットアロケーションとは、自分の資産を不動産、株式、投資信託、債券そして預金などにどういった割合で分散するかを決めることです。REITは株式のように価格が大きく変動する場合がありますので、自分の資産のすべてをREITに投じてしまうのはリスクが大きいでしょう。自分のリスク許容度に合わせて投資割合を考えるのがポイントです。
2 REITに割り振った投資額をどのREITの銘柄に割り振って投資するか
1つの投資法人に集中するやり方もありますが、マンション、オフィスそして倉庫など、投資法人ごとに投資対象が違いますので、複数の銘柄を保有して分散を図ることをおすすめします。また、銘柄ごとに投資地域の特徴がありますので地域分散も考慮して銘柄分散を図ると効果的です。
【記事筆者】
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