不動産の購入や投資を考えている方にとって、マンション・アパートの寿命は非常に気になるところではないでしょうか。
マンション・アパートは一概に「寿命〇年」と断言することができません。また、建物に使われている材質の耐用年数は、建物の寿命を示していないことをご存じでしょうか。
そこで今回は、不動産の購入や投資を考えている方の参考になるように、建物の材質別耐用年数や、マンション・アパートの寿命についてご紹介したいと思います。
耐用年数は材質によって異なる?
耐用年数とは、建物や自動車などの固定資産が何年使用可能か予想した回数(年数)のことです。耐用年数は税法上定められた減価償却費の数字で、固定資産の価値を考える目安になります。
なお、不動産の耐用年数は、建物の材質により異なります。
ここでは、材質別の耐用年数についてご紹介します。
材質別の耐用年数
建物の耐用年数は材質によって異なります。
住宅用に使用した際の、材質別の耐用年数は以下の通りです。
・木造造 … 22年
・軽量鉄骨造(3mm以下) … 19年
・鉄骨造 … 34年
・鉄筋コンクリート造(RC造) … 47年
マンションやアパート経営において、材質による耐用年数の違いはとても重要です。物件の耐用年数の残存年数によっては、金融機関の融資が難しくなる場合があります。また、耐用年数が経過した物件は、税金額が大きくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
材質別の耐用年数で気をつけなければいけないことは、耐用年数=寿命ではないということです。耐用年数とは、減価償却費の数字であり、固定資産の価値を示しますが、建物の寿命を示してはいません。実際に、耐用年数が経過しても倒壊していない建物は多くあります。
次項では、マンション・アパートの寿命について考察します。
マンション・アパートの寿命は?
マンション・アパートの寿命についてはさまざまな研究結果がありますが、ここでは2011年に早稲田大学の小松教授らが行った研究結果を基に建物の寿命を考えます。
鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は、推定で68年です。なお、コンクリートの質や施工技術の向上により、寿命は延びていると考えられています。
木造の平均寿命は65年です。木造も木材や薬剤の改良などにより、今後も寿命が延びるであろうと考えられます。
上記の小松教授らが発表した研究結果を踏まえると、耐用年数が22年とされている木造ですが、22年経過したら倒壊するわけではないといえるでしょう。
国土交通省が公表している資料の中では便宜上、木造住宅の寿命は30年としています。しかし、この数値は建物が取り壊されたときの築年数などから統計されたもので、実態を反映した数値ではないようです。
マンションもアパートも、一概に「寿命が〇年」「木造だから長持ちしない」「鉄筋コンクリート造だから丈夫」とはいえません。
建物の寿命は、メンテナンス状態や設計、材料などが大きく影響します。
建設当初は丈夫な建物でも、メンテナンスを行わなければ寿命は短くなるでしょう。
おわりに
今回は建物の材質別耐用年数や、マンション・アパートの寿命についてご紹介しました。
マンション・アパートの耐用年数と寿命についてイメージがわきましたでしょうか。
耐用年数とは、税法上定められた減価償却費の数字で、固定資産の価値を示すものです。そのため、耐用年数=寿命とはいえません。また、マンション・アパートの寿命は、メンテナンス状態などにより、耐用年数を上回ります。
築年数が古い物件の購入を検討する際は、メンテナンス状態なども気にしてみると良いでしょう。
【記事筆者】
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