不動産への投資に興味がある人の中には、実物不動産に投資をするか、REITに投資にするかについて悩んでいる人もいるでしょう。実物不動産にもREITにもそれぞれメリットとデメリットがあります。正しく理解した上で、自分の投資スタイルに応じた不動産投資をすることが大切です。そこで、実物不動産とREITへの投資のメリットとデメリットについてご紹介します。

☆実物不動産投資のメリット・デメリット

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まず、実物不動産投資のメリットとデメリットです。実物不動産への投資とは、賃貸アパートを購入したりワンルームマンションを購入して入居者を募集し家賃収入を得たりするタイプの投資です。

<実物不動産への投資のメリット>

まず安定した家賃収入を得られる点が挙げられます。

管理費やローンの返済等の支出はありますが、それを上回る収入が得られれば、継続的に現金収入を得ることができます。また、土地や建物などの不動産を自分の財産として保有することになりますので、いざという時に売却して資金化できます。土地に関しては地価が上昇すれば値上がり益が得られる点もメリットです。さらに相続の場面では、財産評価額が現金や金融資産と比較してかなり低い評価額になりますので、節税効果がある点も魅力的です。不動産所得が赤字になった場合は損益通算により所得税の節税もできます。

<実物不動産への投資のデメリット>

空室になり家賃収入が入ってこなくなるリスクがあることです。ローンの返済が家賃で賄えなくなると、自分の財産が持ち出しになる可能性があります。また、物件を売却したくなってもすぐには売却できない可能性があり、流動性に課題があります。さらには、地価が下がって評価損を被る可能性がある点もデメリットといえます。

☆REITのメリット・デメリット

次は、REITについてです。REITは、投資信託の一種で、投資家から集めた資金を不動産に投資します。そこから生じた利益が投資家に分配されるタイプの金融商品です。
REITのメリット

まず少額でも投資できる点が挙げられます。実物不動産の場合、物件を数万円で手に入れることはほとんど不可能ですが、REITの場合は数万円レベルで投資できる点が魅力です。

また、実際に不動産の所有者になるわけではありませんので、管理の手間がほとんどない点もメリットです。

登記に関することや、物件管理に関して煩わしい作業が発生しませんので、不動産投資にまとまった時間がとれない会社員でもできます。さらに、売りたいと思った時にすぐ売却して換金できる流動性の高さも実物不動産にはないメリットといえます。

一方、デメリットもあります。

REITのデメリット

相続発生時の節税効果や所得税の節税効果がほとんどない点です

実物不動産投資であれば、相続発生時の財産評価額がかなり抑えられますが、REITの場合は相続発生時点の時価がそのまま相続税評価額になりますので節税効果はほとんどありません。また、不動産所得の赤字を損益通算することもできません。税務面では実物不動産と比較するとデメリットが大きいといえます。

☆投資スタイルに応じた不動産投資の在り方
実物不動産、REITそれぞれにメリット・デメリットがありますので、それを踏まえて自分にあった不動産投資をすることが重要です。
例えば、若い世代であれば、相続に関してはあまり気にせずに、流動性を確保しつつ少額でREITの投資を始め、年齢が上がるにつれて投資金額を増やし、徐々に実物不動産にシフトをすることで相続に備えるという方法も考えられます。また、更地の土地を所有している場合は、賃貸アパートを建設して実物不動産を始めるのもいいでしょう。
それぞれ投資家が置かれている状況は違いますので、不動産や税務の専門家のアドバイスなども参考にしながら、不動産投資を始めてみるといいでしょう。他の金融資産にはないメリットが不動産投資にはありますので、まずはトライしてみることをおすすめします。