低金利が続き、年金システムの信頼が揺らぎはじめた昨今において、老後の資金や貯蓄をどのようにして増やしていこうかと考えている方も多いのではないでしょうか。株式投資や仮想通貨、最近人気急上昇のイデコなど様々な投資手法がありますが、ここではアパートやマンションといった不動産に対する投資について、どのようなメリットやデメリットがあるのか、初めての方にもわかりやすいように説明していきます。

不動産投資とは

不動産投資とは、その名の通り、アパートやマンション、戸建てや駐車場などの不動産を所有して資産形成していく投資手法です。
不動産の売買には多くの手数料や税金がかかるため、数年から数十年といった長期スパンで考えていく必要があります。

不動産投資の特徴

マンションや駐車場の借主と賃貸借契約を結び、月々一定額の収入を得ることができます。立地がよければ常に契約が途絶えない状態となり、長期に渡って安定した収入を得ることが可能です。

インカムゲインとキャピタルゲインについて

月々の賃貸収入の事をインカムゲイン、不動産の売却益をキャピタルゲインと言います。

通常はインカムゲインを狙い、事業計画をしっかりと立て、経営的視点を持ちながら進めていきます。キャピタルゲインを狙う場合は、競売物件や築古物件などを安く現金で購入し、リノベーションして物件価値を上げてから高値で売却したりします。

不動産投資は毎月のインカムゲインを主に目的としている

キャピタルゲインを狙うには、市場に精通する人脈や資金力、不動産市場における経験値などが必要となり、プロの投資家でなければ難しいところがあります。そのため、月々の家賃収入であるインカムゲインを目的とする事が多いのです。

インカムゲインの場合は、事業計画を立て、近隣の競合物件や人口増減・分布などといった市場分析を行うことで、ある程度先のことを見通す事が可能です。

債券のように元本保証はないが不動産という資産が残る

不動産投資が株式投資や仮想通貨などと大きく違うのは、どんなに大損をしたとしても所有する不動産は資産として手元に残るという事です。

不動産投資の8つのメリット

不動産投資を検討している方のために、どのようなメリットがあるのか、具体的にあげてみましょう。

長期間安定した収入が見込める

相場にあった家賃設定で、入居が安定していれば、長期にわたって家賃収入を得ることができます。経年劣化による家賃下落は多少ありますが、想定の範囲内で収める事ができれば問題ないでしょう。

年金の代わりにもできる

コツコツと毎月一定の金額が家賃収入として振り込まれます。年金受給開始年齢が上がっていく中で、自ら年金代わりに資産運用ができるので安心です。

死亡保険の代わりになる

団体信用生命保険に加入して融資を受けていれば、万が一の場合は、死亡後に残債はゼロとなり不動産は残された家族に引き渡されるため、死亡保険の代わりになります。さらに、現金よりも不動産という形で相続した方が税金も安くなるというメリットがあります。

節税効果がある

不動産の売買には多額の手数料がかかります。そのため、不動産投資を始めた年度は赤字となってしまいます。この赤字は給与所得と相殺する事ができるので、所得税が下がるという節税効果があります。(個人事業に限る)

少額の資金で始められる

不動産投資の醍醐味はレバレッジを効かせる事にあります。つまり、少額の自己資金で高額の融資を受け、自らの手出し分では入手できないような価値の物件を得る事ができるのです。

インフレ対策になる

インフレになると物価が上がり、貨幣価値が下がってしまいます。このように現金は経済状況によって価値を下げてしまいますが、不動産の価値は、決められた一定の減価償却により変化していくものであって、景気に左右される事は少ないといえます。ありません。そのため、インフレ対策になるのです。

相続対策に有効に活用できる

不動産は実際に取引される実勢価格と、帳簿上で法定耐用年数に応じて減価償却していく簿価という2つの価値を持っています。簿価は実勢価格よりも低いため、不動産で相続すると相続税が安くなるというメリットが発生します。

計画的に資産を作っていくことができる

不動産は、築年数に応じた減価償却や、家賃下落の予測、家賃収入の見込みや修繕費の予測など、年数を追うごとに発生するであろう出費をある程度予測することができるので、計画的に資産形成を行うことが可能です。

