投資の王道とも言える“不動産投資”。資産形成のために不動産投資に興味を抱く方も少なくないでしょう。不動産投資を始める前に知っておくべき事柄とメリット・デメリット、また、不動産投資に失敗してしまう理由をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

不動産投資をする前に知っておきたい予備知識

不動産をそのまま保有しているだけでは、収益的にはマイナスです。固定資産税などの税金がかかりますし、火災保険料やメンテナンス費用もかかってしまいます。そもそも不動産投資とはどのようなことを指すのでしょうか。

不動産投資とは

不動産投資には、大きく2つのパターンがあります。1つは誰かに貸して賃貸料という報酬を受け取ること。収益用のマンションで家賃収入を得ることやオフィスビルや複合ビルを保有して家賃を得ること、また、駐車場を運営して月々の駐車代や時間当たりの駐車料金を得ることも、いずれも賃貸料報酬に含まれます。

もう1つは、不動産を売却して利益を得るパターンです。不動産価格が上昇したときに保有している不動産を売却しますが、月々に賃貸報酬を得る場合とは異なり、利益を得られるのは1回のみ(売却時のみ)です。

不動産投資5つのメリット

不動産投資には次の5つのメリットがあります。

①本業と兼業できる

運用の手間があまりかからないため、本業と不動産業を兼業することができます。マンションやアパートなどの管理が必要な物件を保有している場合でも、管理会社に管理業を委託すれば、時間に制約のあるサラリーマンでも不動産投資をすることが可能です。

②安定的な収入を得られる

賃貸報酬による利益を希望する場合は、しっかりと物件を選べば家賃収入が見込めますので、安定収入を得ることができます。

③リスクが低い

不動産の価格や家賃の相場は、為替や株式と比較すると安定しているといえます。FXや株式投資と比べるとリスクを低く抑えることができるのです。また、不動産という実態のある物を利用して収入を得ますので、株式のように経済状況や企業の動向によって価値が0になるということはありません。

④銀行から融資してもらえる

収益が見込める物件をしっかりと選べば、不動産取得資金を銀行から融資をしてもらえるため、自己資金がなくてもスタートできます。一方、株式投資などの金融商品による投資は、投資資金を銀行から借りることはほぼ不可能です。

⑤思わぬ節税効果が見込める

不動産投資にかかる資金を経費計上すれば、確定申告をすることで多額の控除を受けることができます。また、不動産投資で一時的に赤字が出た場合も、損益通算をすることで課税対象額を減らして所得税を減らすこともできます。このように不動産投資をすると思わぬ節税効果が見込めますので、収益以上の利益も見込めるのです。

不動産投資4つのデメリット

優れた5つのメリットを有する不動産投資ですが、デメリットがないわけでもありません。注意すべきデメリットを4つ紹介します。

①空室のリスク

収益物件の収益率は、通常、すべての部屋に借り手がついたという仮定で計算します。しかし、よほどの好立地の高物件でない限り、すべての部屋が満室になることは難しいのが現状です。また、仮に満室になったとしても、すべての賃借人が滞りなく家賃を払うかどうかは別問題です。満室なのに収益が低くなってしまうこともありますし、入退室が多く、空き期間が長くなってしまうこともあるでしょう。

②築年数の経過による物件の老朽化

不動産を保有しているだけで、安定した収益が入り続けるというものでもありません。築年数が経過することで建物の修繕が必要になりますし、エアコンなどの設備も修理や取り替えが必要になります。メンテナンスフィーを節約しすぎていると入居者が減ってしまいますので、適度に建物内外を新しくすることは欠かせません。

③金利の上昇

銀行から受けた融資で不動産投資をする場合、ローンの金利も気になります。変動制の金利で借りているときは、金利が上昇して利息が高くなってしまうというリスクを抱えます。

④すぐに現金化が出来ない

資金難や経営難に陥ったときは、不動産を売却して資産の現金化を図る必要があります。しかし、不動産の買い手がすぐに見つかるとは限りませんので、現金化までに時間がかかってしまうというデメリットがあります。

サラリーマンは不動産投資にピッタリ!?

