手間いらずで少額からでもできる不動産投資といえばREITです。

REITは不動産投資信託のことで、日本の上場不動産投資信託はJ-REITと呼ばれています。上場市場で取引されている個々の投資法人の投資口価格は需要と供給で決まります。しかし、市場には多くの投資法人が上場されていますので、株式でいうTOPIXや日経平均のような市場全体を表す指標があると便利です。

それがREIT指数です。REIT指数を見れば全銘柄の動きがわかります。そこで、このREIT指数はどんな条件で動くのかについてご紹介します。

☆REIT指数の値動きはどんな条件で決まる?

REIT指数の値動きの条件は、大きく分けると2つの要素があります。REIT指数の値動きの条件は、大きく分けると2つの要素があります。

1つは、REIT指数を構成する個々の投資法人の投資口価格の増減です。

個々の銘柄の価格が上昇すれば、指数も上昇することになります。ただし、例えば50銘柄のうち半分の銘柄の価格が上昇、半分が下降した場合にREIT指数はプラスマイナスゼロで増減なしとはならないことがほとんどです。その理由は、2つ目の要素と関係があります。

値動き条件の2つ目の要素は、時価総額が大きい銘柄の価格変動の影響が大きいことです。

REIT指数は時価総額加重平均型の指数ですので、

例えば、時価総額がREIT全体の時価総額の10%を占める銘柄が10%値上がりした場合、指数に与える影響は約1%ですが、全体の1%を占める銘柄が10%値上がりした場合の指数への影響は約0.1%にしかなりません。
いずれにしても指数の動きは、個々の銘柄の価格変動が条件になっていることがわかります。REIT市場全体の動きをREIT指数で把握できるのはありがたいことです。では、個々のREITの価格はどのような理由で変動するのでしょう?

☆金利動向や物価動向でREIT指数はどう動く?

REIT指数は個々のREITの価格変動をまとめたものです。

そして個々のREITの価格は、それぞれの銘柄の需要と供給によって決まります。そして、金利動向や物価動向などREIT市場全体の需要と供給に影響を与える要素もあります。

まず、金利動向は、各投資法人の投資口価格やREIT指数にどんな影響を与えるのでしょう?長期的に金利が下降する状況にある場合は、景気が良くないと考えられますので、賃貸不動産の資産価格の値上がりや家賃の上昇が見込めません。

そのため、REIT指数は下がるのが一般的です。

しかし、景気を刺激するために中央銀行が金利を下げているようなケースは、実態経済よりも金利低下の方が大きくなり、低い金利で借り入れできる状況になります。REITは借入をしてレバレッジをかけていますので、金利低下によって支払利息の負担が減り利益が増加します。そのような場合は、REIT指数は上昇するでしょう。

では物価動向が与える影響はどうでしょう?

物価が上がると土地の価格もあわせて上がっていく可能性が高いです。そうなると、REITが保有している不動産の資産価値が上昇し、物件売却時に売却益が生じやすくなります。売却益もREITにとっては配当可能利益ですので、需要が高まりREIT指数は上昇する可能性が高くなります。

☆キャピタルゲインが狙えるタイミングとテクニカルチャートの形状

REIT指数が低い時にREITを購入し指数の上昇後に売却できれば、キャピタルゲインが得られます。

しかし、いつ購入していつ売却するかの判断はなかなか難しいものです。

その判断を助けてくれるものとしてテクニカルチャートがあります。

チャートとは、値動きをグラフにしたものですが、トレンドが直感的にわかるメリットがあります。

また、チャートの形によって、いろいろなことを読み取ることもできます。
例えば、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に切るチャートの形をデッドクロスといいますが、このタイミングで購入すると価格上場の波に乗れる可能性が高いと言われていますので参考にするといいでしょう。しかし、テクニカルチャートの分析はあくまで投資タイミングを判断する要素の一つに過ぎませんので、チャート分析に依存しすぎないように注意しましょう。