マンションやアパートのように狭い部屋でなく、庭がある広い一戸建て住宅に住みたいと思っている人は多くいるのではないでしょうか。しかし一戸建て住宅を購入するには、十分な蓄えがないと難しい場合もあります。そんな時には無理して購入するのではなく、楽に支払って暮らせる賃貸の一戸建て住宅を検討したらいかがでしょうか。迷っているあなたの為に、賃貸の一戸建て住宅について解説をいたしますので、是非参考にしていただきたいと思います。
賃貸で一戸建てに住むことのメリットは?
それではまず賃貸の一戸建て住宅に住むメリットについて、購入した場合やアパートやマンションに住む場合と比べてご説明をいたします。
購入よりも賃貸の方が初期費用が安い
一戸建て住宅を購入するときには、一般的に物件価格の1~2割程度の頭金が必要な他、仲介手数料・不動産取得税・登記費用・ローン保証料・印紙税など多額の初期費用が必要です。例えば4,000千万円の住宅を購入したとすると、頭金が400万円程度かかり、諸費用で300万円前後の費用が必要になってきます。
一方、賃貸一戸建て住宅に住む場合には、一派的に敷金は1~2ヶ月・礼金は1~2ヶ月・仲介手数料は0.5~1ヶ月程度で、家賃の3~5ヶ月程度の初期費用で済みます。なお近年は敷金・礼金・仲介手数料も不要の物件もありますので、初期費用で大きな差がつくことになります。
賃貸は税金や修繕費がかからない
一戸建て住宅を購入すると固定資産税・都市計画税を支払わなければなりません。土地が4,500万円、家屋が600万円の評価額の場合には、東京都主税局のホームページ(※)によれば、年間18万円程度の税金がかかります。一方、賃貸住宅の場合には、税金がかかることはありません。
また永年戸建て住宅に住んでいると、屋根や外壁の外側部分、壁やフローリング・台所や風呂などの水回りが劣化し修繕をしなければなくなります。外壁は10年に一度ほど塗装が必要であり、修繕に必要な費用は100万円前後掛かります。また家の内側部分も不具合が出てくると、その都度費用が掛かることになります。賃貸の場合には借主の瑕疵による修繕費は別として、普通に住んでいる場合の経年劣化などは原則として貸主の負担となります。
【出典】東京都主税局:
( http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/kotei_tosi.html#ko_01_01)
引越しをするのも自由
長い人生の間には転勤があったり、田舎に置いている親の面倒を見なければならないなど、引越しせざるを得ないことがあります。一戸建て住宅を持っている人は、そのような場合には売却をするか人に貸すしかありません。
賃貸住宅であれば、現在住んでいる住宅の対処を考えることなく引越しをすることができます。また新たな住宅を引越し先で購入するには多額の費用が掛かりますが、賃貸であれば、敷金・礼金程度でさほど心配はありません
アパートやマンションよりも広い
一般的にマンションやアパートよりも、一戸建ての住宅の方が広い物件が多くあります。都心では一戸建て住宅の家賃は高額ですが、郊外に足を伸ばせば広い住宅を比較的安く借りることができます。広い住宅に住めば開放的であり、ゆったりとした生活をエンジョイできます。
庭が使える物件もあり、他人の目が気になりにくい
マンションやアパートですと、ロビーやエレベーター・通路などで同じ建物の人と顔を合わせる機会が嫌でも増えます。それゆえちょっとした外出にも人目を気にしなくてはなりませんし、近所の人と余り関わりたくない方はそれがストレスとなる事もあるでしょう。対して一戸建ては、近所の人と同じ建物に他人が住んでいる訳ではありませんので、人と顔を合わす機会は少なくなります。人目を気にせず気楽に暮らせるというのも一戸建てのメリットの一つです。
またマンションやアパートで庭付きの物件というのは少ないですが、郊外に行けば一戸建ての庭付きの住宅にすむことも可能です。庭があればガーデニングを楽しんだり、ペットを飼う・運動ができる・バーベキューをするなどちょっとしたアウトドアう楽しむことができて生活の幅が広がります。屋外で体を動かすことが好きな人は、庭のある一戸建ては大きな魅力となるでしょう。
駐車場がある物件も多い
一戸建て住宅には、駐車場がある物件が多く、自動車を保有している人には便利に暮らせます。マンションやアパートの場合には、駐車場がなく別途用意しなければならないこともあります。また駐車場があっても、利用料を取られる場合が多く、駐車場がない場合には、外部に駐車場を借りる必要があります。
音や声を気にしなくても良い
小さい子供がいる家庭では、子供が飛び跳ねたりすると下の階に響かないか気になることがありますよね。集合住宅では、防音対策がされているといっても、どうしても音や声が聞こえる場合があります。一戸建てですと住宅の間が離れていますので、音が聞こえてくることは少ないでしょう。特に楽器の演奏をする人や、子供のいる人は一戸建て住宅は向いているでしょう。
賃貸で一戸建てに住むことのデメリット
今まで一戸建て住宅に住むメリットをご紹介してきましたが、次にデメリットを挙げます。
家の断熱性や防犯性がマンションより低いことも
マンションに住んだ人ならお分かりになると思いますが、一般的に集合住宅は冬暖かく夏は涼しいです。戸建て住宅は気密性・断熱性に劣りますので、冬寒く夏暑く光熱費が掛かってしまうこともあるでしょう。しかし近年は二重の窓ガラスにしてあったり、断熱材を多く入れてあったりと気密性に優れた過ごしやすい住宅も増えてきています。
またマンションでは玄関がオートロックになっていたり、監視カメラが設置されていたり、管理人が常駐していたりとセキュリティ対策が十分なされています。しかし一戸建て住宅の場合には自分でセキュリティ対策を行わなければなりません。
駅から離れた場所にあることが多い
マンションやアパートは、一般的に駅から歩いて往き来できる距離に建てられていることが多いです。しかし一戸建て住宅では、駅周辺ですと土地代が高くなりますので、駅から離れた場所に建てれることが多くなり、賃貸で住むには多少不便となります。
隣人関係などの気配りが必要
集合住宅ですとドアを閉めれば、隣の人の様子はわかりません。どんな人が住んでいるのかも知らないことが往々にしてあることですが、一戸建て住宅になるとそのようなわけにはいきません。庭があり開放部が多いと隣人と接することも多く、トラブルは避けるために、ある程度隣人への気配りが必要となります。
地域のルールに従わなくてはいけないことも
マンションやアパートに住んでいれば、地域の人々とさほどお付き合いをすることもありませんが、一戸建て住宅に住むとなるとそのようなわけにはいきません。ゴミ出しのルールをきちんと守り、町内会で行う自宅周辺の清掃作業に参加し、お祭などにも地域の一員として参加しなければなりません。決められたルールを守る必要があります。
いくらお金を払い続けても自分のものにならない
一戸建て住宅を購入した場合にはローンの借入しても、いずれ支払いが終われば自分のものとなりますが、賃貸ではいくら払い続けても自分の資産にはなりません。短期間で住もうと言う人には、初期費用が掛からない賃貸の方が有利ですが、一生その家に住む、或いは物価の上昇が予測される時には購入した方が得な場合があります。
賃貸で一戸建てに住む時の疑問点
賃貸の一戸建て住宅に住む場合にはいろいろと心配になる点もあると思います。次にその疑問点について説明いたします。
退去時の原状回復はどれくらいしなければいけない?