デメリットはあるものの、メリットも多い不動産投資。何より手間をかけずに投資することが可能ですので、サラリーマンなど本業がある人にも適した投資と言えます。サラリーマンこそ不動産投資をすべき理由を3つ紹介します。

銀行から融資が受けられる

定職に就いており社会的信用のあるサラリーマンは、融資審査にも通りやすく、銀行から融資を受けやすいというメリットがあります。本業によって安定した収入が入って来ることが、審査にプラスに作用します。

土日など休日に行える

大抵の不動産会社は土日も営業しています。平日にネットで物件を探し、休日に物件見学をすれば、本業に影響を与えることなく不動産投資が実施できるのです。

専門家の力を借りられる

個人的に投資をするからといって、すべてを一人で背負いこむ必要はありません。税理士や弁護士、管理会社など各分野の専門家に任せるなら、投資にかかる手間と時間を大きく節約できますよ。

狙い目の物件とは?

では、具体的にはどのような物件に投資すれば良いのでしょうか。サラリーマンとしての年収別の投資物件を紹介します。

年収500万円以上はワンルーム投資

年収500万円以上の人は、無理なく手が届くワンルームマンションから不動産投資を初めて見ることをおすすめします。収益が上がれば、戸数を増やしていきましょう。

年収700万以上は新築分譲マンション投資

年収700万円以上の人は、ローンを組める額も大きくなりますので、価格が高い分、物件グレードや収益も大きくなる新築分譲マンションがおすすめです。共用施設が充実している物件等も多く、1LDKや2LDKなども選択肢に含めることができます。

土地を保有している場合は一棟アパート

すでに土地を保有している場合は、収益用のアパートを一棟立ててみるのはいかがでしょうか。ただし、土地が賃貸住宅に向かない場所にあるときは、売却してアパート向けの土地を購入することも検討してみることも一つの手段です。k

不動産投資で失敗する3つの原因とは?

不動産投資で失敗してしまうときは、かならず何らかの原因があります。よくある3つの原因を紹介します。

他人に全て任せっきりにしてしまう

管理を管理会社に委託することは悪いことではありませんが、かならず定期的に報告を受けるようにしてください。保有する物件の現状を把握することで、万が一のときにもスピーディな対応ができるようになります。

他人の意見を鵜呑みにする

物件を決定するのも運営方針を決定するのも、投資家自身の役割です。セールスマンの口車に乗って収益が見込めない物件を買ってしまうと、収益が上がらないどころか大きな損失を抱えることになってしまいます。かならず自分で物件の情報や周辺の賃貸状況、ニーズなどを把握し、慎重に購入・運営を進めてください。

欠点やリスクに目を向ける

セールスマンは良いことしか言いませんが、少ない資本で莫大な収益を永続的に得られる“完璧な投資物件”というものは存在し得ません。しっかりと物件の欠点も確認した上で、購入を検討するようにして下さい。

オススメの不動産投資の勉強方法とは?

素人でも始めることができる不動産投資ですが、あまりにも白紙の状態で始めるのは危険すぎます。不動産投資について少しは学んだ状態で、実際の投資に着手するようにしてください。もちろん、不動産投資を始めてからも、日々勉強を続けることは大切なことです。

読書

不動産投資に関する専門知識を格安で学べる方法が、不動産関連の“読書”です。書店に行けば不動産投資関連の書籍がたくさんありますので、興味をひくものを選んで下さい。どの本を選んで良いか分からないときは、人気の本を選べば大抵間違いはありません。書店に貼りだしているランキングを参考にしたり、店員におすすめの本を尋ねてみたりするのも良いですね。

セミナーに参加する

「本を読むよりも、話を聞く方が頭に入る」という方も多いのではないでしょうか。そのような方は、不動産会社や銀行などで実施しているセミナーに参加して、不動産投資に関する知識を増やしていくことをおすすめします。

また、セミナーに参加すると同じように不動産投資をする仲間と知り合うことができるというメリットもありますし、講師に直接質問できるという大きなメリットもあります。インターネットで検索すれば、有料無料のセミナーを見つけることができますので、テーマや講師をチェックして、気軽に参加してみましょう。

業者に資料請求する

気になる収益物件があるときは、不動産業者に資料請求をしてみましょう。物件に対する詳しい情報を紹介してもらえるだけでなく、無料のDVDや書籍などがついてくることもあり、不動産に関する知識を深めることができます。

また、不動産関連の書籍によっては、無料セミナーや著者への質問などの権利がついてくるものもあります。賢く活用して、不動産投資に対する知識を増やしていきましょう。

まとめ

不動産投資は、莫大な資産を持つごく一部の人に限られた投資方法ではありません。サラリーマンという立場を利用して銀行等から不動産取得資金を借り入れることも可能ですし、管理会社を活用すれば手間も時間もかけずに運営維持ができます。本やセミナーなどを通して不動産投資に対する知識を深め、賢く資産を増やしていきましょう。