安定した家賃収入が得られ、少ない労力でできる不動産投資ですが、物件選びの際、ある程度の知識を要するなどハードルは低くありません。手軽に不動産へ投資したい場合、投資家から集めた資金を使って不動産投資を行い、その収益が投資家に分配される金融商品である不動産投資信託、いわゆるリートを利用すると良いのではないでしょうか。リートであれば投資信託と同じように運用を任せることができ、知識が無くても安心して取り組めるからです。
リートには日本の不動産に投資するJリートの他に外国の不動産に投資する海外リートがあります。海外のリートのほうが日本よりも投資効率が良ければ、こちらに投資したいと考える人もいるのではないでしょうか。そこで海外リートとそのメリットについて見ていくことにします。
☆海外リートの対象にはどんな国がある?
海外の国はいろいろありますが、投資対象国は先進国と新興国の二つに大きくわけられます。
先進国とは経済が大きく発展し、生活水準や技術が高い国のことを言い、アメリカやイギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどの欧州各国が代表的な国です。
これに対して新興国とはここ最近急速に経済成長を遂げている国のことをいい、ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICs、インドネシア、マレーシア、タイなど東南アジア、メキシコ、南アフリカ、トルコ、台湾などがあげられます。
海外リートも、先進国リートと新興国リートがあります。
先進国リートの対象はアメリカが半分以上を占めています。リートの仕組みはもともとアメリカで生まれたので、ある意味当然の結果だと言えるでしょう。その他欧州各国やオーストラリアが対象となっていることが多いです。
一方、新興国リートの場合はインデックス投資のベンチマークとなる新興国REIT指数の対象国であるメキシコ、南アフリカ、マレーシア、タイ、トルコ、台湾などがあります。
☆海外リートを購入できる証券会社
リートを含めた投資信託は販売会社である金融機関で購入します。
販売会社には銀行と証券会社がありますが、取扱っている銘柄は後者のほうが多いです。そのため海外リートも基本的に証券会社で購入します。
証券会社にも昔からある店舗型の証券会社とインターネット上で運営しているネット証券がありますが、手数料も安く、豊富な数の商品を取り揃えているネット証券が利用しやすいでしょう。
海外リートを購入できるネット証券として代表的なところはSBI証券と楽天証券です。
SBI証券は海外の金融商品を早い時期から取り扱っており、海外リートも100本以上あります。
楽天証券は揃えている本数こそ10本ですが、ノーロードのインデックスファンドもいくつかあるので購入しやすいです。
また店舗型の証券会社では海外リートを取り扱っているところは多くないのですが、その中でも東海東京証券は10本以上の商品を取り揃えています。扱っている投資信託の数も豊富なので利用してみると良いでしょう。
☆J-REITと比較した海外リートのメリット
リート投資をする場合、日本の不動産を対象とするよりも海外の不動産に投資したほうが得だという意見を耳にします。投資効率を高めるため、海外リートに投資しようと考えている人も少なくありません。
なぜJ-REITよりも海外のほうが良いのかというと利回り(分配金)と為替差益を含む値上がりを期待できるからです。リートの利益は基本的に利回りで決まりますが、国内の賃貸市場はいい状況ではないので、分配金を期待できません。
これに対し海外リートの対象国で半数以上を占めるアメリカは、比較的景気が良好であるため、賃貸市場も悪くなく、J-REITよりも多くの利回りが望めます。
また円安の方向に進めば為替差益も獲得できる可能性もでてきます。そのため海外リートに投資したほうが投資効率を高め、多くの利益を獲得できるメリットがあると言えるでしょう。
【記事筆者】
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