住宅ローンは数千万円もの借金です。場合によっては、億単位の借金になることもあるでしょう。大きなお金を借りますので、一人で決めるのは心もとないと考える方も多いのではないでしょうか。住宅ローンを選ぶときに頼れる人は誰なのかについてまとめました。

金融機関に相談をする

最初に検討できるのは、金融機関の“住宅ローン融資担当者”です。今までにいくつものケースを担当してきているはずですので、具体的な例を出しながら、相談者にもっとも適したアドバイスをしてくれるでしょう。

不動産購入時には、不動産会社が提携の金融機関を紹介してくれる

不動産を購入するときは、大抵の不動産会社で提携している金融機関を紹介してくれます。融資担当者も紹介してくれますので、融資に対する希望や気になる点について相談してみましょう。

提携金融機関ならば金利の優遇が受けられることも

不動産会社と提携している金融機関を利用すると、金融機関の店頭で案内している住宅ローンプランよりもお得な金利のプランを紹介してくれることもあります。住宅ローン手続きも不動産会社がある程度代行してくれることもありますので、スムーズに進めることができます。

会社の福利厚生で住宅ローン融資先を紹介してくれることも

会社によっては、福利厚生の1つとしてお得な住宅ローン融資先を紹介してくれることもあります。勤務先の人事部や労務担当部署で相談してみましょう。

メガバンクなど金融機関が定期的に開催している相談会に行く

メガバンクでは、土日や祝日に定期的に“住宅ローン相談会”を開催しています。大抵の住宅ローン相談会は、普段から取引がない方でも参加できますので、出かけてみてはいかがでしょうか。なお、住宅ローン相談会は予約制になっていることが多いです。電話もしくはメールで、事前に予約をしておきましょう。

地方銀行、信用金庫、JAなどへの相談も可能

メガバンク以外にも、地方銀行や信用金庫、JA、ろうきんなどで住宅ローン相談会を開催していることがあります。こちらも大抵は予約制ですので、電話やメールで予約を取って、参加してみてはいかがでしょうか。

なお、相談会を実施していない金融機関でも、平日の営業時間内なら住宅ローンについて個人的に相談することが可能です。予約の必要はありませんが、待ち時間を減らしたいなら電話を1本入れてから出かけることがおすすめです。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談をする

住宅ローンの相談は、お金の専門家である“ファイナンシャルプランナー(FP)”に相談することもできます。ファイナンシャルプランナーへの相談方法とファイナンシャルプランナーに相談するメリットをまとめました。

FPの斡旋サイト経由で相談をする

ファイナンシャルプランナーを紹介してくれるサイトで、個別に相談することができます。メール相談も可能ですが、大抵は実際にお会いすることになりますので、知りたいことを詳しく教えてもらうことができます。いくつかの相談窓口を紹介します。

日本FP協会の無料相談会

ファイナンシャルプランナーの養成に携わる“日本FP協会”では、所属するファイナンシャルプランナーによる無料相談会を開催しています。東京や大阪などの全国8ヶ所で相談会を実施していますので、アクセスしやすい場所で相談してみましょう。なお、相談会は予約制ですので、なるべく早めに予約をとるようにしてください。

【出典】日本FP協会「ファイナンシャルプランナー無料体験相談」

地域や年齢で最適なFPを見つける

セブン&アイホールディングスとニッセンライフによる“FPナビ”では、年齢や性別、地域、相談する分野によって最適なファイナンシャルプランナーを探すことができます。候補者の中からもっとも相談したいファイナンシャルプランナーを選び、サイトを通して面談を申し込みます。

【出典】セブン&アイ・ニッセングループ「FPナビ」

フリーのFPに相談する

事務所や個人で営業しているファイナンシャルプランナーも大勢います。知り合いのファイナンシャルプランナーや事務所に所属しているファイナンシャルプランナーに、直接相談してみるのはいかがでしょうか。インターネットで個人営業のファイナンシャルプランナーもしくはコンサルティング会社に勤務しているファイナンシャルプランナーを探すことができますので、アクセスしやすさも考慮して選んでみて下さい。

