不動産についての用語は略語などが多く使われています。例えば3DKと3LDKの違いは「L」がつくかつかないかですが、このLはどのような意味なのでしょうか?他にもどのような意味なのか気になる単語がいくつかあるのではないでしょうか?今回は最低限知っておきたい、場面別の不動産基礎用語について解説していきます。

不動産投資の設備に関する基礎専門用語

ここでは不動産の設備に関する基礎専門用語を簡単に解説していきます。

1R、○K、○DK、○LDK

1Rとはキッチンとの仕切りがなく居室が1つのタイプのことです。○Kは○が居室の数、Kがキッチンの仕切りがあるタイプの部屋のことです。例えば2Kであれば居室が2つでキッチンの仕切りがあるという意味です。○DKは○が居室の数、DKがダイニングキッチンの仕切りがあるタイプの部屋という意味です。○LDKは○が居室の数、LDKはリビングダイニングキッチンの仕切りがあるタイプの部屋という意味です。なおダイニングキッチンとリビングダイニングキッチンの違いは部屋の広さということになり、リビングダイニングキッチンのほうがダイニングキッチンよりも部屋が広いです。

板畳

主に和室の部屋で畳の一部が板敷きとなっている部分のことです。タンス、本棚などを置く際に利用されます。

ウォークインクローゼット

人が入れるくらいのスペースで衣服などを収納する目的の小部屋のことです。寝室の隣に設けられることが多く、更衣室としても使われています。

クッションフロア

床が塩化ビニールで出来ているため、やわらかく音が響きにくい特徴があります。キッチン部分や脱衣所などの水周り部分に主に多く使われています。

クレセント

アルミサッシの窓などに使われている締め金具で、回転させる部分が半円形であるから三日月型の鍵のことです。

グルニエ

グルニエとはフランス語で屋根裏部屋のことです。グルニエは屋根裏を利用した収納スペースでロフトとは少し意味が異なります。主に収納スペースとして利用されますが、採光や通気などを工夫することによって書斎などに使われることもあります。

サービスルーム

サービスルームとは納戸やフリールームのことです。採光、通風などの建築基準法の基準を満たさないため、図面上居室と表示できない部屋を表す言葉です。

ジャロジー窓

ガラス板を羽根のように並べた窓のことです。ハンドルなどを回すとガラス板が開き風通しがよくなる仕組みです。主に浴室やトイレなどに利用されます。

シングルレバー

1つのレバーで水やお湯の切り替え、混合などを自由にできる水栓のことです。片手で簡単に使え、調節も自在なためキッチン用や洗面所用の水栓金具として主流となっています。

ピクチャーレール

壁につるすためのフックがついているレールのことです。ピクチャーレールを設置することで、壁にくぎを打って穴を開けることなく絵画や書画を飾ることができます。

防水パン

防水パンは強化プラスチックなどの防水性の高い素材で作られた、洗濯機を設置する場所についている台のことです。水漏れを防ぐ役割があります。

ランドリーパイプ

浴室の天井付近についていて洗濯物を干せるパイプのことです。天気が悪い日や外出する際など屋外に洗濯物を干せない時に便利です。

BT別

賃貸アパートやマンションに使われている表記です。Bがバス、Tがトイレを表します。バスルームとトイレがわかれているタイプです。この表記によってバスルームとトイレが一体型の物件かバスルームとトイレがわかれている物件か判断できます。

不動産投資の賃貸契約に関する基礎専門用語

ここでは不動産の賃貸契約に関する基礎専門用語を簡単に解説していきます。

仲介手数料

契約の際、仲介を受けた契約者と大家さんが仲介してくれた不動産会社に支払う報酬のことです。なお、仲介についての契約者と大家さんの報酬の合計額は家賃1ヶ月分を超えてはならないと宅地建物取引業法にて定められています。

更新料

賃貸契約の期間が終了しても続けて契約を更新したい場合に支払う費用のことです。一般的には家賃1ヶ月分が相場となっています。

礼金

昔からの慣習で大家さんに対するお礼として支払われる費用のことです。現在では地域によって礼金を取らない大家さんも増えてきています。

敷金(保証金)

契約の際、大家さんに預ける形になる費用のことです。家賃が未納になった場合の補填に使われたり、退去の際、部屋の原状回復に充てる費用として使われたりします。

手付金(予約金)

契約の前に支払う費用のことで、申込金、仮契約金などと呼ばれることもあります。主として契約の予約のためで、支払った費用は不動産契約が締結される際に家賃の一部に充当されます。

前家賃

一般的に家賃の支払いは翌月分を当月中に支払います。例えば7月中に支払った家賃は8月分として取り扱われます。

日割り家賃

契約の途中で退去した場合や月の途中で契約した場合の家賃は1ヶ月分ではなく日割りで計算されるため、一般的に日割り家賃と呼ばれています。

共益費(管理費)

