1つのファンドに投資するだけで分散投資が実現できる“投資信託”。リスクをできるだけ低く抑えたい投資家たちから支持されている投資方法です。しかし、投資信託だけでも数千もの銘柄があり、一体どれを選んで良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。個人投資家たちがおすすめする投資信託銘柄とこれからの注目銘柄を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤーとは?

実際に純資産残高が大きいファンドが、投資家たちから支持を受けているとは限りません。ファンドの運用開始時期が早いだけで、ピーク時よりも下降気味という可能性もありますし、数人の大規模投資家や機関投資家が莫大な資金を投じただけの可能性もあるのです。個人的な資産運用レベルの投資家たちが注目すべきは、似たような立場で投資信託に投資する“投資信託ブロガー”です。投信ブロガーが選ぶ“ファンドオブザイヤー”を紹介します。

ファンドオブザイヤーとは?

一般投資家目線で投資信託に投資し、その選定基準や成果を公開している“投信ブロガー”。“ファンドオブザイヤー”とは、投信ブロガーたちが「良い」と認めたファンドをランキング形式で表彰するイベントです。証券会社でも独自の投資信託ランキングを公開していますが、個人投資家目線でのランキングではありません。一方、ファンドオブザイヤーは個人投資家目線でのランキングですので、個人で投資信託を実施するときに参考にしやすいランキングとも言えるのです。

どういう人に投票資格はあるの?

投資信託についてのブログを運営している“投信ブロガー”であることが、ファンドオブザイヤーに投票するための条件となります。ただし、投信ブロガーかどうかの判断は、ファンドオブザイヤーの運営委員会が行います。

投票方法はどういう仕組なの?

ファンドオブザイヤー運営委員会から“投信ブロガー”と認められると、持ち点が5ポイント付与されます。1つの投資信託について1ポイントの整数倍で投票します。5ポイントを1つの銘柄にすべて投票するのも良いですし、5つの銘柄に1ポイントずつ投票したり、特定の銘柄に2~4のポイントを投票したりするのもOKです。得点の多さで投資信託銘柄に順位が付けられます。

2017年のファンドオブザイヤーランキング

2017年のファンドオブザイヤーのランキングを紹介します。全体的に、外国株で信託報酬が低い銘柄に人気が集まりました。

1.楽天・全世界株式インデックス・ファンド

純資産総額:97.88億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.1296%(税込み)

日本を含む全世界の株式市場の動きに連動する形で成果を目指す投資信託銘柄。2017年9月28日から申し込みが始まった比較的新しい銘柄ですが、世界最大級の投資運用会社・バンガードが運用する「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」を主要投資対象としているという安定感も、人気の理由の1つです。

【出典】楽天投信投資顧問(株):
https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivge/

2.<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

純資産総額:908.56億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.20412%(税込み)
日本を除く主要先進国株式に投資し、MSCIコクサイ・インデックスに連動する投資成果を目指します。購入時だけでなく換金時の手数料が無料であることも特徴です。

【出典】ニッセイアセットマネジメント(株):
https://www.nam.co.jp/fundinfo/ngkif/main.html

3.楽天・全米株式インデックス・ファンド

純資産総額:138.86億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.1296%(税込み)
全米株式市場に連動する投資成果を目指します。投資指数に連動する上場投資信託証券(ETF)が主な投資対象です。

【出典】楽天投信投資顧問(株):
https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivue/

4.野村つみたて外国株投信

純資産総額:26.0億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.2052%(税込み)
外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド受益証券と新興国株式マザーファンド受益証券を主要投資対象としています。

【出典】野村アセットマネジメント(株):
https://www.nomura-am.co.jp/fund/funddetail.php?fundcd=140714

5.eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

純資産総額:130.84億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.1728%(税込み)
国内株式や先進国株式など、8つの別カテゴリーの投資対象に12.5%ずつ投資します。国内外の複合資産に投資するため、分散投資が実現できます。

【出典】三菱UFJ国際投信(株):
https://emaxis.jp/fund/252760.html

6.ひふみ投信

純資産総額:1413.40億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年1.0584%(税込み)
5年以上保有していると、信託報酬が割り引かれる仕組みになっています。長期的な資産形成を検討している人にもおすすめです。

【出典】レオス・キャピタルワークス(株):
https://www.rheos.jp/

7.eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

純資産総額:97.88億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.2052%(税込み)
主に新興国の株式に投資する投資信託銘柄。MSCI・エマージング・マーケット・インデックスに連動した投資成果を目指します。

【出典】三菱UFJ国際投信(株):
https://emaxis.jp/fund/252878.html

8.たわらノーロード先進国株式

純資産総額:237.33億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.216%(税込み)
MSCI・コクサイ・インデックスに連動した投資成果を目指します。主な投資対象は外国の株式です。

【出典】アセットマネジメントOne(株):
http://www.am-one.co.jp/fund/summary/313125/

9.バンガード・トータル・ワールド・ストックETF

純資産総額:122.50億米ドル(2018年5月31日時点) 管理報酬:年0.1%
1銘柄で新興国を含む47の国々に投資できる投資信託。リスク分散を重視する人にもおすすめ。

【出典】Vanguard:
https://www.vanguardjapan.co.jp/docs/FS_VT_JP.pdf

10.iFree S&P500インデックス

純資産総額:49.81億円(2018年7月4日時点) 信託報酬:年0.243%(税込み)
主に米国の預託信託を含む株式に投資し、S&P500に連動した投資成果を目指します。

【出典】大和証券投資信託委託(株):
http://www.daiwa-am.co.jp/funds/doc_open/fund_doc_open.php?code=3340&type=1

注目されている3つの投資信託

紹介した10の投資信託の中でも、特に注目が高い3つのファンドを紹介します。

楽天・全世界株式インデックス

ファンドオブザイヤー1位にも輝いた「楽天・全世界株式インデックス」。これ一本で世界の株式市場に投資できますので、各国の経済状況に左右されない投資を実現したい方にも適した銘柄です。構成銘柄は8,000にもおよび、大型株から小型株、先進国株から新興国株などの幅広い投資ができます。

ひふみ投信

ランキング6位の「ひふみ投信」。レオス・キャピタルワークス株式会社が運用する投資信託です。国内の株式を投資対象としており、好成績を出し続ける銘柄として知られています。長期的な資産運用を実施したい方に適しています。また、ひふみ投信の顧客専用セミナーなども開催されていますので、投資に対する知識を深めたい方にもおすすめの銘柄と言えるでしょう。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

ランキング2位の「ニッセイ外国株式インデックスファンド」。日本以外の国の株式に投資をするため、国内景気に関わらず利益を追求できる点に特徴があります。また、定期的に信託報酬の引き下げを実施していますので、長期にわたって保有することでさらにお得に利用できるようになります。銘柄名で強調されている通り、購入時も換金時(売却時)も手数料は不要です。売買の際に、目減り感なく資産運用できる点も魅力です。

まとめ

簡単にリスク分散ができる投資信託ですが、銘柄によってはカントリーリスクや為替リスク、業界の景気によるリスクなどのさまざまなリスクを軽減できるものもありますので、大切な資産を守るためにも、投資信託商品の銘柄構成比もチェックするようにしてください。また、手数料だけでなく信託報酬にも注目しましょう。信託報酬が大き過ぎるときは、利益が配当や標準価額に反映されづらくなるというデメリットがあります。