様々な金融機関の中から融資可能、低金利の機関を紹介してくれる

ファイナンシャルプランナーの良い点は、特定の金融機関の住宅ローンに縛られずにさまざまな金融機関のプランの中から中立な立場で最適なプランを探してくれるところです。融資会社を特に決めていない方は、ファイナンシャルプランナーに候補となるローン商品を選んでもらうのも良いですね。

また、相談者がいくつかのローンプランを持ちこんで、もっとも良いプランをファイナンシャルプランナーに選んでもらうのも1つの方法です。いずれにしても、相談者の立場に立って、最適なローンプランを選んでもらうことができます。

ローンの紹介だけでなく、家計の状況に合わせたシミュレーションをしてもらう

ファイナンシャルプランナーはお金の専門家です。ですから、適した住宅ローン商品を紹介してくれるだけでなく、お金の相談全般をすることも可能です。例えば、ファイナンシャルプランナーによって得意分野はあるものの、次のような内容もファイナンシャルプランナーに相談することができます。

  • 現在の家計の問題点は何か?どこを改善すべきか?
  • 教育資金をどのように準備することができるか?
  • 生命保険や医療保険の選び方
  • 老後資金はどのように準備することができるか?老後資金はどの程度必要か?
  • 投資商品の選び方
  • 遺産相続や贈与の方法、節税する方法

口コミなどを見て公正に紹介してくれるFPを選ぼう

“ファイナンシャル・プランニング技能士”という国家資格を持った人しか、ファイナンシャルプランナーを名乗れません。しかし、有資格者であることと適切なアドバイスができることとは別物です。口コミなどもチェックして、本当に頼れるファイナンシャルプランナーを選ぶようにしましょう。

実際に融資を受けた人に相談する

金融機関の融資担当者やファイナンシャルプランナーなどのいわゆる“専門家”でなくても、住宅ローンについての詳しい相談をすることができる人がいます。それは、“実際に住宅ローンを契約した人”です。親戚や友人、同僚などで、住宅ローンを利用している人は多くいるでしょう。話しやすそうな人に、住宅ローンの疑問を相談してみてはいかがでしょうか。

身内に金融機関の人間がいれば優遇を受けられることもある

身内に金融機関に勤める人がいる場合は、お得なローン商品を紹介してもらえることもあります。実際に契約するとその身内の実績にもなりますので、「厚かましいと思われてしまうかも…」と遠慮するのではなく、積極的に相談してみて下さい。

古い情報は参考程度に

住宅ローンを利用した人といっても、今よりも5年以上も前のケースは参考程度に聞いておくのが一番です。住宅ローンの商品も常に進化していますし、キャンペーンや適用金利も常に変わりますので、なるべく新しい情報を持っている人に相談するようにしてください。

人により勤務先や年収、個人の信用情報は違うためケースバイケース

勤務先や年収、個人の信用情報によって、適用される金利や借入限度額が変わります。そのため、実際に住宅ローンを組んだ人におすすめのローンプランを紹介してもらったとしても、そのプランが利用できるとは限りません。

住宅ローンアドバイザーを利用する

住宅ローンの専門アドバイザー“住宅ローンアドバイザー”に、相談してみることもできます。

住宅ローンアドバイザーは住宅金融普及協会に所属している

住宅ローンアドバイザーは、住宅金融普及協会に所属する住宅ローンの専門家です。住宅ローンに関する正しい知識を持つだけでなく、住宅ローンのリスクや商品についても詳しい情報を提供してくれます。

【参考】:住宅金融時普及協会「住宅ローンアドバイザー制度概要」

公正な立場で適切な住宅ローンを紹介してくれる

ファイナンシャルプランナーと同じく、住宅ローンアドバイザーも中立な立場で住宅ローンを紹介してくれます。また、お金全般を扱うファイナンシャルプランナーとは異なり、住宅ローンに特化した知識を有していますので、住宅ローンのことだけを知りたいときには最適な相談相手と言えますね。

最後に

何十年も支払っていく住宅ローン。慎重に選ぶことで、数十万円~数百万円もの損失を防ぐことができます。一人で決めてしまうのではなく、かならず第三者に相談するようにしましょう。