東京で初めて一人暮らしをする場合、家賃の高さが気になるところです。特に23区は家賃が高いというイメージがありますが、住むエリアを厳選すれば、リーズナブルな家賃で快適な都会生活を送ることができます。ここでは、東京23区に住む際に家賃相場が安いオススメのエリアについてご紹介します。

また、東京での賃貸物件選びに役立つ情報として、家賃を安く済ませるためのポイントと、家賃が極端に安い物件の注意点についても合わせてご紹介していきます。

東京23区の家賃相場が安いエリア5選!おすすめの駅10

東京23区の中で、家賃の相場が安いオススメのエリアと駅についてご紹介します。ここでは、その前提知識として、東京生活における立地選びのポイントについてお伝えします。

穴場で快適東京生活!立地選びのポイントは?

様々な施設が充実した都心はどうしても家賃が高くなりますが、ポイントを押さえて立地を選べば、都心に住まなくても充実した都会生活を送ることができます。

立地選びは慎重に

東京で生活する場合の立地選びの重要なポイントは、都心やターミナル駅へのアクセスが良いことです。住んでいるエリアの施設などが充実していなくても、電車などで短時間で都心に行くことができれば、買い物やレジャーなどを手軽に楽しむことができるからです。都心へのアクセスが便利で、それでいてのどかなエリアに住めば、都会の便利な生活と静かで落ち着いた環境の両方を享受することも可能です。

ターミナル駅への乗り入れや混み具合などの電車事情

電車事情についても、立地選びの重要なポイントになります。そのエリアの主要な駅であるターミナル駅への乗り入れが多い場合は、様々な地域へ行くことができます。通勤や通学などで毎日電車を利用する場合は、混み具合も重要なチェックポイントになります。女性の場合は、トラブルに巻き込まれることを防ぐために、女性専用車両がある路線を選ぶと安心です。

家賃相場、治安、商業施設

その他の立地選びのポイントとしては、家賃相場、治安、商業施設などがあります。家賃の相場が他のエリアと比較して安いことは大きな魅力です。また、生活をする上では、犯罪やトラブルに巻き込まれないように、治安の良さは重要になります。商業施設については、買い物に便利なスーパーや商店街、食事をするためのレストランや居酒屋、休日にショッピングを楽しむための大型デパートなどが駅の周辺にあるかなどが気になるところです。

東京23区の家賃相場が安いおすすめのエリア5選!!

東京23区というと、どうしても高い家賃をイメージしますが、他のエリアに比べて家賃相場が安い地域もあります。ここでは、そうしたオススメのエリア5選をご紹介します。

板橋区

板橋区は、東京23区の中では北西部に位置する区です。豊島区、北区、練馬区、埼玉県などと隣接しています。区内を走る主要な鉄道路線としては、JR東日本の埼京線、都営地下鉄の都営三田線、東京メトロの有楽町線、東武東上線などがあります。

板橋区で一番大きな駅といえるのは、「板橋駅」です。埼京線の停車駅で、近くには商店街があるので買い物にも便利です。古くからの風情ある佇まいが特徴の駅ですが、バリアフリー化に伴って、2015年から駅ビル、エスカレーター、エレベーターなどの設置工事が始まっています。また、板橋区には、風車小屋が美しい「浮間公園」、スポーツ施設やバーベキュー広場がある「赤塚公園、ポニーなどと触れ合える「こども動物園」などがあります。

葛飾区

葛飾区は、東京23区の東部に位置する区です。足立区、江戸川区、墨田区、などと隣接しています。区内における主要な鉄道路線としては、JR東日本の常磐線、同総武線、京成電鉄の本線、などがあります。

葛飾区の代表的な駅は、柴又にある「柴又駅」です。瓦葺きの純和風の外観が印象的な駅で、関東の駅百選にも選ばれました。同駅と周辺地域は、寅さんの愛称で親しまれる映画シリーズの舞台になった場所としても有名で、駅前には主人公の銅像も飾られています。葛飾区には、彫刻と庭園が美しい「柴又帝釈天」、豊かな緑が楽しめる「水元公園」、交番を舞台とした漫画で有名な「亀有公園」、などがあります。

練馬区

練馬区は、東京23区では最西端に位置する区です。中野区、杉並区、豊島区、などと隣接しています。区内を走る主な鉄道路線には、西武鉄道の池袋線、東京メトロの有楽町線、都営地下鉄の都営大江戸線、などがあります。

