使っていない住宅や部屋を旅行者に宿泊施設(民泊施設)として提供し収益を上げる民泊を始める方が増えてきています。しかし、旅行者との円滑なコミュニケーションのためには、ある程度英語が話せることが必要になりますよね。どの程度英語が話せたら、民泊の運営には十分と言えるのでしょうか?

民泊施設の運営には英語力が必須

民泊の運営には語学力が必要です。特に英語力は、スムーズな運営に不可欠な要素と言えます。

宿泊客の大半は外国人

民泊が世界的に流行っている理由の1つとして「Airbnb(エアービーアンドビー)」のサイトの人気を挙げることができますが、Airbnb自体そもそもアメリカで始まったサービスで、安く旅行をしたい人と余っている部屋や不動産を活用したい人をマッチングさせるために生まれました。また、Airbnbの成功を受けて、海外でいくつもの民泊サイトが立ち上がっています。そのような経緯もあり、宿泊客の大半は外国人であるのが現状です。

英語でのやり取りが基本になり他の言語を使うことは少ない

アメリカやイギリス、オーストラリアなどの英語を母国語とする人とは、英語でやり取りすることが基本になります。彼らが日本語に通じていれば良いのですが、そのような可能性は限りなく低いと想定されます。また、英語を母国語としていない国の人も大抵は学校で英語を外国語として習っていますので、英語でコミュニケーションが取ることが基本となるでしょう。

民泊サイトの情報は過不足なく英語で記載する

Airbnbなどの民泊サイトは、海外の人に向けた情報発信サイトでもありますので、部屋のロケーションや設備、注意しておきたいことなどを過不足なく英語で記載する必要があります。特に、宿泊費や違約金などの金銭関係については誤解の内容に記載しなくてはいけませんので、誰にでも理解してもらえる程度の英語執筆能力が求められます。

間違った英語では宿泊者に不安を与える

サイトに記載されている英語があまりにも分かりにくいときは、サイト閲覧者は「ここに泊まったら、何かトラブルが起きそう」と不安を感じ、別の物件を選んでしまうのではないでしょうか。せっかく物件に魅力を感じていても、つたない英語力のせいで宿泊客を逃してしまうのは、あまりにももったいないことだと言えるでしょう。

民泊物件の運営に必要な英語力は?

では、実際にどの程度の英語力があれば、民泊物件を運営することができるのでしょうか。最低限必要な英語力について探っていきましょう。

メールでのやり取りは定型文でも可能

民泊サイトに掲載する文章や物件説明は、他の物件を参考にすることができますので、一から自分で文章を考える必要はありません。また、メールのやり取りも、インターネット上で定型文を探せば、何とかクリアすることができます。どうしても表現できない文章があるときは、民泊サイトのヘルプ機能を活用することもできることがあります。いずれにしても、中学生程度の文章能力があれば、サイト掲載もメールも問題なく実行することができます。

テンプレートを作成しておこう

予約が入ったときに送信するメールや宿泊前日に送信するメールなどは、テンプレートを作成しておけば1回ごとに文章を考える手間を省くことができます。お礼の言葉や注意点、民泊施設までのアクセス方法などもまとめてメールでお知らせすれば、予約客の不安を軽減することもできるでしょう。

宿泊施設でのやり取りは初歩的な英語力でも対応できる

「英語で文章は書けるけれども、会話には自信がない」という人も多いのではないでしょうか。特に日本の英語教育はスピーキングよりもライティングやリーディングに力を入れていますので、「書けるけれども会話はできない」という人が少なくありません。

しかし、民泊の運営なら、使う言葉や会話のパターンが限られていますので、心配し過ぎることはありません。最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、5回、6回と宿泊客を迎える回数が増えるにつれ、対応にも慣れてくることでしょう。

挨拶や説明など決まりきった言い回しは覚えておく

挨拶や部屋の説明、最寄り駅までの案内などの決まり切った言い回しは、その場で考えるのではなくパターンとして覚えておきましょう。備品の使い方や利用条件、周辺の観光地や駅までの行き方などの説明は、紙に書いて部屋に貼っておいたり印刷して宿泊客に1部ずつ配ったりするのも良いですね。口頭で説明すると誤解を招くこともありますが、文章として書いておくと誤解を防ぐことができます。

伝える力よりも、相手の言葉を読み取る力が必要

英会話というとスピーキングばかりを重視してしまい、「どうすれば発音が良くなるか?」「誤解を招かない言い回しは何か?」などと気になってしまいます。しかし、実際のところ、どのように伝えるかよりも相手の言葉を読み取る力の方が重要です。相手の言葉に気持ちを集中させ、どのようなニーズを持っているのか、どんなことに不便や不安を感じているのかなどを聞き洩らさないようにしてくださいね。

