不動産投資というと、まとまった資金や専門的な知識が必要なイメージが強く若い20代から不動産投資をするのは難しいのではないかという方が多いです。しかし、実際に20代でも不動産投資をスタートさせて大家さんとして活躍している方がいるのも事実です。20代から不動産投資をスタートするには何が必要なのか、メリット、デメリットは何かなどをまとめていきます。

不動産投資は20代から始められるのか?

不動産投資は20代からでも始められるのかを確認していきましょう。

融資を受けてそれほど高額ではない物件を買うことはできる

20代から不動産投資を始めるのが難しい理由の1つとしてまとまった資金が用意しにくいという点があります。社会人になったばかりですぐに何百万も預貯金を用意するのは難しいという方が多いでしょう。

ただ、20代であっても多少の資金を準備、もしくは手持ち資金がなくても融資を受けることで、不動産投資を始める事は可能です。いきなり一棟アパートや高額な新築マンションなどが難しくても、ワンルームマンションの1室や中古物件など高額ではない物件から始めるというのであれば、20代からでも可能といえます。

年収が少なくても、若さが融資を受ける時にはプラスになる

不動産投資は金融機関から融資を受けて始める場合が多いのですが、若くて年収が少ない場合、融資を受けるのが難しいと思われる方も多いです。もちろん、勤続年数や年収は重要なポイントですが、若い20代だからこそ、融資の際にメリットになる事もあります。

まず、20代であれば定年までの期間が長い為、融資の期間を長く取ることができます。金融機関が定める融資期間は、その建物の耐用年数を基準としている場合が多い為、築5年の軽量鉄骨のマンションに融資を受ける場合、耐用年数が27年であるから最長22年の融資期間が定められるとします。

もし、年齢が50才であったとして、72才までの融資を金融機関がしてくれるかというと、難しいかもしれません。これは定年を過ぎてしまい、安定した収入源がなくなるとみなされるからです。

一方、20代であれば22年後でも40代から50代とまだまだ働ける年齢ですから、融資期間をしっかりと確保し融資を受けられる可能性がアップします。

仕事が忙しくても不動産投資は休日に始められる

20代というと、仕事も始めたばかりで平日は仕事を身に付けるのに忙しいと思います。

しかし、不動産投資は他の投資に比べて、一度購入してしまえば、その後は管理などを委託する事によって、労働力や時間をそこまで割かなくても良くなります。もちろん、購入までに勉強するなどは必要ですが、時間を毎日とられるといった事がないので、仕事が忙しいという方にも適しているといえるでしょう。

20代で不動産投資を始めるときの問題点

続いて、20代で不動産投資を始める時の問題点もまとめていきます。

正社員以外は融資を受けるのが難しい

20代だと働き方も多様になり、派遣や契約社員はもちろん、フリーランスや自営業で仕事をしている方も多いでしょう。ですが、雇用形態が正社員以外の場合は融資を受けるのが難しくなります。

元々、勤続年数や資金面でハンデのある20代ですから、加えて雇用形態が不安定とみなされてしまうと、融資を受けるのが難しくなるでしょう。もちろん、投資予定の不動産に対してエリアや収益性から高い評価を得る事ができれば、融資を受けられる可能性はありますが、利息や融資機関など条件が厳しくなる可能性はありますので、正社員以外だと難しいといえるでしょう。

貯金がなく、頭金が用意できないとリスクが増大する

頭金が用意できない場合、当然、全て融資を利用する必要があります。そうなると購入できる物件も限定されますし、小さなトラブルによる出費も対応できない場合があります。融資金額が多いほど、返済までの利息や期間も大きくなりますので、リスクが高まってしまいます。

不動産投資をやっている知り合いや友人がいない

増えてきたといっても、まだまだ20代で不動産投資をしている方は少数派になります。そもそも住まいも賃貸で不動産売買を経験した事がある方も少ないでしょうから、不動産投資のイメージをつかみにくいかもしれません。

同世代の友人と不動産投資についての情報交換をするのは難しいかもしれませんので、そうなると、どうしても独学になり、間違いを犯していても気付きにくい為、デメリットの1つといえるでしょう。

仕事に忙しく、投資の勉強をする時間がない

20代というと、ようやく本業の仕事に慣れてきたという時期になります。経験豊富なベテランに比べて、まだまだ勉強する事もたくさんありますし、上司や取引先との付き合いなども断りにくい時期かもしれません。

仕事に忙しく、不動産投資の勉強に時間を割くのが難しいという事も問題の1つといえるでしょう。

物件の情報を集めるノウハウが乏しい場合も

経験豊富なベテランに比べて、人脈や経験で劣る分、情報収集にも差がでてしまうかもしれません。ネットリテラシーは20代の方が強いかもしれませんが、誤った情報を鵜呑みにしてしまわないように注意が必要です。

20代の不動産投資で成功するためには

それでは20代の不動産投資で成功する為のポイントを確認していきましょう。

リスクが低い築浅のワンルームマンションなどを買う

一棟アパートなどに比べるとワンルームマンションは比較的値段が安いです。

あまり古いマンションだとリフォームや修繕などの出費が必要になる事も多いですし、新築マンションであれば値段も高く、価格下落リスクが大きいですが、築浅物件であれば自己資金の少ない方でも融資を活用することによって始める事ができますし、最初の投資先としてはおすすめになります。