長い間賃貸住宅に住んでいると、汚れたり傷がついたり家そのものが劣化してきます。家を退去するときには、入居したときと同じ状態にすべきかどうか気になりますよね。普通に家を使用していて生じた汚れやキズなどの修繕費用は、家賃の中に含まれているとされています。
国交省のガイドラインによると「賃貸人の故意や過失管理注意義務違反などについては復旧すること」とありますので、普通に暮らしていれば多額の修理費用を支払う必要はありません。
【出典】国交省ガイドライン:
(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html)
町内会に入らなくちゃいけないの?
一戸建て住宅に住むと、町内会に入り行事に参加するのが嫌だと思う人もいるでしょう。町内会は強制的ではないので、入らなくとも構いません。しかし町内会に入っているとお祭りや盆踊り・避難訓練などの情報が入ります。夫婦共働きの場合は別として、お子さんのいるご家庭や老人のいるご家庭では町内会に入った方が地域との交流の場として便利かもしれません。
勝手にリフォームをしてもいいの?
賃貸住宅では、契約をするときに原状回復を義務付けられています。従いましてリフォームをしようと思ったら、貸主の許可を得て行う方が良いでしょう。どこまでリフォームしても良いのか、退去時にはどうしたらよいのかその時に取り決めておくと良いでしょう。
設備が壊れてしまったらどちらの責任?
一般的に入居の時に備え付けられていた設備が壊れた場合には貸主が修理をしなければなりません。一方入居した後に借主がつけた設備については、借主の責任となり修理をする必要があります。どちらが負担すべきか否かは、一般的には契約書に記載されています
契約時の内容を予めしっかり把握しておこう
入居時にかわす賃貸契約書は文字も小さく書かれていますので、真剣に読む人はあまりいないのではないでしょうか。しかし特約などをつけて、通常以上に借主の不利な条件となっている場合もあります。署名押印をすればそれを認めたことになりますので、契約書はきちんと読んで後々問題の起こらないようにしましょう。
気になったことがあったら不動産屋を通して大家に確認
賃貸住宅に住んでみて気になったことがあったら、まず仲介に立った不動産会社に連絡を取りましょう。一般的には不動産会社が管理業務を行っていますので、大家に連絡を取り対処してくれる筈です。
良い一戸建て物件を探すポイントは?
一戸建て賃貸住宅を探すためのポイントを見ていきましょう。
築年数が比較的新しいものを選ぶ
一戸建て住宅を探す場合には、建設されてからさほど年数を得ていない物件を選ぶことが良いでしょう。新しい住宅であれば、断熱性にも優れ冬暖かく、夏は涼しく過ごすことができます。また新しい住宅にはシステムキッチンやユニットバスなどの設備も整い暮らしやすいに違いありあません。
大家さんが丁寧に管理をしている物件を選ぼう
一戸建て賃貸住宅はマンションやアパートなどと比べると、日頃の清掃が行き届かず住宅の痛みが激しいものもあります。貸主が丁寧に管理している住宅は、清潔で汚れも少なく快適に暮らすことができるでしょう。
長く住む気があるのなら、リフォームを申し出て見る価値もある
一戸建て賃貸住宅は、一般的にマンションやアパートと比べて長期間住む人が多いです。長く住むなら快適に過ごしたいもの、気になる点があれば貸主に相談してリフォームを申し出ることも必要です。自分の好みに合った住宅にして豊かな生活を楽しみましょう。
住む年数が限られているなら定期借地権付き物件が狙い目
住もうと思う期間が決まっていれば、定期借地権付き物件を選ぶのも狙い目です。定期借地権付き物件は持ち主が転勤の間、家を貸すような場合もあり、きれいな家が多く条件も良く快適に住むことができるでしょう。
最後に
いかがでしたか?
一戸建て賃貸住宅はマンションやアパートと比べると、広く快適に住むことができるのが特徴です。一戸建て住宅を購入するには費用が足りないという人には、特におすすめです。この記事を参考にしていただいて、住みやすい一戸建て賃貸住宅をお選びください。