結婚し子供が生まれるなど、ライフステージの変化によって欲しくなるのが家族そろって寛げるマイホームです。購入する際には一戸建て住宅か集合住宅か、どちらが良いのか悩むところです。この記事では、一戸建てを購入するメリットや手順、購入後に気を付けなければならない点などについて解説をいたします。

賃貸から卒業しようと決めたらまず考えるべき事


初めに、マイホームを購入する際に、検討すべき事項について解説をいたします。

購入資金をどうすべきかを考える

住宅を購入する場合には全額現金で支払う方はまれで、一般的には住宅ローンを利用することになります。現在は超低金利の時代なので、低い金利の変動型住宅ローンを組む方も多くいます。変動金利型ローンでは、後に金利が高くなると総返済額が大きく増え返済できなくなってしまう場合もあります。

せっかく手に入れた住宅を手放さざるを得ないということになりかねないため、できるだけ自己資金を多く用意したほうが良いでしょう。しかし貯金を全額頭金につぎ込むのではなく、教育資金やいざという時のために必要とするお金は手元に残すようにしましょう。

家を購入する場所はどこにするかを考える

マイホームを購入する際には、一般的に家族構成やライフスタイルを考えてエリアを決めます。夫婦だけで生活をするのであれば、多少環境が悪くても、通勤時間が短い駅から近い場所が便利かもしれません。お子さんのいる家庭であれば、学校が近く子育てに適した静かな郊外の環境が好まれます。また高齢者や病気がちの家族を持っている方は、病院に近い場所が良いでしょう。

家族構成と部屋数はどのくらい必要なのかを考える

住宅を選ぶにあたっては、家族構成に合致した部屋数を考えるようにしましょう。子供には自主性を高めるため一人一人個室を与えるのが好まれますが、将来独立することを考え間取りの変更がしやすい設計にすると便利です

ローンを使った場合の返済計画は大丈夫かを検討する

住宅ローンの借入額は「金融機関がいくら貸してくれるか」ではなく、返済可能な額を借り入れるようにしましょう。賃貸住宅に住んでいる方であれば、毎月支払っている家賃が返済額の一つの目安となるでしょう。目いっぱい借りてしまうと、環境の変化などで返済するのが厳しくなることもあります。

一戸建てを購入しようと決意する瞬間とは?皆はどうなの?


それでは一戸建てを購入した方は、どのような理由から決めたのでしょうか。

結婚してすぐに将来の事を考えて一戸建ての購入を決めた

結婚を機に生活の基盤を確立するために、戸建て住宅の購入を決めた方も多くいます。親から資金援助を受けることができたり、土地を譲渡してもらえれば、賃貸マンションやアパートの家賃程度でマイホームを持つことができるかもしれません。また、結婚を機に一戸建てが購入できれば、生活にも張りが生まれ夫婦で頑張ろうという気持ちにもなることでしょう。

子供を授かったから出産までに一戸建ての購入を決めた

結婚し子供ができたので、生まれるまでの間に一戸建ての購入を決めたという方もいます。子供が生まれれば、夫婦で育児休暇を活用して住みやすいマイホームにすることもできるでしょう。緑に囲まれ土の匂いのする美しい自然の中で、子育てをしたいと思う方もいることでしょう。

子供が小学校に入学したから一戸建ての購入を決めた

子供が小学校に入学したのを機に、戸建て住宅の購入を決めた方もいます。子供が中学や高校を受験する年頃になって、転校をすると大きなハンデとなることもあります。子供が何の心配もなく受験ができる体制を整えておくのも、親の大きな勤めと考える方もいるでしょう。

退職金で夢だった一戸建ての購入を決めた

一戸建て住宅に憧れていたが、資金不足でマイホームを購入できなかった方もいます。会社を辞める際に退職金が出て、念願のマイホームを手に入れる方も多くいます。一方、住宅ローンを利用する場合には、完済時の年齢が決められているのが一般的です。金融機関の完済期限の上限は75~80歳程であり、ゆとりある老後の生活設計を立てて、余裕をもって融資を受けたいものです。

一戸建てを購入する方は何故マンションを購入しなかったのか?


マイホームには一戸建てとマンションがありますが、なぜマンションでなく一戸建てを購入したのでしょうか。

マンションの改修工事を行う時の資金の不安

マンションを購入すると、大規模修繕工事のために毎月積立金を支払うことになります。平成25年度の一戸当たりの修繕積立金額は11,800円(※)となっています。これに毎月の管理費・共益費を支払うとなると月々3万円近くの出費が必要になってきます。また、実際に大規模修繕が行われることになれば、別途分担金の支払いをしなければならないこともあります。
【出典】国土交通省:平成25年度マンション総合調査結果:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/tenpu/so-11.pdf

自分が購入したいタイミングではない事が多いなど

一戸建て住宅であれば、土地が決まれば自分の都合の良い時にマイホーム購入することができます。一方、気に入った条件に合うマンションは、そう多くは建設されませんので購入のタイミングが合わないこともあります。

