これから不動産賃貸経営を始めようとする方にとって、どのくらいの収入を得られるのかを把握しておくことは非常に重要です。特に「利回り」は、収益性を計算するときだけではなく、後で売却する際にも影響を及ぼします。今回は利回りの平均と、そこから見えてくる賃貸経営のテクニックについてご紹介します。

不動産投資の利回り平均はどのくらい?

 

 

 

 

「利回り」とは、投資したお金に対する戻ってきたお金の割合を意味します。不動産投資における「利回り」は、立地や物件によって変わるのです。立地でいえば、東京都の中でも23区の利回りの平均は、3~7%で、大阪・名古屋などの都会でも10%を下回ります。地方の場合、利回りの平均は9~15%です。確かに、利回りは高ければ高いほど収益率が高いとも言えますが空室が出てしまっては実質的に収益が下がってしまいます都会では利回りは低いものの、空室が出ることはあまりありません。しかし、地方では利回りが高くても、その地域における賃貸の需要によっては、空室に悩まされてしまう可能性が高いのです。

次に、物件による利回りへの影響を見ていきましょう。

具体的には、築年数とメンテナンスによる影響を受けます。新築物件の場合、賃料は高めに設定されており、修繕などのメンテナンスの必要も少ないため、利回りは高くなるのです。中古物件になると、賃料は新築に比べて低く設定され、さらに、メンテナンス費用が必要なため、実質的な利回りは低くなります。

利回りが悪い物件の原因を掴み経営に活かそう!

利回りを決定するのは、不動産購入価格、賃料、年間の必要経費です。1年の家賃収入を不動産の購入価格で割るという計算式で利回りは算出され、これを「表面利回り」といいます。表面利回りからメンテナンスや広告などの必要経費を差し引いたものを「実質利回り」といい、こちらに着目することが重要です。

では、利回りが低くなる原因を見ていきましょう。利回りが悪い物件というのは、投資した不動産購入価格に対して賃料が低いというのが主な原因です。賃料が低くなってしまう原因はさまざまですが、特に購入物件の状態が悪いことが挙げられます。部屋を借りる人は、最寄り駅への距離築年数間取り陽当たり清潔さなどを重視するのです。これらの要素が劣っていると、空室が増えることとなり、賃料を下げざるを得ません。

賃貸経営を効率化する利回り向上プラン

利回りを上げるには、物件の状態を良くすることがカギです。以下、利回りを上げる方法を見ていきましょう。
まず、リフォームです。中古物件でも、内装を一新すると入居希望者が増えやすくなります。また、デザイナーへリノベーションを頼めば、おしゃれで機能的な部屋になるため人気になりますし、賃料を上げやすくなり、売却の際も有利です。
次に、不動産管理会社との付き合い方を見直してみましょう

一括での管理を頼んでいる場合には、賃料回収と物件の清掃を自分でするようにするだけで、管理費を抑えることができるのです。

相場を知ろう!不動産投資の利回りから分かる不動産選びの重要性

 

 

 

 

不動産を購入する際、利回りはたいてい「表面利回り」で提示されています。

さらに、その計算も物件が満室であった場合で、賃料自体も、貸し出された場合に設定されるであろう「想定賃料」で計算されている場合が多いのです。

したがって、まずは妥当な賃料で計算がなされているかを知る必要があります。妥当な賃料であるかどうかは、購入予定の物件周辺の賃料の相場を調べることである程度は把握可能です。賃料の相場はネットで調べることができます。

次に、物件の状態を確認しましょう。
物件の状態が良ければ、相場よりも高い賃料が、状態が悪ければ、相場よりも低い賃料収入となることが予想できるためです。
相場と状態から、妥当と思われる賃料を割り出したら、管理費を確認し、「実質利回り」で計算してみましょう。
不動産選びは難しいものではありますが、奥の深いものでもあります。不動産投資は長い目で見ながら収益を上げられるよう、慎重に選ぶようにしましょう。