不動投資の対象は日本だけではありません。海外の不動産に投資することもできます。しかし、海外不動産の現物を購入することには不安もあるでしょうし手間もかかります。そこでご紹介したいのがグローバルリートファンドです。
☆リートファンドで投資できるのはどこの国?
グローバルリートファンドに投資をすることで簡単に海外不動産に投資できます。
グローバルという名前からも想像できる通り、このファンドを購入すると世界中の不動産に投資できますが、世界中のどの国にでも好きなように投資できるわけではありません。
一般的に国内で設定されているグローバルリートファンドは、投資家から集めた資金で各国に設定されているリートを購入します。つまり、直接各国の不動産物件を購入するわけではないのです。そのため、投資できる国はリート市場の規模が比較的大きい国に限られます。
グローバルリートファンドで投資できる対象国は、アメリカ、オーストラリア、香港そしてイギリス、日本などが挙げられます。特にアメリカはリート市場の規模が大きく、信託財産の半分以上をアメリカのリートが占めることも珍しくありません。一般的には各国のリートの時価総額の割合に応じて、ファンドの国別組み入れ率が決まると考えていいでしょう。
グローバルリートファンドは複数設定されており、それぞれ組み入れているリートは違いますが、どのグローバルリートファンドもアメリカのリートの組み入れ比率が高いため似たような値動きをすることが多いようです。
☆リートファンドの投資対象はどんな建物?
グローバルリートファンドの投資対象は各国のリートですので、直接海外の不動産に投資をしているわけではありません。しかし、組み入れているそれぞれのリートは賃貸不動産に投資をしていますので、間接的に賃貸建物物件に投資をしていることになります。
投資対象の賃貸不動産である建物は多岐にわたります。オフィスビルか商業施設が主な投資対象となりますが、それ以外に賃貸住宅やリゾート物件、ホテルにも投資されています。また、近年は賃貸倉庫が投資対象として注目されていることもあり、ロジスティック施設を投資対象としているリートが組み込まれていることもあります。
建物の種類によって収益率やリスクは違ってきます。例えば、オフィスビルの場合、収益率は高めですが景気変動の影響を受けやすいなどの特徴があります。
しかし、多くのグローバルリートファンドは、複数のリートを組み入れていますので、間接的に投資している建物の種類も多様です。そのため、ファンドの収益率は、各国のリート指数の収益率の変動に近い動きをすることが多くなります。
☆J-REITとグローバルリートの違いは?
日本で上場されているJ-REITとグローバルリートファンドを比較した場合、大きな違いが3つあります。
1つ目の投資対象が国内か海外を含むかという点はすぐにイメージできるはずです。しかし、2つ目の為替レートの影響の違いと3つ目の価格の違いについては説明が必要でしょう。
為替レートの影響の違い
日本で設定されているグローバルリートファンドは円建てで基準価格を表示していますので、各リートの価格変動だけでなく外国為替レートの変動の影響を受けることになります。つまり為替差損益が生じるということです。
これに対しJ-REITは為替変動の影響を受けません。グローバルリートファンドを購入する場合は、外貨建て投資をしている意識を持つことも大切です。
価格の違い
J-REITの場合、需要と供給で価格が決まります。
実際に投資対象となっている不動産の時価をストレートに反映しているわけではなく時価で取引され、市場が開いている時間中は刻々と価格が変動します。
一方、グローバルリートファンドは、1日1回、組み入れている各リートの時価総額からファンドの基準価格を出します。
つまり、ファンドそのものに時価がつくのではなく、組み入れている各リートの時価変動がグローバルリートファンドの価格に連動し基準価格が決まる仕組みになっているのです。
【記事筆者】
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