預貯金してもなかなかお金が増えない時代、不動産投資に注目が集まっています。手軽に始められて不労所得も期待できるという点がサラリーマンや主婦にも人気です。しかし、不動産投資は誰でも必ず成功するというものではないため、事前にリスクについても知っておく必要があります。そこで、どのようなときに失敗しやすいのか、代表的な事例を4つご紹介します。

☆不動産投資は失敗しやすい?街の声を聞いてみた!

最初に、不動産投資が失敗してしまう原因がどこにあると感じている人が多いのか、アンケートを取って調べてみました。

【質問】
不動産投資で失敗するのはどんな原因があると思いますか?

【回答結果】


立地の悪さ:70名
多額のローン:39名
物件の確認漏れ:12名

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:20代以上・男女
調査期間:2017年3月28日~2017年3月29日
有効回答数:121サンプル

★立地の悪さを挙げる人が過半数
今回のアンケートでは、全体の半数以上の人が「立地の悪さが原因だ」と答えました。

・修正のしようがないポイントだと思うから。(20代/会社員/女性)
・立地が悪く、入居者がいなければ、収益が発生しない。ローンが多くても常に満室なら問題ない。(40代/会社員/男性)

立地は部屋を探す際の重要項目のため、立地の悪さは入居率に直結するという声がほとんどでした。また、ローンの額や物件に状態に関してはあとで修正が効くのに対して、立地に関しては修正が効かないから失敗に繋がるという意見も聞かれました。次に多かったのは「多額のローンが原因」と考えている人です。

・お金が回らなくなって失敗しそうなイメージがあります。(30代/専業主婦・主夫/女性)
・多額の借金を背負うと精神的にも耐えられなさそう(40代/自営業/男性)

「多額のローン」と答えた人のコメントを見ると、ほとんどの人が不動産投資そのものを否定的な目で見ている様子がうかがえます。投資金額が大きく、ローンを組まなければ始められないこと自体が失敗の原因だと感じているようでした。最後に、選んだ人がもっとも少なかった「物件の確認漏れが原因」と答えた人のコメントです。

・安いものではないので、実際に自分の目で見て、市場調査をするべきだと思います。(60代/専業主婦・主夫/女性)
・不動産投資が成功するか否かは如何に稼働率を確保するかだと思います。その為、物件の現物確認は必須だと思います。(40代/会社員/男性)

「物件の確認漏れ」を選んだ人のコメントを見ると、立地やローンのことも含めて、すべて自分で調査、確認したうえで投資をしないと失敗すると考えていることがわかります。人任せにすることが失敗の原因と考えている様子がうかがえます。

これらの意見から、不動産投資をする際には、いくら間に業者が入っても、最終的な責任は自分に回ってくるため、ある程度は自分で調査し、自分の目で確認するという作業が不可欠だと言えそうです。では、どのような点をチェックすればよいかを知るためにも、不動産投資でありがちな失敗事例と対処法を確認しましょう。

☆ローンの失敗事例

不動産投資では、家賃収入をローン返済に充てますが、常に満室という想定でローンを組むと失敗することになります。入居者が入れ替わる際に、次の入居者が決まっているとは限らないからです。立地によっては、部屋が空くのを次の入居者が待つということもあり得ますが、1ヶ月から数ヶ月のブランクができてしまうことが少なくありません。募集してもなかなか入居者が決まらないケースもありますから、空室リスクを計算に入れてローンを組む必要があります。また、売却するタイミングを誤ると、物件が売れずにローンだけが残るという状況に陥ってしまいます。収入が無くなると、ローン返済が滞ってしまうため、さまざまなリスクを想定したうえで、返済できる金額のローンを組むことが大事です。

☆ローンを賢く利用するには?


