不動産投資には、定期的な安定収入が得られる、相続対策になるといったメリットがあります。不動産投資をする場合、人口が減少し空室リスクが気になる国内だけではなく、海外での不動産投資に目を向ける人も増加しているようです。しかし、ローンが組めるのかどうかといった不安もあるでしょう。そこで、海外での不動産投資をする場合のローンについてご紹介します。

☆海外不動産投資でも大丈夫!国内で融資を受ける条件って?

海外で取得する不動産に対して、国内の金融機関から融資を受けることができれば海外不動産投資の課題は物件選びに集中できますので、かなり負担が軽くなるでしょう。

しかし、国内の金融機関から海外不動産購入目的の融資を引き出すのは困難だと考えた方がよいでしょう。

金融機関は、海外の物件の場合、簡単に物件調査を行うことができず情報収集も困難になります。そのため、不動産の担保評価が十分できず、結果として不動産ローンの融資が成立しないのが一般的です。どうしても国内金融機関から融資を受けたい場合は、使途が限定されないフリーローンを活用するという方法があります。しかし、無担保のタイプであれば金利は高くなるでしょう。

また、国内にある不動産などを担保にして融資を受けるといった方法もあります。いずれにしても、

海外不動産投資をする場合、国内金融機関で低金利な多額のローンを組むのはかなり困難だと理解しておいた方がよいでしょう。

☆投資先の国にある銀行でもOK!?メリットとデメリットは?

海外不動産投資をする場合、現地の金融機関で融資を受ける方法も考えられます。現地の金融機関は、現地の物件の価値を判断するための情報を得ることは難しくないでしょうから、日本の金融機関と違って融資をしてくれる可能性は高くなります。

メリットとしては、物件購入時に支払う外貨でそのまま融資を受けられることです。日本の金融機関で借りた場合は、円から外貨への両替が必要になりますし、外貨で受け取った家賃で日本円の返済を行うことになりますので為替レートの影響を受けることになってしまいますので、外貨で借入できればこの問題は解決できます。

しかし、デメリットもあります。まず、外国人への融資になるため、審査が厳しくなることが予想されます。

また、金銭消費貸借契約書が外国語になり、物件の資金計画も外国語での説明が求められる場合がありますので、相当な語学力が必要になるといった問題もあります。海外の金融機関で融資を受けるならば、こういったデメリットを認識した上で申請する必要があるでしょう

☆売主からの融資もある!?海外不動産投資ならではのローン

国内銀行での融資が難しく現地の金融機関での融資にも不安があると、海外での不動産投資をあきらめたくなる人もいるでしょう。しかし、これら以外にも方法はあります。

アメリカなどでは一般的に行われているオーナー・ファイナンシングを活用する方法です。

オーナー・ファイナンシングとは、文字通り、売主である元オーナーから融資を受ける方法です。元のオーナーが物件を担保にとった上で融資を行い、元オーナーとの交渉によって成立した借り入れ条件で返済をしていく方法です。投資家にとっては、現地の金融機関で融資を受けた場合と同様の効果が得られるメリットがあります。ただし、金融機関の職員ではない元オーナーと借り入れ条件の交渉を行うことになりますので、ある程度の交渉力が求められることになります。

この方法は、日本ではほとんど見られませんし、どの国でも使えるというわけでもありません。しかし、一般的に行われている国もありますので、投資先の国で活用できる可能性があれば、選択肢のひとつとして検討してみるのもよいでしょう。