不動産投資では、レバレッジを効かせられることが最大の魅力です。すなわち、少ない資金で始めることができ、投資した資金の何倍もの利益を得られる可能性があります。近年の金融緩和により、不動産投資ローンを借りるためのハードルは下がっており、サラリーマンやOLでも不動産投資を始めやすくなっています。ここでは、審査に通るためのポイントを解説します。
☆不動産投資ローンとは?
不動産投資ローンとは、投資用マンションやアパートを購入するための資金を銀行などの金融機関から借り入れすることです。投資用マンションの価格が1億円だとして、それを一般人が一括で購入することは難しいです。しかし不動産投資ローンを利用すれば、2000万円程度を頭金として出して、残りの8000万円を銀行から借りるといったことができます。この場合、2000万円の資金で1億円のマンションを運用するので、レバレッジは5倍です。少ない投資資金で大きな利回りを得ることができます。
もちろん、失敗するリスクもあります。金利は住宅ローンよりも高めなので、経営に失敗したときの破綻のリスクはそれなりにあります。空き室が増えて思ったように家賃収入が入らないと、自身の給料や貯金からもローン返済のためのお金を出さなければならなくなるでしょう。経営が厳しくなったら不動産を売却することになりますが、不動産を売却してもなお多額のローンが残ってしまい、債務整理の必要が出てくるケースもあります。
☆審査は年収と勤務先が重視される傾向に
住宅ローンの場合、年収が400万円以下でも安定収入があり、勤続年数が3年以上で過去の個人信用情報に問題がないならば審査に通る可能性はそれなりに高いですが、不動産投資ローンではもっと条件が厳しくなる傾向にあります。
まず重要になるのは勤務先です。住宅ローンなら中小企業でも正社員として働いているなら審査では有利に働きますが、不動産投資ローンの場合には「上場企業」といったような条件がついている銀行も多いようです。勤務先はそこそこの大手でないと難しいかもしれません。個人事業主の人でも、医者や弁護士といった職業ならば問題ないですが、それ以外の職業の場合には厳しくなるでしょう。
さらに、多くの銀行では「前年度の年収700万円以上」といったように、それなりに高い年収条件がつけられています。年収条件については、低いところでも450万円以上となっているので、年収400万円以下の人では不動産投資ローンを組むことは難しいことが伺えます。
もちろん、1億円のマンションを購入するときに8000万円の頭金を出せるといったように、銀行にとってリスクがないならば融資は受けられるでしょう。しかし、頭金の比率が高すぎると「レバレッジを効かせられる」という不動産投資のメリットが薄くなってしまうというデメリットもあります。
☆物件の収益性も審査のポイント
住宅ローンは個人に対する貸付であるのに対して、不動産投資ローンはマンション経営といった事業に対して貸付をするものです。そのため、事業の採算性が重視される傾向があります。不動産投資という事業の採算性の判断としては、簡単に言えばローンを返済できるだけの家賃収入が得られるかどうかということです。例えば、毎月のローンの返済額が100万円であるとして、毎月の家賃収入が200万円なら、たとえ空き室が50%になったとしてもローンが返済できるので、審査に通る可能性は高いです。
また、不動産投資の経験についても重要になります。いくら優良な物件を持っていても、経営者にスキルがなければ宝の持ち腐れになってしまいます。不動産投資を成功させてきた経験などがあると、有利になります。
☆融資条件は銀行により異なる
融資条件は銀行により異なるので、十分に比較をすることが重要になります。金利が1.0%以下という破格の低金利で融資をする銀行もある一方で、金利が5.0%を超えるところもあります。多額の資金を有していて、相続対策などのために不動産を購入する場合には、金利1.0%以下で融資を受けられることもありますが、普通のサラリーマンが低金利で融資を受けるなら、2割~3割の頭金を用意するといった条件が付くことになるでしょう。
しかし金融緩和などの影響で、以前に比べると、頭金ゼロで融資を受ける、フルローンを組むためのハードルは下がっているといえます。
【記事筆者】
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