マンション経営を成功させるためには、まず失敗しないことが大事です。最初から大きく稼ごうと思ってもなかなかうまくいきません。逆に、少なくともマイナスにならないように気を付けていれば、損をすることだけは避けられます。失敗の原因がどこにあるのかをしっかり押さえることが成功のカギにもなるのです。どんなときにどんなことをすると失敗してしまうのかは、実例から学ぶのが一番でしょう。ここではマンション経営にありがちな失敗例をご紹介します。

☆マンション経営で知りたい情報は?

まずは、マンション経営を始めるときにどんな体験談を参考にしたいか、アンケートを取ってみました。

【質問】
マンション経営の体験談で参考になるのはどのような内容ですか?

【回答結果】


成功談:26名
失敗談:118名

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:20代以上・男女
調査期間:2017年3月28日~2017年3月29日
有効回答数:144サンプル

★失敗談から学ぶ転ばぬ先の杖
今回のアンケートでは、失敗談を参考にしたいと答える人が圧倒的多数を占めました。

・成功のイメージも大事だが、失敗談を聞く事により、どのような部分に気をつければいいのかが分かるので。(40代/会社員/男性)
・何がダメだったのか、どうしたらよかったのかなど、失敗談からの方が失敗しない方法が学べそうだからです(30代/会社員/女性)
・経営に関するチェックポイントが具体的に学べると思うからです。(40代/専業主婦・主夫/女性)

失敗談を参考にすると答えている人のコメントを見ると、失敗しないためのチェックポイントを探るのに、失敗談が適当だと考えている様子がうかがえます。失敗談からなぜ失敗したのか原因を探ることで、失敗を回避できるはずだと考えている人が多いようです。一方、成功談を参考にすると答えた人のコメントは次の通りです。

・成功者のやり方をまねることで自分も成功しやすくなるから。(30代/会社員/男性)
・失敗ばかり読むとやる気がなくなるから(20代/会社員/女性)
・まずは色々な成功例を知らなければ、マンション経営への最初の一歩が踏み出せないと思うので、成功体験を積極的に知りたいです。(40代/専業主婦・主夫/女性)

成功談を参考にしたいと答えている人のコメントを見ると、成功者を真似れば成功できるという意見と、失敗談を聞くとマンション経営をする気が無くなってしまうという意見の2通りがありました。成功者のやったことをそのまま真似すれば成功できるかどうかは実際のところわかりませんが、失敗した話ばかりを聞いてしまうと、怖くなって初めの一歩すら踏み出せなくなるという気持ちは頷けますよね。

アンケートの結果、成功談と失敗談のどちらを参考にするかは性格による部分も大きいように感じられました。しかし、マンション経営のリスク管理に関しては、失敗談から学ぶ人が多いということは間違いなさそうです。では、ここからは失敗例とその解決策を見ていきましょう。

☆失敗事例1.地方マンションを購入したら空室期間が長い

マンション経営で名目上の利回りばかり気にする人は、地方マンションを購入して空室に悩まされるという失敗をする可能性があります。利回りはマンションの購入価格に対する家賃収入の割合ですから、物件価格が安い地方のマンションほど見かけの利回りが大きくなるからです。しかし、地方都市ではもともと賃貸住宅の需要は都心部ほど高くありません。将来人口が減少していくと、空室リスクが高まる可能性があることを頭に入れておく必要があります。特に、地方の郊外型マンションは、利便性に問題があることから空室期間が長期化するおそれがあります。地方マンションの需要は細かい条件の違いに左右される部分が大きいため、都心部のマンションよりも空室リスクが大きいということを理解しておきましょう。

☆解決策1.都心マンションを積極的に選ぶ!

マンション経営は収益を上げることが大前提です。ですから、購入する物件は確実に収益が上がるものでなければなりません。そういった面で、地方マンションを購入して経営することはかなり難易度が高いと言えます。よほど長期間にわたる高い需要が見込める情報でもない限り、地方物件には手を出すべきではありません。名目上の利回りを気にする人は購入価格が高い都心のマンションは避けがちですが、人口が多く賃貸需要が高いエリアというとやはり都心部になります。満室を前提にした名目上の利回りでは劣っていても、確実に満室が見込めるエリアで経営すれば、結果的には収益が大きくなります。人口が多く賃貸需要が高い都心のマンションなら、多少駅からの距離があっても購入対象になります。空室を作らないようにするためには、需要が多いエリアに多くの人が住みたがるような物件を持つことが重要です。

☆失敗事例2.購入価格の高い新築物件は失敗しやすい


マンションを経営するならきれいな新築物件に限ると考える人もいるでしょう。しかし、新築マンションは物件価格に業者の販促費用なども含まれているため価格が高くなりがちです。初期投資として余分な費用がかかる分だけ、マイナス収支になるケースも少なくありません。新築マンションは、売却する際の価格が購入価格よりも大きく下落しやすいという特徴もあります。新築と言える期間は短いため、上手に経営できなければ赤字に陥ってしまいます。

☆解決策2.中古物件でも利益を出せる!

新築マンションには魅力がありますが、新築としての価値を得られるのは最初の入居者だけです。つまり、最初の入居者が出た後、次の人を探そうとしたときには中古物件になってしまうということを頭に入れておく必要があります。新築が中古に変わったときに急激に入居率が落ちるのであれば、最初から入居率が高い中古物件を狙った方がお得と言えます。入居率の実績を確認できる中古マンションの中から、入居率が高く、購入価格が安いものをピックアップして経営する方が利益は出しやすくなります。

☆失敗事例3.ワンルームは空室リスクが大きかった……

都心部でマンション経営をするとなると、どうしても需要を考えてワンルームを選ぶことが多くなります。しかし、ワンルームマンションは価格こそ安くて手頃に感じられますが、入退去のスパンが短い傾向があるため、収入が不安定になるリスクがあります。退去ごとにクリーニングや修繕などの費用が発生するうえに、次の入居者が入るまでのブランクなどもあります。安定した収入を上げるという面では、ワンルームマンションは空室リスクが高く、経営難に陥りやすいと言えます。

☆解決策3.ファミリータイプを購入しよう!

長期間にわたって安定した収入を得ようと思ったら、長期間住み続けてもらえる物件を選ぶ必要があります。そうすれば、退去時にかかる余分な費用が必要なくなる上に、次の入居者が見つかるまでの空室リスクも防げます。その点、ファミリータイプなら住み続けてもらえる期待がある上に、そのまま売却できる可能性もあります。マンション経営は、家賃収入を得るということだけではありません。売却も含めて考えることが大事です。

☆まとめ


マンション経営は、いきなり大きな収益を上げることよりも、損をしないようにリスク管理をしっかりすることが大事です。リスクは、実際にマンション経営にチャレンジして失敗したことがある人の体験談をしっかり分析すればある程度わかります。成功談を真似しても必ずしも成功するとは限りませんが、失敗談から分析したポイントを避けるようにすれば、少なくとも失敗を回避することは可能です。リスクをしっかり理解した上でマンション経営にチャレンジするようにしましょう。
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