建物の共用部分(共用灯、エレベーター、オートロックなど)の電気代、清掃代などに充てられる費用のことをいいます。算式は特に定まっていないため、不動産ごとに異なる費用となります。一般的に賃料は家賃と共用費を足したものと考えられます。

火災保険料

一般的に契約期間内に起こる火災や水漏れなどに備えて加入する保険で家財などを保証の対象としています。火災は自分が火元の場合は、大家さんや隣人への賠償責任はありませんが、賃貸契約の内容次第では原状回復の費用を請求される場合があります。またもらい火の場合は、失火者へ賠償請求することができないため自分の家財を守るためにも加入が必要です。なお内容については建物によって異なり、様々な特約がついている場合もあるので契約の際に確認することが望ましいです。

入居審査

入居審査は入居申込書、提出書類をベースにして大家さんや家賃収納会社、入居審査会社などが入居者の審査をすることです。審査の内容は会社によってさまざまで、厳しい審査もあれば割とゆるめな審査もあります。しかし家賃の支払いに難がありそうな人や治安や風紀上で適当でないと思われる人は審査に通らない傾向があります。

重要事項説明

宅地建物取引業法により説明義務が定められた内容のことで、宅地建物取引士による説明が義務づけられています。説明内容は、契約内容、建物内容、条件、特例などが書面にて説明されます。重要事項説明ではその名の通り重要な事項を説明するため、よく確認することが必要です。

特約項目(特約事項)

特約項目とは当事者同士で取り決める契約内容です。特約項目が別書面に記載されている場合は、入居するにあたって不利益な項目がないか契約時にはよく確認のうえ、記名押印するようご注意ください。

不動産の構造に関する基礎専門用語

ここでは不動産の構造に関する基礎専門用語を簡単に解説していきます。

軽量鉄骨造

鉄骨構造の一種で、軽量鉄骨という厚さ6mm未満以下の鋼材が柱や梁(はり)などの構造部分に加工して用いられています。一般的な木造よりも耐火性や耐震性に優れています。

PC造

PCはプレキャストコンクリートの略語で、プレキャストコンクリートを使用した建築構造のことです。鉄骨の骨組にプレキャストコンクリートをはめ込むことによって造られています。

RC造

鉄筋コンクリート造りの略称です。柱や梁などの構造部分に、鉄筋でできた枠型にコンクリートを流し込んだ素材を用います。鉄筋は引っ張る力に、コンクリートは圧縮に抵抗するように組み合わせ強度を高めています。

SRC造

鉄骨鉄筋コンクリート造りで、鉄骨を組んだ柱、梁の周りに鉄筋コンクリートをかぶせた構造になっています。RC造と比べると強度に優れています。このような性能の高さから高層の建築物に向いています。

S造

鉄骨(スチール)構造の略称のことです。用いる部材の厚さによって重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2つに分類されます。RC造やSRC造のようにコンクリートを使わないため全体の軽量化が図れ、超高層や体育館などの広大な建築物などに適しています。鉄骨自体の粘り強いしなやかさが特徴ですが、揺れが大きくなるというデメリットもあります。

ラーメン構造

ラーメンとはドイツ語で「枠」を意味する単語です。すなわちラーメン構造とは柱と梁をつないで建物を支えていく工法で、広い空間を作れる特徴があります。

ツーバイフォー

2×4インチ断面の材料を使って壁面で支える木造工法です。枠組壁工法とも呼ばれ、19世紀の北米で生まれた木造建築の伝統的な工法です。従来の工法よりも耐火性、耐震性に優れています。

ALC造

軽量気泡コンクリート造りの略です。軽さと強度、断熱性をあわせ持ち、耐熱性や耐火性に優れている構造です。

アウトポール

鉄筋のマンションに良くある柱の出っ張り部分を部屋の外側に出してているものです。これによって部屋も広くなり家具の配置もしやすくなります。

打放し

壁などがコンクリートを打ち込んだままで、クロスなどが貼っていない仕上げになっているものです。無機質な仕上がりが特徴です。デザイン性の高さから商業ビルから個人住宅まで広い範囲で使われています。

サイディングボード

サイディングボードとは住宅の外壁材として多く採用されている素材のことです。窯業系、金属系、木質系、樹脂系の大きく4種類あり、耐水性に優れています。2×4住宅によく使われています。比較的安価で色柄やデザインが豊富なのが特徴です。

ピロティ

建物の1階部分が駐車場やエントランスなどになっていて、壁がなく柱だけで構成された吹き抜けの空間のことです。地震などの揺れに弱い点があるので耐震性への配慮が必要となります。

まとめ

ここまでさまざまな不動産用語について解説してきました。不動産投資をする際や賃貸の部屋を決める際に知っておくと便利な用語もいくつかあったかと思います。ある程度意味を知っていれば、今後は説明を受ける際も理解しやすいのではないでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。

監修:小林 弘司(不動産コンサルタント)