地震や火災が起こった時にすぐに逃げられないかも?と不安

マンションの上層階に住んでいると、火災が起きた時に逃げ遅れるのではないかと心配する方もいます。また火災だけでなく、大きな地震が起きたとき激しく揺れるのが嫌だという方もいます。

上の階の騒音などご近所トラブルが怖いから

マンションは密閉度が高く物音は聞こえにくいですが、そうは言っても同じ建物内に住みますのでどうしても近隣の物音が気になることもあります。自分の部屋に隣接した部屋の騒音などでトラブルになる場合もあり、それが嫌でマンションを敬遠し戸建て住宅を選ぶ方もいます。

マンションは資産価値が下がると言われているから

マンションは一戸建てと比べると建物は堅牢にできていますが、年数が経つと当然価値が下がってきます。一戸建て住宅は建物部分の価値は劣化しても、土地の部分の資産価値が残るということで戸建て住宅を購入する方もいます。

管理費などの費用が別途必要だからもったいない

マンションの場合、住宅ローンの支払いだけでなく毎月管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。また車を保有している方は、駐車場代も支払わなければなりません。これらの費用が掛かるのがもったいないという理由の方もいます。

一戸建てを購入するための手順について


それでは一戸建て住宅を購入するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。

土地を探すために不動産会社を選ぶ

まず希望の土地を探すために、不動産会社を決めなければなりません。不動産会社は全国にネットワークを持つ大手の会社と、地域に特化した中小の会社があります。大手不動産会社は豊富な顧客情報を持ち、地域の不動産会社は地元の情報に詳しいという特徴があります。

工務店を選び設計や見積もりなどを取る

良い土地が見つかったら、次に家を建てるための工務店を探さなければなりません。全国的に展開する大手のハウスメーカーであれば、品質のばらつきはありません。地元に密着した工務店であれば、小回りが利きますので、いざという時に便利です。工務店が決まったら、設計を依頼し見積もりを取ります。

予算が決まったら銀行でローンを組む

見積もりを取り予算が決まったら、金融機関でローンを組みます。メガバンクは一般的に審査が厳しいですが金利は低く、地方銀行やノンバンクの審査は緩く金利は高めとなっています。金利については資金計画の立てやすい固定金利か、今は金利の低い変動金利か、それぞれの特徴を考慮して決めましょう。

ローンが通ったらいよいよ着工

銀行ローンの審査が通ったら着工ですが、地鎮祭や上棟式を行い近隣への挨拶を忘れずに行なわなければなりません。また工事現場には足しげく通い、施行業者の方とコミュニケーションをとるようにしましょう。

家が完成したら引渡し手続きを行う

マイホームが建ったら、建築物に瑕疵がないかチェックを行います。また第三者機関により、建築基準法に則って完了検査を行います。問題がなければ鍵と保証書をもらいますが、その際アフターサービスについても確認しておくことが大事です。

引越しをする

住宅を点検確認したら、いよいよ引越しです。住民票の異動手続きをおこない、電気や水道・ガス会社に使用開始の連絡を行わなければなりません。

一戸建てを購入後に気を付けなくてはならない点


住宅を購入したら、最後に注意しなければならないのは引越しです。

引越し業者選びは慎重に行う事!

引越しをするときには引越し業者を決めますが、これについても数社に見積を取るのが良いでしょう。引越しのプランには梱包から搬出・荷ほどき・配置まですべてを引越し業者が行ってくれるプランや一部を行ってくれるプランなど様々あります。忙しい方や子供が小さい方・高齢者の方は、費用は高くなりますがすべてを業者に依頼したほうが楽です。

引越し当日は家に傷をつけられないようカバーをする

大手の引越し業者は、家具などを搬入する際に、家に傷がつかないようにカバーをしてくれます。しかしそのような処置をしてくれない場合には、自分でカバーをすることも必要です。せっかく建てた家に傷がついてしまったら、気分良く住むことができないでしょう。

安い引越し業者より大手の業者を選ぶ

大手の引越し業者は、中小の引越し業者より一般的に料金は高いのが普通です。しかし大手の引越し業者は保険にも加入し、社員教育も行き届いています。きれいな靴下で家の中に入り、家具や家を傷つけないようにカバーをし、対応もよいので、気持ちよく引越しをすることができるでしょう。

友人や知人に手伝ってもらわない方が良い理由

引越しの手伝いを申し出てくれる友人や親戚もいらっしゃるでしょう。しかし、そのような申し出があっても断り、引越し業者に任せたほうが良いでしょう。好意に甘えてお願いした場合、家や家具を傷つけられても文句は言えませんし、そのため人間関係が悪くなることさえあり得ます。

まとめ


一戸建て住宅購入の決め手や引越しまでの手続きに関してみてきました。ご自身の家族構成やライフスタイル・予算などを考え、それに合ったマイホームを選ぶようにしましょう。