練馬区の主要な駅としては「練馬駅」があります。駅周辺には飲食店、娯楽施設などが複数存在し、利便性が高いだけでなく、警察署が近いので治安もよくなっています。練馬区には、老舗遊園地の「としまえん」、落ち着いた雰囲気の「石神井公園」、世界初の絵本美術館である「ちひろ美術館」、などがあります。

江戸川区

江戸川区は、東京23区内では最東端に位置する区です。葛飾区、墨田区、江東区、千葉県と隣接しています。区内を走る主な鉄道路線としては、JR東日本の総武線、京成電鉄の本線、都営地下鉄の都営新宿線、などがあります。

江戸川区の主要な駅としては、南小岩にある「小岩駅」があります。河川敷近くにある環境の良い駅で、周辺には商店街や大型のスーパーマーケットもあります。江戸川区は23区の中でも公園の面積が広いのが特徴で、緑豊かな地区になっています。水族館や観覧車などもあり、休日をのんびり過ごすのに適したエリアです。

江戸川区には、広大なウォーターフロントが特徴の「葛西臨海公園」、地下鉄に関する展示を取り扱う「地下鉄博物館」、日本初の親水公園である「古川親水公園」、などがあります。

足立区

足立区は、東京23区の北部に位置する区です。葛飾区、北区、荒川区、などと隣しています。区内を走る主要な鉄道路線としては、JR東日本の常磐線、東武鉄道の伊勢崎線、首都圏新都市鉄道のつくばエクスプレス、東京メトロ日比谷線、千代田線、日暮里・舎人ライナーなどがあります。

足立区の主要な駅としては、近年人気急上昇の「北千住駅」があります。人気の理由のひとつとして、上野、渋谷などのターミナル駅まで、乗り換え無しで行くことができます。足立区内を流れる荒川は、河川敷での花火大会が見どころです。足立区には、スポーツ施設やキャンプ場などがある「舎人公園」、吹き抜けの大温室がある「足立区生物園」、落ち着いた風情で温泉が楽しめる「大谷田温泉」、などがあります。

便利なのに家賃相場が割安!おすすめの駅10

23区内で家賃相場が割安なのに、交通アクセス、住みやすさ、商業施設の充実など、利便性も高くなっているオススメの駅10選をご紹介します。

北千住

北千住駅は、足立区千住旭町にあります。乗り入れ路線はJR東日本の常磐線、東京メトロの千代田線、同日比谷線、東武鉄道の伊勢崎線、 首都圏新都市鉄道のつくばエクスプレスです。駅周辺には大型デパートが複数あるほか、多様なジャンルの飲食店も揃っています。ショッピングやランチなど、休日を楽しむのに適した地域になっています。北千住は、全5路線が交錯する全国でも屈指の大型ターミナルで、都内の主要駅や横浜など、様々な場所にアクセスしやすくなっています。

成増駅

成増駅は、板橋区成増にあり、東武鉄道の東部東上線の駅です。東京メトロの有楽町線、副都心線の地下鉄成増駅にも隣接しています。駅の周辺には飲食店や娯楽施設などが豊富にありますが、少し離れると緑豊かな自然公園や、落ち着いた雰囲気の住宅街などがあります。成増駅は急行ですと、10分程度で池袋まで行くことができます。都心に近くアクセスに便利な場所でありながら、のんびりとしたアットホームな雰囲気を楽しめるのが魅力です。

千歳烏山駅

千歳烏山駅は、世田谷区南烏山にあり、京王電鉄の京王線の駅です。新宿まで約20分で行けるほか、渋谷にも乗り換えで20分ほどで行ける利便性が魅力です。駅周辺には商店街、スーパー、飲食店などが一通りそろっているため大変便利です。千歳烏山は、お年寄りから若者まで、多くの世代が暮らしている街です。昔ながらの声掛けの習慣などもあり、古き良き風情も魅力です。

上石神井駅

上石神井駅は、東京都練馬区上石神井にある西武鉄道の新宿線の駅です。西武新宿まで約15分で行くことができます。また、吉祥寺駅まで数キロ程度の立地になっています。駅周辺にはデパートやスーパーがあるほか、スポーツセンター、テニスコート、温水プールなどのスポーツ用の施設が充実しています。上石神井は昔から早稲田大学の学生の下宿先として人気があるため、家賃が安い一人暮らし用の物件が多くなっています。

四ツ木駅

四ツ木駅は、葛飾区四つ木にある京成電鉄の押上線の駅です。新宿駅まで1時間足らずで行くことができるほか、東京駅まで約30分で行けるので便利です。駅の周辺は、美味しくてリーズナブルなレストランや居酒屋が点在しているので、グルメスポットとしてもオススメの地域になっています。四ツ木駅周辺では、下町らしい情緒のある雰囲気が楽しめます。古くからの地域住民が多く住んでいることもあって、治安が良く穏やかな雰囲気になっています。

