株やFX取引の経験がある人は、投資対象を増やすためにJ-REITなどの不動産投資信託にも挑戦してみるといいでしょう。不動産投資信託とは、投資家から集めた資金を賃貸不動産で運用し、生まれた利益を分配金として投資家に支払うタイプの金融商品です。
☆不動産投資信託の歴史とJ-REITの変遷
戦後の日本は不動産の売買が活発になり、地価の上昇が続きましたので土地を担保に融資が行われるようになり、不動産市場は拡大しました。
その後、土地の有効活用目的での賃貸ビルや賃貸住宅の需要も旺盛になり、賃貸事業の裾野も広がっていきました。
ただ、不動産を購入するには多額の資金が必要になりますので、小口でも不動産投資ができるように証券化の技術も発達してきました。
そして、2000年にはいよいよJ-REITがスタートします。最初は2銘柄からのスタートでしたが、銘柄数は順調に増加しました。リーマンショックの影響による一時的な停滞はありましたが、今では50を超える投資法人が上場され、J-REIT市場の時価総額も世界有数規模まで育ってきています。
☆不動産投資信託を購入するには?
上場不動産投資信託であるJ-REITを購入したい場合は、株式を購入する場合と同じ準備をする必要があります。まず証券会社などの金融機関に投資用の口座を開く必要があります。
2016年1月以降に新規口座を開設する場合は、マイナンバーの提示が求められるようになっている点も知っておく必要があるでしょう。
既に株式投資などの経験がある人は、既存の口座をそのまま使うことができます。
マイナンバーの提示は3年間の猶予があります。
口座を作るにあたっては、一般口座か特定口座かを選択する必要があります。
特定口座を選択すると、売却益や分配金に対する税金を自動的に計算してもらえます。
また、特定口座・源泉徴収ありのタイプを選べば、源泉徴収をしてもらえますので確定申告の必要がなくなります。
実際にJ-REITの売買取引を行う方法は、株式投資とほぼ同じです。
市場が開いている時間中に指値や成り行きで売買を行うことができます。取引の約定日を含めて4日目に権利の受け渡しと決済が行われる点も株式の場合と同じです。
保有期間中は、半年に1度の決算ごとに分配金が支払われますが、分配金は決算の状況によって金額が決まります。
☆不動産投資信託の種類と投資環境について
J-REITとして上場されている投資法人は50以上ありますが、それぞれ特徴があります。
オフィスビルだけに投資するものや、賃貸マンション中心に投資するもの、さらにさまざまなタイプの賃貸物件をミックスしているものもあります。
近年では賃貸倉庫に投資する物件も上場され注目を集めました。ショッピングセンターやホテルも投資対象になっている投資法人もあります。
J-REITなどの不動産投資信託の投資環境は一般的には良化しているといわれています。
日本銀行の金融緩和政策の一環としてJ-REITが購入対象になっていることもあり、需給は引き締まっています。
また、上場不動産投資信託は、投資家から集めた資金だけで賃貸物件を購入しているわけではなく、借り入れをしてレバレッジをかけています。
マイナス金利導入によって借り入れ金利が一段と下がってきており、価格自体はかなり上昇してきましたが、分配金の利回りは平成28年5月の上旬時点でも3%を超えていますので、投資環境としては悪くないといえます。
投資家にとって不動産投資信託とは投資の可能性を広げることができるツールといえるでしょう。
【記事筆者】
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