不動産投資であるリートも株式と同じように新規上場のものが熱く注目されます。人気の高いリートは初値が公募価格を上回ることが多く、大きなリターンを期待できるからです。リート市場は今後も成長していくと考えられ、新規に公開されるリートも増えてくると予想されます。では新規公開リートは新規公開株とは何が違うのでしょうか。また新規公開リートはどうすれば手に入れられるのでしょうか。今回は人気の新規公開リートの特徴や注意点についてまとめてみました。

新規公開株(IPO)の基礎知識

新規公開株(IPO)とは、未上場の会社が株式を証券取引所に新規上場することをいいます。IPOの最初の売り出し価格である公募価格は低めに設定されていることが多く、ほとんどの場合初値が公募価格を大きく上回り、価格が数倍になることも珍しくありません。またその後も高い確率で株価が大きく値上がりすることが多いのです。そのためIPOのメリットは、事前に株を割安に手にいれられることといえます。

しかし上場後の値動きが激しく、長く持ち続けていると公募価格を下回ってしまうこともありますので注意が必要です。IPOを購入するためには、IPOを割り当てられた証券会社に仮条件の価格で応募します。IPOは複数の証券会社に割り当てられますが、割り当てのない証券会社からは購入することができません。ほとんどの場合、応募株式数のほうが発行される株式数より多いので、購入者は抽選で決められます。

リートのIPOと株のIPOの違いとは?

多くのリートが証券取引所に上場されていますが、株式の場合と同じように未上場のリートが証券取引所に上場されることをリートIPOといいます。リートのIPOと株のIPOを比べた場合、1株単位での売買、公募のみで売出しはしないなどの違いはありますが基本的な仕組みはほとんど同じです。リートIPOと株のIPOとの一番の違いは、リートIPOの価格が安定していることにあります。

リートの収益のほとんどは運用する不動産の賃貸料ですので、一般の企業に比べると業績も安定しているのです。またリートを購入する投資家も利回りを重視する傾向にあります。そのため株のIPOに比べると価格の上下幅が小さく、初値が公募価格の何倍にもなるようなことはありません。逆に言えばリートIPOは大きく値下がりするリスクも少ないのです。

新規上場のリートは応募しなければ買えない

リートIPOを購入する場合も、株のIPOと同様の方法で行います。リートIPOは複数の証券会社に対して割り当て分が決められており、割り当てのない証券会社から購入することはできません。そのため購入したいリートIPOを扱う証券会社に口座を開設して応募する手続きが必要になります。

応募する際には口数、指値価格(または成行注文)を指定して、証券会社の口座に必要な金額を用意しなければなりません。応募期間が終了すると公募価格が決定されます。希望口数が多い場合は抽選が行われ、当選すれば購入することができるようになるのです。その後速やかに購入手続きを進めないとキャンセル扱いとなりますので注意が必要です。人気の高いリートIPOは競争率が高く、当選しにくい傾向にあります。

儲かる可能性大!でも損失の可能性も…市場動向をチェック!

リートIPOは株のIPOと比べて価格の上下幅が小さいのは確かですが、それでも新規上場時には大きく値動きします。人気の高いリートIPOであれば、初値が公募価格を大きく上回って儲かる可能性が高いのです。そのため新規上場時は大きなリターンを得るチャンスでもあります。

しかし逆に初値が公募価格を下回る場合もありますし、いったん値上がりした後で公募価格よりも安い価格で落ち着いてしまうこともあります。そのため事前に市場動向をチェックしておくことが大切です。リートも運用する物件のタイプによって、マンション型、オフィスビル型、商業施設型、物流施設型などいくつもの種類があります。リートIPOが運用する物件の用途タイプや運用実績なども調査しながら、慎重に検討して投資しましょう。