田端駅

田端駅は、北区東田端にあるJR東日本の京浜東北線と山手線の駅です。池袋と上野まで約10分、新宿まで約17分と、都心までの交通の便が非常に良いのが特徴です。基本的に住宅街のため、駅周辺に大きな施設はあまりありませんが、2つの商店街があるので、普段の買い物には困りません。田端駅の周辺は閑静な住宅街になっており、賑やかさはありませんが、落ち着いた雰囲気があります。

尾久駅

尾久駅は、北区昭和町にあるJR東日本の宇都宮線、高崎線、上野東京ラインの駅です。駅周辺はファミリーレストランやファーストフードなどの手軽な飲食店が充実しています。少し歩くと商店街もあるので、買い物にも便利です。尾久駅は交通の便が非常に良いのが特徴です。東京、横浜、大宮など、様々な方面に乗り換え無しで行くことができます。また、JR山手線の田端駅まで歩いて行ける距離ということも魅力の一つです。

経堂駅

経堂駅は、世田谷区経堂にある小田急電鉄の小田原線の駅です。新宿まで約18分で行けるほか、渋谷や池袋にも乗り換え1回で30分以内に行くことができます。駅周辺はスーパーが非常に多く、普段の買い物に困ることがありません。人通りが多いので、夜遅くの帰宅も比較的安心かと思います。経堂は、ファミリー層が多く住んでいるため、地域のパトロールなどが充実しており、防犯に優れた地域になっています。

京成立石駅

京成立石駅は、葛飾区立石にある京成電鉄の押上線の駅です。スカイツリーがある押上駅に、乗り継ぎなしで15分程度で行くことができます。駅前には、仲見世商店街があります。商店街では昔ながらの喫茶店や屋台などが楽しめるほか、週末は行列が絶えない人気の居酒屋もあります。京成立石駅の周辺には、区役所、警察署、市民ホールなどの公共施設が、徒歩数分で行ける範囲にあります。下町風情で治安も良いので、生活しやすくなっています。

十条駅

十条駅は、北区上十条にあるJR東日本の埼京線の駅です。池袋まで10分以内で行けるほか、隣駅で京浜東北線に乗り換えれば、横浜方面にもアクセスしやすいのが特徴です。駅の周辺には複数の大学や専門学校があり、多数の学生が集う街になっています。駅前のロータリーの近くには、老舗の商店街が広がっています。ロータリーの北側にある十条銀座商店街では、安くて美味しい惣菜が多数販売されているので、忙しくて自炊するのが難しい場合などに便利です。

東京の賃貸!家賃を安く抑えるためのコツ

家賃相場が安いオススメのエリアを見てきましたが、それ以外にも家賃を安く抑えるためのコツを、順番にご紹介していきます。

築年数や駅近物件にこだわらない

アパートやマンションの築年数にこだわらなければ、家賃が安い物件の候補は一気に増えます。築年数がかなり古い物件の場合は、一般的には相場が高い人気のエリアであっても、手頃な家賃で居住できる可能性があります。また、駅に近いことは利便性の面では重要ですが、その分家賃はどうしても高くなります。家賃を安く抑えたい場合は、自転車やバスなどを活用することで、駅から遠い物件でも選択肢の候補に入れることも有効です。

可能なら部屋探し・引っ越しの繁忙期は避ける

同じ物件であればいつも同じ家賃だと思いがちですが、実は時期によって家賃が安くなる場合があります。家賃が安いお得な物件を見つけるポイントは、部屋探しや引越しが多くなる繁忙期を避けて物件探しをすることです。

引越しが多くなる34910などは、賃貸物件の需要が高まるため、家賃はどうしても強気な金額になります。繁忙期が過ぎた58などは、空き部屋がある物件の家主は、家賃を下げてでも部屋を埋めたいという焦りが生じてきます。そうした時期を狙って物件を探せば、安いお得な家賃の物件を見つけられる可能性が高まります。

事前に家賃相場をチェックして相場観をつかむ

家賃を安く抑えるためには、家主と家賃交渉をするという方法もあります。その際に重要になってくるのは、そのエリアの家賃相場をきちんと把握していることです。それによって、少し高めの物件については、効果的に値下げ交渉をすることが可能になります。

希望するエリアの家賃の相場については、ネットで簡単に検索することが可能です。間取り、築年数、家賃、共益費などの情報を表にまとめたり、平均値を出したりすると、相場を把握しやすくなります。

