アパート経営を始めるなら、物件選びに特に注意しましょう。アパート経営が成功するか失敗するかのカギを握るのは物件選びと言っても過言ではありません。いくら立派な建物を手に入れても、地域のニーズに合っていなければ誰も入居してくれません。もしも人が住まなければ家賃収入を得ることができないのですから、経営は成り立たなくなってしまいます。ここではアパート経営をする際に、どんな点に注意して物件を選んだらよいかご紹介していきます。

アパート経営の物件選びで重視するポイントは?

まず、アパート経営をする際に、どんな点を重視して物件選びをする人が多いのか、アンケートを取って調べてみました。

【質問】
アパート経営をするなら、物件を探す際の優先順位が高いのはどれですか?

【回答結果】


立地:101名
価格:28名
利回り:22名

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:20代以上・男女
調査期間:2017年3月28日~2017年3月29日
有効回答数:151サンプル

★重視するのはやはり立地
今回のアンケートでは、立地を重視すると答えた人が圧倒的多数でした。

・立地が良ければ自然と価格、収益性、利回りが良くなるから。(20代/会社員/男性)
・今後大きく影響してくることを考えたら、まずは立地を優先します。立地が悪いと今は満室の状態でも、そのうち空室が増えそうなので。(40代/専業主婦・主夫/女性)

立地条件を最優先すると答えた人のコメントを見ると、立地条件の良さが入居率や収益性などに影響を与えると考えていることがわかります。便利な場所にあれば、アパートが古くなってきても入居率が落ちにくく、たとえ出ていく人がいてもすぐに入居者が見つかるという意見が目立ちました。次に多かったのは価格と答えた人です。この選択肢を選んだ人のコメントは次の通りです。

・理想は色々とあるが、自分が投資できる額に限界があるから。(20代/会社員/女性)
・アパートという響きから家賃がそれなりに安くないと集客が見込めないと思うから。(50代/専業主婦・主夫/女性)

この選択肢では、自分で用意できる金額を意識した人と、借りやすい家賃を意識した人で意見が割れました。自分の用意できる金額を考えた人は、購入価格の高い立地条件のよい物件を無理して購入すると、経営が成り立たなくなる可能性があることを心配しているようでした。一方、家賃を意識した人のコメントからは、あまり条件の良い物件を高額で購入すると家賃も高く設定しなければならず、そうすると入居率が下がるのではないかと考えている様子がうかがえます。いずれにせよ、アパート経営に不安を感じている人ほど価格と答えているように感じられました。最後に、もっとも少なかった利回りを選んだ人のコメントです。

・利益を上げるために経営するので利回りが悪いと意味がないから。(40代/専業主婦・主夫/女性)
・利益がないと、自分の生活はおろか、維持管理に関わる事も出来なくなる。(30代/無職/男性)

利回りと答えた人のコメントは、ほぼ内容が一致していました。利益を上げるために行うアパート経営だから、利回りを重視するのは当然という内容です。ローンの返済なども家賃収入から行うため、利回りが悪ければ経営が成り立たないと考えるのもうなずけます。

今回のアンケートではどれかひとつを選ぶという内容だったのでこのような結果になりましたが、どの選択肢もアパート経営をするうえで重要なポイントであることは間違いありません。では、この結果も踏まえながら、物件を選ぶ際の秘訣を見ていきましょう。

立地・築年数・価格に優先順位をつけよう!


アパート経営の物件を選ぶ際、ポイントとなる条件は複数あります。しかし、すべての条件を満たすような物件はまずありません。例えば、駅から近くて築浅であれば価格は高くなります。良い立地で格安の物件が見つかったら、今度は築年数が古いという具合です。ですから、物件選びをする前に、外せない条件をリストアップして、優先順位を付けておきましょう。あれもこれもと条件を欲張りすぎると物件選びは難航します。すべての条件を一律に並べて5段階で評価し、総合点数が高かったものに決めるという方法もありますが、それではピンとくる物件が見つからない可能性があります。なぜなら、オール3の平均的な評価の物件が最高点になってしまう可能性があるからです。その点優先順位の高い条件を満たす物件を選ぶようにすると、条件的に納得できる物件を選べます。

『誰が住むのか?』を具体的にイメージしよう!

単身者と家族世帯ではライフスタイルが違うため、生活に欠かせないものも異なります。例えば、単身者にとっての「便利」は駅から自宅までのあいだにコンビニや飲食店があることかもしれませんが、家族世帯にとっての「便利」は近くに学校やスーパーがあることかもしれません。特定の大学に通う学生にとっては、駅から近いことよりも大学に近いことがアパート選びの絶対条件である可能性があります。ですから、アパート経営のための物件を選ぶためには、誰をターゲットにするかをしっかり決めることが大事です。

物件をさらに絞り込むには利回りをチェック!

アパート経営をする以上は、利益を生み出す物件でなければなりません。いくら購入価格が安くても、入居者が集まらず、いつまで経ってもローンを完済できないようでは経営自体が成り立たないからです。さまざまな条件で物件をある程度絞り込んだら、最終的には利回りをチェックすることも必要になります。その際、気を付けなければならないのが、示されている数字が表面利回りなのか、実質利回りなのかという点です。不動産会社の中には、表面利回りだけを示してよい物件だと思わせる業者があります。常に満室であることを条件に出した数字は、実際の利回りと差があるため、必ず実質利回りを見て判断するようにしましょう。

物件の形状もチェックしよう!

物件は外見も大事です。ただし、おしゃれかどうかという意味だけではありません。例えば、耐震性も建物の形状が大きく影響します。そのため、複雑に入り組んだものより、上から見たときに正方形や正方形に近い長方形のほうが高い安定性を期待できます。外壁も凝ったものではなく、シンプルで装飾の少ないものを選ぶとメンテナンス費用が少なくて済みます。たしかに、おしゃれに見えるもののほうが最初は入居者を集めやすいかもしれません。しかし、新築物件もすぐに中古物件に変わります。長年経営を続けると、必ず修繕が必要になるのですから、そのときに費用を抑えられる物件を選ぶことも大事です。

 効率よく物件を探す方法とは?

アパート経営のための物件の探し方にはいろいろな方法があります。ですから、不動産会社にどんな投資物件を探しているか希望を伝えた後も、すべて他人任せにするのではなく、自分でも物件探しを継続しましょう。競売物件への入札なども視野に入れて物件探しを続けると、条件のよい物件を割安で手に入れられる可能性が高まります。希望に近い物件がどこに眠っているかわかりません。あらゆる手段を駆使して物件探しをするようにしましょう。

まとめ


物件探しはアパート経営の成否を左右します。物件探しの条件となるポイントは種類が多いので、物件探しをスタートする前に、自分が経営するアパートとして欠かせない条件を書き出してみましょう。条件の優先順位がはっきりしたら、それに合う物件探しを始めます。探し方もいろいろあるため、不動産会社にすべて任せきりにせず、自分でも物件探しをすることが大事です。自分が経営するアパートに住むのは誰なのか、きちんとターゲットを絞って探せばきっと納得のいく物件が見つかります。
関連記事:アパート経営するなら成功を目指したい!知っておきたい秘訣とは?

ライフスタイル別投資シミュレーション