不動産投資の8つのデメリット

投資というからにはやはりリスクがつきものです。具体的にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

借入が前提のため多額の借金が出来る

少額の自己資金で多額の融資を受ける事が多いため、借入金という借金を抱えることになってしまいます。

家族の理解が必要

借金を抱える不安などから家族に反対され、断念する投資家も多くいます。ゆくゆくは家族が相続することになる不動産なので、理解なしに進めていく事は困難です。

換金性が低い

不動産は金額的にも高額ですし、手続きも複雑なため、換金するまでに時間を要してしまいます。

空室で借主が見つからない不安

不動産投資において空室になるということは、収入がゼロになるだけでなく、管理費や修繕積立金、固定資産税などのランニングコスト分が、マイナスになることになります。空室が長いこと続くと、返済やランニングコストをまかなえなくなってしまいます。

家賃滞納の懸念

入居者トラブルで最も多い家賃滞納はオーナーを苦しめます。立て替えや直接交渉を避けるためにも、信頼できる管理会社や家賃保証会社を探しておくことが大切です。

設備故障等、修繕費がかかる

トイレのウォシュレットやエアコンなど、初期設備として付属しているものが故障した際はオーナー負担となります。

ローンの金利上昇不安

変動金利で融資を受けている場合、金利が上昇する事でキャッシュフローが圧迫されます。返済比率を高くしていると、金利上昇に対応しきれなくなることもあります。

天災・事故の不安

地震や台風などの自然災害や、高齢化社会に伴う孤独死といった事故はいつどこで起こるか予測できません。所有物件でそれらが起こると大きな損害となります。

不動産投資のデメリットを解消する8つの方法

デメリットを見て不安になる方も多いでしょう。しかし、それを払拭する対処法があるのです。

ローンの借入期間を短くする

低い金利でできるだけ長い期間ローンを組み、レバレッジの効いた投資をする事が望ましいとされる不動産投資。しかし、そうするとなかなか残債が減らないことになります。少しでも早く残債を減らす事ができれば、売却も視野に入れる事ができるので、頭金を多めに入れるなどして借入期間を短くする事で、借金への不安は解消されます。

事業収支計画を立てる

不動産投資は他の投資手法に比べて、未来を予測する事が可能です。家賃収入やランニングコスト、大規模修繕など、あらかた予想される収支をしっかりと事業計画として立てることができるのです。不動産会社の方ならすぐに弾き出してくれます。これをもとに最悪な状況も想定した上で大丈夫だと思えれば、投資への不安は解消されます。

物件選びを最重要視する

不動産投資の最大のリスクともいえる空室に対応するためには、やはり物件選定が重要です。エリアの特徴や入居者目線の間取り、ターゲット層やニーズなどをしっかり分析して物件を見極めていれば、入居付けに苦労することは少なくなるでしょう。

サブリースの活用

空室に対する不安がある場合は、サブリースを活用するといいでしょう。サブリースとは不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する仕組みのことです。貸主は入居者がいようといまいと一定の家賃が保証されるとともに、入退去に関する手続きや家賃の集金業務などから開放されます。る不動産会社と直接契約する事で、例え空室であっても家賃相場の8割程度の安定した収入が得られるというものです。

入居者と面談を行う

家賃滞納に不安がある場合は、自らの判断で入居者を選定するといいでしょう。賃貸契約時にしっかりと面談してオーナー側の意向も伝えることで、入居後のトラブルも軽減されます。

こまめに修繕やメンテナンスを行う

あれもこれも一気に交換となるとかなり大きな出費となります。できるだけ計画的に時間をずらしながら、こまめなメンテナンスを心がけてください。そうする事で建物は傷みにくくなり、物件価値を維持する事ができるでしょう。

固定金利に切り替える

よりしっかりと先を見通しながら不動産投資を行うためには、融資を固定金利に切り替えると良いでしょう。そうすれば変動金利に対する不安も解消されます。

保険に加入する

事業用の火災保険には地震保険以外にも様々な保証が付帯しているプランがあります。もしもに備えてしっかりと保険に加入しておきましょう。

まとめ

当たり前ですが、投資にリスクはつきものです。そのリスクを予測できるのは不動産投資の強みです。しっかりとシミュレーションを重ねて、事業収支計画を立てることで、リスクを軽減する事が可能です。また、最悪の状態を想定しておく事で、不測の事態への対応力を上げることもできるのです。リスクを避けて通ろうとするのではなく、しっかりと向き合って納得してから不動産投資を始めれば、大きな失敗を防ぐことができるでしょう。