国立市、立川市など23区外のエリアも検討してみる

せっかく東京に住むならやはり23区に住みたいと思うかもしれませんが、23区外のエリアを物件探しの対象にすれば、手頃な家賃の物件を見つけられる可能性が高まります。そこでオススメなのが、国立市と立川市です。それぞれ新宿駅まで約30分程度で行くことが可能で、23区内より家賃相場が安めになっています。

ルームシェアやシェアハウスという選択肢も

家賃を安く済ませるには、マンションなどの集合住宅の一つの部屋に複数人で住むルームシェアや、一戸建て住宅など一つの住宅に複数人で居住するシェアハウスという選択肢もあります。個室をそれぞれの住人が使用し、キッチンや浴室などを共有するのが一般的です。ルームシェアやシェアハウスについては、プライバシー、使用のルール、安全性、などの問題を解決できれば、家賃の面では有効な選択肢になり得るものです。

特定優良賃貸住宅やURの賃貸住宅を検討する

特定優良賃貸住宅は、国や地方自治体の補助を得て事業者が管理と運営を行う、ファミリー層向けの賃貸住宅です。家賃の補助制度、礼金や仲介手数料などが不要、住環境が整っている、などの特徴があります。入居するためには、家族連れであること、収入基準を満たしていること、などの条件があります。

UR賃貸住宅は、独立行政法人の都市再生機構が管理する賃貸住宅です。礼金や仲介手数料が不要、収入などの審査に通れば保証人が不要、などの特徴があります。条件や審査がありますが、様々な費用を抑えることができるメリットがあります。

注意!格安賃貸物件の甘い罠を見抜くポイントは?

相場よりも家賃が安い格安物件を見つけると、掘り出し物だと思いたくなりますが、安いなりの理由はあるものです。ここでは、家賃が安い物件に関する注意点を見ていきます。

家賃だけでなく、管理費や共益費を含めた総額で判断する

家賃自体が安くても、管理費や共益費と合計すると決して安くない、という場合があります。管理費は、物件を管理するために必要な費用です。共益費は、マンションなどの物件の共有部分にかかる費用です。支払う側からすると、実際にはどちらも家賃の一部といえるものですが、家賃とは別に表記することで、家賃を安く見せることができます。家賃が安いかどうかを判断するためには、管理費や共益費を含めた合計で判断することが大切です。

定期借家契約か普通借家契約かよく確認する

相場よりも家賃が安い理由として、定期借家契約の物件だからという場合があります。定期借家契約とは、契約の期間をあらかじめ定めておいて、その期間が満了したら、借り主は退去しなければならないというものです。

それに対して、賃貸物件の多くは普通借家契約になります。普通借家契約では、借り主が希望すれば、契約の期間は更新されるのが原則です。定期借家契約は、期間が満了したら退去しなければならないのが原則なので、その分相場よりも家賃が低く設定されるという仕組みです。

設備の老朽化や不具合の可能性

設備の老朽化や不具合によって、家賃が安くなっている場合があります。老朽化の例としては、物件自体が相当古い、トイレが水洗でない、耐震構造でない、などです。不具合の具体例としては、インターホンが故障している、扉や襖の立て付けが悪い、水道などの水回りに問題がある、などです。逆に安全面に問題がない、不具合が気にならない、などの場合には、家賃が安くなる分お得だと考えることもできそうです。

事故物件の可能性

その部屋で入居者が亡くなるなどの事故があった物件については、いわゆる事故物件として、家賃が安く設定される場合があります。もっとも、事故物件については新しい入居者にその旨を伝える義務があるため、事故物件と知らずに入居するケースは普通ありません。

周辺環境が良くない

物件自体は特に問題ないのに、相場よりも家賃が安く設定されている場合は、物件の周辺環境が良くない可能性があります。最寄り駅に遠いだけでなくバス停などの他の交通手段にも遠い、近くに線路や高速道路があって騒音がする、繁華街近くで夜間にも人が騒いで治安が悪い、などが理由になります。妙に家賃が安い物件については、物件だけでなくその周辺の環境もきちんと調べておくと安心です。

最後に

東京23区に住む場合のオススメエリアについてご紹介しました。ご紹介したエリアは、家賃相場が安い、生活しやすい、という共通した特徴がありました。こうしたエリアを知っておくことで、どうしても家賃が高くなりがちな東京で。コストパフォーマンスの高い生活を送ることが可能になります。オススメのエリア以外にも、家賃を安くするポイントや、家賃が相場よりも安い物件の注意点についてもご紹介しました。こうした情報が、最適な物件を見つけるための手がかりになりましたら幸いです。