住宅ローン審査において、申込者の年齢は重要な意味を持ちます。年齢によっては審査に通らないこともありますので、これから家を購入しようと考えている人は、ご自身の年齢についても考慮しておく必要があります。住宅ローンを組むときの適正年齢は何歳なのか、実際に何歳程度で住宅ローンに申し込む人が多いのか、また、審査において年齢以外に重視されることについてまとめました。

住宅ローンと年齢

住宅ローン審査においては、“ローンを組むときの年齢”と“ローン完済時の年齢”がいずれも重視されます。また、何歳で退職するかという点も、審査結果に影響を与えます。

ローン開始時の下限は20歳

住宅ローンは、満20歳以上でないと申し込めないことがほとんどです。ただし、定期的に安定した収入を得ていることも条件となりますので、20歳を超えていても学生や無職、安定した収入を得ていない方は、ローン審査通過は厳しくなります。

完済時の上限は80歳

ほとんどの住宅ローンでは、完済時の年齢が80歳以下であることが求められます。そのため、30代、40代と比べると60代や70代の方は審査に通りにくくなることが多いです。

35年で組むなら45歳がリミット

ローン申込時の年齢が高い方は、返済期間を短縮することでローン審査に通りやすくすることができます。先程も触れましたように60代や70代の方は住宅ローン審査に通りにくいですが、完済時の年齢が80歳以下になるように返済期間を短くすれば、審査に通ることも不可能ではありません。35年ローンを組むなら45歳がリミット、25年ローンを組むなら55歳がリミットと、返済期間からローン開始時の年齢を逆算してみましょう。

定年退職後も続く住宅ローンの支払い

完済時の年齢を65~80歳に設定すると、定年退職後も住宅ローンの返済が続くことになります。退職後は収入が減る方も多いですので、どのように住宅ローンを返済していくのか具体的にプランを立てておきましょう。例えば、60歳以降に個人年金を受け取れるようにしておくなら、退職後に急激に収入が減ってしまうことを回避できます。

住宅ローン開始時の平均年齢

住宅支援機構のフラット35利用者調によると、実際に住宅ローンを開始する年齢としては30歳代がもっとも多く、約43%を占めています。その次に多いのが40歳代で、約25%を占めています。約14%が30歳未満、約11%が50歳代で住宅ローンを開始し、60歳以上で住宅ローンを開始する方も全体の約7%もいます。

【出典】住宅支援機構:https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf

年齢以外に注意すること

住宅ローン審査では、年齢だけをチェックするのではありません。さまざまな要素を総合的に調べ、融資を複合的に判断します。特に“収入”と“勤務先・勤続年数”、“住宅ローン以外の借り入れ状況”の3つの要素は、審査通過の大きなカギを握ります。

収入

収入が返済額と比べて充分に多いかについて、厳しくチェックされます。高収入なら絶対に住宅ローン審査に通るというわけではなく、収入に比べて年間返済額の割合(返済比率)が低いなら審査に通りやすくなるのです。

例えば毎月の住宅ローン返済額が10万円で、ボーナス返済と他社からの借入とがないならば、年間返済額は120万円になります。年収600万円なら返済比率は20%ですので、住宅ローン審査はそこまで厳しくなりません。一方、毎月のローン返済額が10万円でも、他社への返済額も毎月10万円あるのなら、年間返済額は240万円になります。年収が600万円のときの返済比率は40%になり、住宅ローン審査への通過はかなり厳しくなってしまいます。

勤務先・勤続年数

勤務先の安定度も、住宅ローン審査に大きな影響を及ぼします。国や地方自治体などで正規の公務員として働いている方は、勤務先が倒産するということはほぼあり得ませんので、住宅ローン審査には有利です。一方、企業自体の規模が非常に小さいときや新しく創立したばかりの企業のときは、審査に不利に作用することがあります。

また、勤続年数も審査の上で重要な要素です。勤続年数が長いと言うことは、今後も仕事を辞めずに安定した収入が期待できるということとも判断できますが、勤続年数が短すぎるときは、仕事をすぐに辞めて収入がなくなる可能性や転職して収入が減ってしまう可能性も想定されます。

住宅ローン以外の借り入れ状況

住宅ローン以外の借金があるかどうかも、住宅ローン審査において重要な意味を持ちます。住宅ローン以外の借金があると返済比率が高くなってしまいますので、住宅ローンとして融資を受けられる金額が減ってしまいます。

また、消費者金融や銀行のカードローンなどを多数利用している場合は、「困ったらすぐにお金を借りる人」という印象を与えてしまいますので、住宅ローン審査には不利になってしまいます。住宅ローンに申し込む前に、できれば他の借り入れは完済して整理しておく方が良いでしょう。

若いうちに住宅ローンを組むメリット・デメリット

若いうちに住宅ローンを組む方が、年齢を重ねてから住宅ローンに申し込むよりも絶対に良いというわけではありません。若いうちに住宅ローンを組むメリットとデメリットを紹介します。

