不動産の取引や管理、資産運用に関する資格にはさまざまな資格があります。マンションやアパートの賃貸経営するために、このような資格を取得しておくことが必須という訳ではありませんし、なくても特に差し支えはありません。

しかし、資格を取得する過程で学ぶ法律や、設備などに関する専門知識は賃貸経営や収益物件の売買などで役立つものばかりです。

そこで今回は、マンション・アパートの賃貸経営で役立つ資格についてご紹介します。

宅地建物取引士

不動産の売買や賃貸物件の仲介業をおこなう会社であれば、必ず在籍しなければならないのが宅地建物取引士です。

 

不動産業務には、宅地建物取引士しか扱うことのできない「重要事項の説明」「重要事項説明書への記入・押印」「契約書への記名・押印」といった独占業務があります。

この資格を取得すれば、収益物件の購入や売却の際に不動産会社から受ける説明について深く理解することができます。また、競売物件や権利関係の複雑な物件を購入する際は、民法や借地借家法など関係する法令知識が生かされてきます。

入居者の家賃延滞時の回収など、何かしらのトラブルが発生したような場合でも、法律上の権利や義務、損害賠償、時効などについての法的な知識が役立つでしょう。

 

宅地建物取引士は、毎年約20万人が受験しており、合格者は平均約3万人と難関な資格のため、取得を目指す際はそれなりの勉強期間が必要です。

 

 

FP(ファイナンシャルプランナー)2級

ファイナンシャルプランナー2級の資格は、金融商品や不動産に関する資産運用、資金計画などについてアドバイスする業務を担っています。

 

この資格取得を通じて、不動産賃貸経営にとって欠かせないお金の流れや税金に精通することができます。

税金については、すぐに役立つ譲渡所得税や譲渡特例などの優遇税制の知識だけでなく、将来必要になる相続税や贈与税などの税金についてもその範囲です。そのため、自分が所有する不動産を、次の代へと引き継ぐことを前提とした不動産経営にも役立ちます。

 

また、収益物件の購入や資産の入れ替えの際に役立つ不動産評価の知識や不動産契約など、取引そのものに関する法律についての知識も深められるでしょう。

 

マンション管理士

マンション管理士は、マンションの住人がより快適な生活を送るために、マンション運営のコンサルタントのような役割を担います。住人からの苦情やトラブルだけでなく、管理組合内での問題にも適切なアドバイスをします。

 

マンション管理士の資格取得は、マンション管理に密接な区分所有法、契約や不動産取引において重要な民法。マンション建て替えなどの円滑化に関する法律など、法令全般についての深い知識を習得できます。

さらに、マンションの構造や設備に関する知識とともに大規模修繕などについても精通することが可能で、マンション管理全般について理解できます。

 

また、マンション管理士の資格所有者は宅地建物取引士など、別資格と同時に取得されている方が多く、不動産業界ではスキル習得のために取得するケースが多いようです。

 

おわりに

今回は、マンション・アパートの賃貸経営で役立つ資格についてご紹介しました。

資格を取得しても、その資格に関する業務をおこなうことが目的ではないために、賃貸経営には必ずしも必須のものではありません。しかし、不動産取引全般に関する法律や物件管理に関する知識など、資格取得を通じて得られる知識のどれもがマンション経営やアパート経営などのさまざまな場面において役立ちます。また、知識があったおかげで目の前のリスクが回避され、自身の賃貸経営を守ってくれるような場面も数多く出てくるでしょう。