定型文をまとめた本などを読んでおくと良い

簡単な英会話の本があると、宿泊客と会話をするときに役立ちます。普段から英語を使っている人は別ですが、あまり英語を話す機会がない人は、宿泊客と会うときは常に英会話の定型文をまとめた本を携帯するようにしてください。

ヒアリングは毎日のラーニングで身に付ける

相手の言葉を聞きとる能力は、こつこつとヒアリング学習を積み重ねることでしか習得することができません。英語のラジオ番組や英会話のテレビ番組、英会話学習用のCDなどを使って、常に英語が耳に入ってくる環境を作りましょう。

英語が苦手な人はどのように対応すべきか

英語が苦手な人でも、民泊事業ができないわけではありません。しかし、やはり英語が苦手だと、スムーズにメールをやり取りしたり、宿泊客と円滑なコミュニケーションをとったりすることが難しくなってしまいます。英語が苦手な人の民泊事業対応法についてまとめましたので、これから民泊を始めようと考えている人はぜひ参考にしてください。

物件情報の掲載分は英語が得意な人に添削してもらう

民泊サイトに掲載する物件情報は、すでに掲載されている文章を参考にすることができます。なるべく英語圏のネイティブの人の文章を参考に、分かりやすくシンプルに記載して下さい。

とはいえ、ただ他の人の文章をまる写しするだけでは、あなたの物件を正確に表現することができません。部屋の備品や特徴、立地条件、夜間の過ごし方や鍵の受け渡しなど、細かなルールも正確に掲載する必要があります。ある程度独力でまとめたら、英語が得意な人に添削してもらいましょう。その際、あなたと添削をしてくれる人の間で誤解があってはいけませんので、かならず日本語で表現したい内容も付け加えるようにしてください。

メールの定型文も監修を受けると良い

メールでの定型文も英語が得意な人に監修を受けるようにしてください。1回だけ教えてもらえれば、それをテンプレートとして使い続けることができますので、専門の人に依頼したとしても充分に元をとることができます。あなたが伝えたいことを正確に伝えるためにも、英語が苦手な人は他の人の力を借りることも1つの方法です。

民泊施設の英語サポートをする会社に依頼する

「やはり英語で会話することは難しい」と考える人や「宿泊客の言葉が分からなくてトラブルが起きてしまった」と後悔している人は、民泊施設の英語サポートをする会社に宿泊客との会話を任せてみるのはいかがでしょうか。例えば、民泊多言語サービスなら、月に8,000円~の経費でさまざまな言語でのサポートを24時間受けることができます。しかも対応してくれるのがすべてネイティブスピーカーのスタッフですので、宿泊客が英語圏以外の場合でもスムーズにコミュニケーションをとることができるのです。

参考:民泊多言語サービスhttp://m-piece.com/minpaku_lp/

メールや電話での応対も任せられる

民泊多言語サービスでは、メールや電話での応対も代行してもらうことができます。また、サイトを翻訳したりサイトに掲載する文章を作ってもらったりすることも可能ですので、英語に自信のない人でも民泊事業に乗り出すことができるのです。

英語監修はクラウドソーシングサイトなどで依頼すれば安く済ませられる

周囲に英語を得意とする人がいないときは、ココナラなどのスキルを購入できるサイトやクラウドワークスなどの仕事を依頼するサイトを活用してみるのも1つの解決策です。外国語サポート会社や管理会社を使うよりも安く済ませられることもありますので、賢く利用会社を使い分けましょう。

参考:ココナラhttps://coconala.com/
クラウドワークスhttps://crowdworks.jp/pages/howitworks

宿泊物件管理は管理会社に一任できる

宿泊客の応対だけできればすべての問題が解決できるわけではありません。部屋の掃除や備品の補充など、物件の管理も民泊事業には欠かせない要素です。しかし、民泊事業以外に本業がある人にとっては、宿泊客の応対や部屋の管理を行うことは容易ではありません。

本業が忙しい人は、物件管理を管理会社に任せるという方法もあります。もちろん管理会社に任せるとコストは上がってしまいますが、宿泊客への対応が良くなることで物件の稼働率が向上し、トータルで見ると利益が増えることもあるのです。本業に差し支える程度に民泊事業が忙しくなってきたときは、管理会社の活用も検討してみて下さい。

最後に

2018年6月15日から住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が施工され、都道府県知事等への届出が必要になるなど規制が厳しくなりました。持っている不動産を合法的に賢く活用するためにも、英語のスキルを磨くことや外部業者に委託することも必要になります。ご自分のケースに合ったスタイルで民泊を運営していきましょう。