ヤドカリ投資法を考える

もし賃貸住まいであれば、先に自宅用に家を購入するのも良い選択肢になるかもしれません。まずは自宅用に家を購入し、ローンの一部、もしくは全額を完済した上で、別の家を購入。以前の家を賃貸に出すという方法になります。

こうすれば家賃として支払っていたお金をローンの返済に充てることができるので、不動産投資の一歩目として検討するのもよいでしょう。

貸主の集いやセミナーに積極的に参加して人脈を作る

不動産投資を実際に始めている、先輩の大家さんの話を聞けるのは、非常に勉強になります。実際に購入してから困った事や、準備しておけば良かった事などをリアルに聞くために、そういった方が集まる集いやセミナーに参加して人脈を作るのは重要です。

20代というと、不動産投資家の中では若い扱いをされる場合が多いですので、積極的に教えてもらえる可能性が高いです。

不動産会社との関係性を構築する

人脈をつくってメリットがあるのは同じ大家さんだけでなく、不動産会社との繋がりも重要です。始めて知った不動産会社の担当が親切な方ばかりとは限りません。複数の不動産屋と関係を持つことによって、どこの不動産会社で不動産投資を始めるかを検討する事もできます。

返済期間を長めにして、毎月の返済額を抑える

長期間融資が組める場合は、返済期間を長めにして毎月の返済額を抑えることができれば、月々の収支をプラスにしていける可能性が高まります。もちろん、余裕資金が出来たら繰り上げ返済を活用し、残債を早く減らしていくのも重要ですね。

20代からの不動産投資で失敗をする人とは

20代からの不動産投資で失敗してしまう人の特徴をまとめました。

利回りだけに気を取られて、空室リスクの高い物件を買ってしまう

不動産投資の目的は利益を得る事ですので、利回りが高い物件が魅力的に見えるでしょう。ただ、いくら利回りが良い物件だとしても、入居者がいなければ家賃収入は入ってきませんし、入居者が入る為に家賃を下げたり、内装にお金を使ったりと、結果的に大きな支出になってしまう可能性もあります。

表面上の利回りが高くても、それだけではなく入居者が集まるような立地や条件を満たしているかも重要な条件になりますので、利回りだけに振り回されないことが重要です。

修繕費など維持費を意識しないで投資を始めてしまう

比較的安く始められるという事でワンルームマンションを選ぶ方も多いですが、マンションを選ぶ際は管理費・修繕積立金などが必要なことを忘れてはいけません。

つい、家賃収入とローンの返済額だけに注目してしまいがちですが、マンションの場合、管理費や修繕費の積立も毎月の出費になります。戸数の少ないマンションなどは、1戸辺りの負担が大きくなってしまうこともありますし、積立金を加えたら毎月のキャッシュフローが赤字になってしまったという事のないように全ての支出をしっかり確認しておきましょう。

安いだけの物件を購入し、購入後の瑕疵を気にしない

築年数の古い物件であれば、数百万で購入できる物件も存在します。当然、利回りも高く見える場合が多いのですが、買った翌年に老朽化によりトラブルが発生して修繕に何十万、何百万かかってしまうという事もありえます。古くて安いという事は、何かしら原因があると考え購入後、長期間保有できるかをしっかり確認してから決めるようにしましょう。

シェアハウスなど管理に時間と手間のかかる物件を買ってしまう

最近は新しい住まいの形として、シェアハウスの人気が高まっています。住む分には良いとしても不動産投資の対象としては上級者向けといえます。

シェアハウスの場合は管理が手間になります。共有部の消耗品など、大家さんが支給する場合もあります。共益費としての水道光熱費用も高くなることが多いですし、入居者同士のトラブルの仲裁をしたり、入居期間が安定しなかったりと、不動産投資の中でも難しい部類に入りますので、不動産投資初心者は避けた方が無難といえます。

人脈作りを積極的に行わない

人とのコミュニケーションをしたくないから独学で投資をしようという人も失敗する可能性が高いです。株やFXのようにオンラインで完結するのであれば、本人にスキルやセンスがあれば良いのかもしれませんが、少なくとも不動産投資では難しいでしょう。

大家さんとなれば、入居者との契約関係が発生します。また融資を受ける為に銀行の担当者、物件を探すのに不動産会社の担当者、売買をする為に司法書士の先生、確定申告や節税の為に税理士の先生、購入後の管理をしてもらう為の管理会社などなど、非常に多くの人達とのやり取りを続けていく必要があります。

同じ大家さん同士の情報交換も重要になるので、人脈作りというコミュニケーションを行いたくないのであれば、不動産投資は避け、自分1人で完結する投資に目を向けたほうが良いのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、不動産投資は20代から始められるかについてまとめてきました。不動産投資は20代だからこそのメリットやデメリットがありますので、不動産投資を選択するかどうかの判断をする為にもしっかりと勉強しておきましょう。