不動産投資を成功させるために必要な条件のひとつに、いかに経済の動向を見て返済額を少なく抑えるかというものがあります。

そのひとつに金利の支払いを抑える繰り上げ返済の活用が挙げられますが、時期を見誤ると逆に繰り上げ返済をすることで損をしてしまうケースがあるので、タイミングを見極める目を持つことはとても大切なポイントです。
また、繰り上げ返済をすることによって支払う金利の額は減りますが、繰り上げ返済をすることによって生じる解約金や手数料も、不動産投資を行う上では決して無視できないものです。

全体を俯瞰しながら、どうすれば少しでも良い条件で投資を進めていけるのかを探っていきましょう。

☆投資用不動産のローン金利と動向

不動産投資のためのローンは住宅ローンなどとは違い、変動金利か固定金利期間選択型を選ぶのが一般的です。

全期間固定の金利は、低金利時代の今、住宅ローンに対しては一般的ですが、投資用の不動産に対してはメリットをあまりもたらしません。

不動産投資をする際には、3〜5年の期間選択型の固定金利を利用するのが良いでしょう。初めは多少高い金利がつきますが、数年後には交渉次第で金利を下げることができるので、長い目で見た時はお得な金利と言えます。

また、リーマンショックの後長らく低金利の期間が続いていますが、いつまた金利が上昇するかはわからないものです。

金利が変動して後悔しないように、変動型にしている人は少しでも有利な条件の方に借り換えを検討してみるのも良いかもしれません。

☆ローンの繰り上げ返済の手数料体系

ローンを提供する金融機関にとって、金利は大事な収入源となっています。それを繰り上げ返済によって減らそうとしてくる人に対しては、解約金などを課すケースがほとんどです。

解約金や手数料は金融機関やローンの種類によっても異なりますが、借入後数年の場合は高額になる傾向があります。

例えば、銀行の解約金の場合では元金の数%をペナルティとして徴収するので、借り入れてから間もない期間で繰り上げ返済をする場合は元金もまだほとんど減ってはおらず、かなりの額の解約金を取られるということがわかります。

金融機関は金利で儲けなければならないので解約金を取ることは否定できませんが、繰り上げ返済を念頭にローンを組む場合は、解約金や手数料が低めに設定されているところを選択してみるのも良いかもしれません。

☆メリットの大きい繰り上げ返済テクニックとは

例えば30代後半で30年ローンを組んだ場合、返済完了時には60代後半になってしまいます。

仕事をしながら払い続けていくには体力的に厳しい年齢に差し掛かっているので、繰り上げ返済をして少しでも返済期間を短くしたいと考えるのは自然なことでしょう。

しかし、やみくもに繰り上げ返済をしていると、かえって返済額が大きくなったり、現金が必要になった時に資金を捻出できなかったりなどのデメリットを招いてしまう恐れがあります。繰り上げ返済にも知識やテクニックが必要なのです。