不動産投資はいろいろと準備することが多く、始めるのが大変そうだと感じている人がいるかもしれません。しかし、不動産投資を副業として始めるサラリーマンや、パートやアルバイト感覚で始める主婦も少なくありません。もちろん、何の知識もなく始めるのはおすすめできませんが、きちんと基礎知識を学んだうえでコツをつかめば初心者でも成功する可能性は十分あります。そこで、不動産投資で成功するためのポイントについて解説します。

☆不動産投資を成功させるために必要な思考は?


まずは、世間一般の人が不動産投資を成功させるためのポイントがどのような部分にあると考えているのかを知るために、アンケートを取ってみました。

【質問】
不動産投資で成功するにはどんなことがポイントになると思いますか?

【回答結果】


空室リスクの回避策:64名
情報収集能力:42名
借り手目線の運営:15名

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:20代以上・男女
調査期間:2017年3月28日~2017年3月29日
有効回答数:121サンプル

★空室リスクをいかに避けるかがポイント
今回のアンケートでは、空室リスクの回避策がポイントになると答えた人がもっとも多く過半数を占めました。

・空室だけはお金を生み出さないので不安ですね。力を入れて回避すべきだと思います。(30代/無職/女性)
・確実に賃貸料が入ってくれば、大方の問題は解決できると思います。(50代/会社員/男性)

空室があると賃料が入ってこないことになるため、不動産投資としては致命傷だと考えている人が多いようです。表現の仕方はそれぞれ異なるものの、空室を作らない努力をすることが成功に繋がるという認識で一致していることがうかがえました。次に多かったのは情報収集能力がポイントになるという意見でした。

・金融機関から借り入れをする場合も然り、入居者を募集する際の世の中の情勢然り、入居者の情報然り、全て情報収集に掛かっている。(30代/会社員/男性)
・空室を埋めることだけに目を向けるのではなく、借り手のことや物件管理など、さまざまな情報を収集して視野を広げることが大切だと思います。(専業主婦・主夫/女性)

情報収集能力がポイントだと答えている人は、空室リスクの回避を含めて、幅広い情報を集められる能力が大事だと考えているようです。十分に情報を集めて分析することで、条件の良い不動産を購入することができ、入居者の選定や管理もできると考えている様子がうかがえました。最後に選んだ人がもっとも少なかった借り手目線の運営を選んだ人のコメントをご紹介します。

・借り手目線での運営を心がけていれば、空室リスクも回避することができると思います。(40代/パート・アルバイト/女性)
・借り手が求めているものを提供できるかがポイント。(20代/会社員/男性)

借り手目線に立つことがポイントだと答えている人のコメントを見ると、借り手がどんな物件を求めているかの情報を得て、魅力的な物件を提供することで空室を作らないようにすれば成功できると考えていることがうかがえました。

それぞれのポイントは関わり合っていることから、いずれも大事なポイントであることは間違いないようです。では、アンケートの結果も踏まえて、不動産投資で成功するために欠かせない4つのコツを紹介します。

☆情報を広く仕入れて優良物件を見つける!

確実に利益を生み出してくれる収益物件と、優秀な不動産管理会社を見つけることが不動産投資を成功させるためには不可欠です。ですから、まずは幅広くあらゆる情報を集めることから始めましょう。一見不動産とは関係のないことのように思える情報でも、そのエリアにどんな人が集まるか、人の流れはあるのか、賃貸需要があるのかなどを知る手掛かりになることがあります。うわさ話として耳にはさんだことでも、それが真実なのかを調べていくと、成否を分ける重要なポイントになることもあり得ます。例えば、多くの賃貸需要を生み出している大学が他の場所へ移転してしまうということなら、購入をやめることでリスクを回避できます。逆に大きな工場が移ってくる話などは、早めにつかんでおけば、安く物件を購入できるうえに需要も確保できます。不動産管理会社に関する情報や入居者に関する情報も、ネット上のものだけでなく自分の足で稼いだ情報と比較してみると、正しいかどうかの判断も付きやすく、優良物件を見つける手掛かりになります。

☆キャッシュフローを重視した借入を!

