日本人は貯金好き!?

皆さん、日本人は貯金好きという話を聞いたことがありますか?

実際、世界で一番日本人が貯金をしています。2017年5月16日、総務省が発表した『家計調査報告』によると、なんと2016年、2人以上の世帯における1世帯当たりの平均貯蓄残高は「1,820万円」にもなります。

【出典】総務省:家計調査報告書
(http://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/h28_gai2.pdf)

さて、この金額皆さんには安く感じますか?高く感じますか?

もちろん、年齢や家族構成により感じ方も変わってくると思いますが、世界的に見ても日本人が貯金好きなのはとても有名な話です。

アメリカのサイト『Go Banking Rates』が2017年、成人8000人を対象に「銀行にどれだけ貯金があるか」と尋ねた結果、なんとその57%が1,000ドル(約10万円)の貯金すらないと回答したといいいます。細かく見ていくと、39%は貯金額がゼロ、57%が1,000ドル未満と回答。貯金額が4,999ドル(約52万円)以下のアメリカ人は全体の69%にも達するといいます。

この結果により、日本人がいかに貯金体質であるかが垣間見えたのではないでしょうか。

【出典】Go Banking Rates:More Than Half of Americans Have Less Than $1,000 in Savings in   2017(https://www.gobankingrates.com/saving-money/half-americans-less-savings-2017/)

貯金は本当に必要なのか?

さて、このように世界から見ると日本人は生活費以外に余ったお金を貯金する傾向にありますが、実際本当に必要な貯金額とは一体いくらなのでしょうか?

そもそも、貯金とは本当に必要なのでしょうか?それは人それぞれライフスタイルが違いますので、一概には言えません。

ただひとつ確実に言えることは、貯金を何の為にしているかを明確にすることが大切になってきます。まず、「短期(近いうちに使う)」、「中期(10年後くらいに使う)」、「長期(老後に使う)」お金がいくら必要なのかを確認することが大事になります。これは人それぞれの支出やライフプランによって異なります。

それぞれの金額と必要な時期を明確化した上で「短期」に必要なお金のみ貯金しておくと良いでしょう。

その他に必要なお金は『貯金』ではなく、『貯蓄』として、投資し、お金を働かせてあげましょう。なぜなら、現在の日本政府または日本銀行の方針として、お金を動かしてほしいということもあり、現在金利はかなり低い状態です。2018年5月現在の普通預金金利は0.001%です。バブル期には2%もの金利だったため、その当時と比較すると約1/2000という状況です。

仮に1,000万円を10年間銀行に預けていたとしても、800円の利息しかつかないことになります。さらに今後、銀行はATMの手数料を上げるという話が出てきていますので、ますます貯金をしてもお金が増えないという事態になるでしょう。

『貯金は安心』は間違い

また、今の政府と日本銀行のもう一つの方針がデフレ(物価下落)からの脱却になります。もしも、デフレ(物価上昇)からの脱却に成功し、インフレが起きた場合、お金の価値というものは下がりますので、実は貯金をしていた金額は実質的には減っています。

例えば、100円だったコンビニのコーヒーの金額が10年後、2倍の200円になってしまった場合、1,000円で10杯飲めたはずが、5杯しかコーヒーを飲めなくなってしまうのです。つまり、10杯飲みたかったら2,000円かかり、10年前よりも2倍の金額が必要になります。

インフレになると、貯金をどんなに頑張ってもお金の価値としては低くなってしまうので、貯金は安心とは言い切れません。

貯金も大事だが、リスクを分散することが重要

結局のところ、貯金のみを行うよりも資産分散を行って、リスクを分散することが重要になっています。

例えば、今行っている貯金額の半分を「働くお金」に変えてみてはいかがでしょうか。保険、確定拠出年金、投資不動産、個人年金等、節税ができるものや、預金よりも利率がいい運用先に変え、「働くお金」にすることで、貯金のみを行うよりも効率よくお金を増やすことが可能になります。リスクもありますが、リスクの高いものから低いものまで様々な投資対象がありますが、貯金ですらリスクになりかねないことを忘れてはいけません。

貯金額の必要金額は人それぞれ違う

貯金の必要額は前述でも述べている通り、人によって金額は異なっています。

目安としましては支出額の半年から1年くらいを「短期」の必要額、且つ換金性のある貯金額として手元に持っておき、「中期」、「長期」に必要額はローリスクローリターンの運用商品にまわして、お金を働かせて増やしていくことが今の時代に合ったお金の守り方になるのではないでしょうか。

石坂