メリット

若い時点で住宅ローンを開始すると、次の3つのメリットがあります。

完済時の年齢が若い

住宅ローンの返済期間を最長35年に設定している金融機関は多いですが、例えば25歳で住宅ローンを開始するなら、最長でも60歳には完済します。定年退職後にローンを支払う必要はありませんので、老後資金の不安を解消することができます。

団体信用生命保険に入りやすい

住宅ローンを借りるときは、“団体信用生命保険”に加入することが条件となることが多いです。団体信用生命保険に加入すると、万が一、返済途中にローン契約者が死亡したときや高度障害になって働けなくなったときにローンが免債され、しかも住宅の権利は契約者のものになります。家族の経済的負担を考えるなら、絶対に加入しておきたい保険と言えるでしょう。

団体信用生命保険に加入するためには団体信用生命保険の審査に通過しなくてはいけませんが、健康状態を厳しくチェックされますので、年齢が若い方が通過しやすくなります。団体信用生命保険の審査に通るためにも、住宅ローン審査は早めの方が良いのです。またがんや3大疾病になった場合など、死亡したとき以外にもローンが免責されるタイプの団体信用生命保険もありますが、これれは完済時の年齢制限が75歳や70歳など、通常の団体信用生命保険に比べ低く設定されていることが多いため、この点から考えても若いうちに住宅ローンに申し込むことは有利になります。

借り換えがしやすい

住宅ローンを借りている途中で、もっと良い条件の住宅ローン商品に出会うこともあるでしょう。そのようなときは、新たに住宅ローン審査を受けて、借り換えを実施します。もちろん、借り換え審査も通常の住宅ローンと同じく“借入時の年齢”と“完済時の年齢”が重要なポイントになります。将来的に住宅ローンを借り換えることも想定するなら、なるべく早いうちに住宅ローンを開始する方が良いのです。

デメリット

若い間に住宅ローンを借りることには数多くのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。次の3つのデメリットも考慮してからローン審査に申し込むようにしましょう。

自己資金が少ない場合は借入額が多くなり支払い利息が増える

就職してから間もない時期は貯蓄額も少なく、頭金としてまとまった金額を出せない方も多いでしょう。そのため、住宅ローンの借入額も多くなり、利息が増えてしまうのです。借入額を減らしたい人は、ある程度頭金が貯まってからローンに申し込む方が良いでしょう。

借入可能額が低く、物件が限られる可能性がある

先程も触れましたが、住宅ローンで借り入れ可能な金額は年収を元に計算します。若いうちは年収も少ないため、借り入れ可能額が少なくなり、購入できる物件も限られてしまうことが多いのです。

ライフプランが未確定

結婚するかどうか、子どもは何人か、教育費としてどの程度を準備するのか等によって、ライフプランが大きく変わります。ライフプランが変わると購入できる物件も変わりますし、居住地域や間取りなども変わってしまいます。

ライフプランが未確定な若いうちに住宅ローンを組むと、将来的に住宅を売却して、再度住宅ローンを組む可能性も出てきます。住宅は決して安い買い物ではありませんから、無駄な出費を避けるためにも、できればライフプランがある程度定まってから購入する方が良いかもしれません。

45歳を超えて住宅ローンを組む際に気を付けたいこと

年齢が高くなることで、住宅ローンが組みにくくなることもあります。45歳を超えて住宅ローンを組むときは、次の4点に注意して下さい。

1年でも早く申し込む

45歳を超えると住宅ローンの審査通過率が年々下がっていきます。1年でも早く申し込むようにしましょう。

完済年齢を低くする

住宅ローンの返済期間は理論的には80歳まで設定することが可能ですが、早期に完済する方が審査に通りやすいのは言うまでもありません。月々の返済金額を増やすか借入金額を減らして、できるだけ完済年齢を低くするようにしてください。

担保評価が高い物件を選ぶ

物件の価値が高いと、融資が下りやすくなります。自分の価値観だけで物件を判断するのではなく、客観的な担保評価が高い物件を選びましょう。

親子リレーローンを利用する

親子リレーローンを利用するのも審査通過率を上昇させる方法です。お子様の年齢にもよりますが、審査に通りにくいときは検討してみましょう。

借り換えの際の年齢制限

住宅ローンの借り換え審査にも、年齢制限はあります。

50歳を超えると厳しくなる?

金融機関ごとに基準がありますが、65歳定年退職という企業が多いため、50歳を超えると借り換え審査に通りにくくなります。良いローン商品を見つけたときは、なるべく早くに行動するようにしてください。

まとめ

住宅ローン審査において“年齢”は非常に重要な要素になります。最適なタイミングで住宅ローンに申し込むためにも、常に物件とローン商品に対してアンテナを張り巡らし、コツコツと頭金を貯めるようにしてください。

監修:尾山 道郎(住宅ローンアドバイザー)