不動産投資は金額が大きいため、ローンを組むことが前提になっている部分があります。ですから、不動産投資で失敗しないためにはローンの組み方が重要です。まず、失敗しないためにもフルローンは避けましょう。自己資金を投資すると、一旦手持ちのお金がマイナスになるため、損をした気になる人もいるようですが、ローンを組んだ分には金利がかかることを忘れてはいけません。同じ金額に見えても、自己資金とローンではトータルで支払う金額が大幅に違ってきます。ローンを投資金額の4割程度に抑えておけば、仮に途中で金利が上がったとしても、返済までの期間が短く、影響は小さくて済みます。
不動産投資のローンで知っておきたい審査のポイント

☆高利回り物件の失敗事例

利回りだけに注目して付帯設備や立地条件などの確認を怠ると損失を出す可能性があります。例えば、高利回りに注目しすぎて失敗する事例としては、設備や立地の良さを図面だけで判断し、業者の想定利回りを鵜呑みにして物件を購入してしまったというケースがあります。駅からは近くても周りの環境が悪かったり、立派な設備が付いていてもあまり使い勝手がよくなかったりして入居者が定着しないという失敗が少なくありません。入居者がいなくても運転しなければならない設備もあり、支出だけが増えるパターンもあります。

☆利回りだけを見ずにリスクも考慮しよう!

高利回りと言われる物件は、ハイリターンを期待できる分だけ、ハイリスクでもあります。リターンとリスクは表裏一体のものですから、利回りだけが大きくなるなど都合のよいことだけではないということを肝に銘じておく必要があります。また、空室や家賃の下落などのリスクをどの程度想定するかによって利回りが変わってくるため、業者のカラクリに惑わされないことも大切です。利回りの計算は、業者が言うものをそのまま鵜呑みにせず、自分でもさまざまな条件を考えて計算してみるようにしましょう。

☆新築物件に投資した失敗事例

新築物件を珍重する傾向の強い日本では、未入居のうちは相場より高い賃料設定が可能です。しかし、新築物件も数年後には中古物件になり、家賃を相場以下に下げなければ借り手がつかなくなる可能性もあります。例えば、新築物件の投資で失敗する事例として多いのは、新築なら立地がそれほどよくなくても借り手が付くだろうと考えて投資してしまうケースです。立地が悪ければ、中古物件になったときの家賃下落は大きく、売却するときにはさらに大きく価格が下がってしまいます。新築時の価値を基準に投資してしまうと、大きく損をする結果に繋がります。

☆新築にこだわらず優良な中古物件も視野に!

借り手の心理を考えると新築物件に手を出したくなるところですが、不動産投資は長期的なものです。新築物件も数年後には中古物件になってしまうわけですから、条件の良い中古物件を狙ったほうが得策です。購入金額は中古物件のほうが明らかに安いわけですから、同じ金額で購入するなら、中古物件のほうが条件のよい物件を購入できます。駅から近い、買い物に便利など立地がよいところのほうが借り手はつきやすいため、新築にこだわり過ぎないことが大事です。

☆地方物件に投資した失敗事例

投資金額を抑えたいあまりに価格の安い地方物件を購入すると失敗に繋がります。例えば、現地に足を運んでいれば、大学の移転予定があることや大きい工場が閉鎖することなども事前に気が付けたのに、何も調べずに投資してしまって失敗してしまったという事例があります。下調べをせずに購入価格や利回りだけを基準に地方物件を選んでしまうと、入居率が下がり、ローンだけが残るということもあり得ます。

☆需要を考慮すると都心物件が有利かも


地方物件の場合、なぜ需要があるのかという理由から考える必要があります。例えば、近くに大きい工場があるから、学生が集まる大学があるから、特急電車が止まる大きな駅があるからなどの理由です。つまり、その理由が無くなってしまったら、需要も無くなってしまうのが地方物件に投資するリスクです。その点都心の物件は購入価格が高くても需要も高く安定しています。マンションの資産価値も安定しやすい点を踏まえると、都心の物件に投資するほうが失敗は少なくて済みます。

☆まとめ

今回は失敗事例を中心に挙げたため、不動産投資そのものに不安を感じた人もいるかもしれません。しかし、不動産投資はリスクをきちんと考えて、返済能力を超えないようにローンを組むことで失敗を避けることができます。ご紹介した失敗事例を反面教師に、不動産投資を成功させましょう。”

ライフスタイル別投資シミュレーション