不動産投資ではキャッシュフローにポイントを置いて借り入れをする必要があります。キャッシュフローとは実際のお金の出入りを意味する言葉で、帳簿上は利益が出ていてもキャッシュフローはマイナスということがあり得ます。不動産投資ではキャッシュフローを無視して、帳簿上の利益だけを見てしまうと黒字倒産の可能性が出てきてしまいます。なぜ、実際にはマイナスになっているのに帳簿上だけ利益が出る形になってしまうかと言うと、帳簿計算の際には、現金の支出があっても計上せずに済んでしまう経費や、逆に現金支出を伴わない経費が存在するからです。例えば、減価償却費は現金支出を伴わない経費ですし、ローン返済に関しては、支払利息だけが帳簿上費用として計算されます。キャッシュフローを活用すれば、資金繰りが健全かどうかの確認もでき、潜在家賃収入と実質家賃収入を比較して、収益力や経営の健全性を見極めることもできます。なお、キャッシュフローの計算方法は次の通りです。
キャッシュフロー=家賃収入-経費-返済費用

☆空室リスクはリフォーム・リノベーションで回避

日本では新築物件を好む人が多いため、不動産投資でも新築物件を狙う人がいますが、初心者でも成功しやすいのは中古物件です。いくら新築で購入した物件でも、数年経つと中古物件になってしまいますから、条件のよい中古物件に注目してみましょう。とはいえ、中古物件は利回りが高い一方で、そのまま使用すると空室リスクも高まります。ですから、リフォームやリノベーションで物件の価値を高めてから貸し出す必要があります。中古物件を選ぶなら、購入後に修正することができない立地を重視して選ぶことが大事です。立地さえ良ければ、ニーズに合わせてリフォームやリノベーションをすることで、空室リスクを回避できます。ただし、構造的に問題がある物件は論外です。根本から建て直しが必要な物件では経費が掛かり過ぎてしまうため、収益物件として購入する意味がありません。多少手を入れることで物件価値が上がるような中古物件を選んでリフォームやリノベーションをすることが大事です。
意外と知らない?リノベーションとリフォームの違いとは

☆入居審査は厳しくても緩くてもダメ!

どんな入居者が入居するかは、不動産投資をするうえでとても重要な問題になります。なぜなら、人が住む部屋を貸し出して賃料収入を得るというシステムがうまくいかなくなると、収益が上がらなくなってしまうからです。例えば、家賃滞納が起こると、空室の場合と同様家賃収入が入らなくなります。入居者間でトラブルが起こりやすい状態になると、入居者の定着率が落ち、空き室リスクが高まってしまいます。仮に周りの入居者とトラブルにならない場合でも、部屋の使い方が悪い人が入居してしまうと、その人が退去した後は大規模な修繕をしなければ次の入居者に貸し出せなくなってしまいます。ですから、一定以上のモラルを持った入居者を集めようと思ったら、しっかりとした入居審査基準を決めておく必要があるでしょう。しかし、あまり入居審査を厳しくしてしまうと、今度は入居できる人が少なくなってしまい、空室が埋まりにくくなってしまいます。賃貸物件としてのニーズを考慮しながら、入居審査の基準を決めることが大事です。

☆まとめ


不動産投資を成功させるためには、事前の準備が大事だということがわかったのではないでしょうか?不動産投資は一見難しそうに見えますが、コツをつかめば初心者でも無理なく始められます。情報を幅広く集めてしっかり分析すれば、どのエリアにどのような物件を所有すれば利益が出るかも見えてきます。賃貸物件である以上は、借り手のニーズに応えながらも、収益が上がるようにしなければなりませんが、キャッシュフローの計算の仕方を覚えて、実際の利益を確認することを心がければ心配は少なくなるはずです。あれこれ考えるよりも、まずは入居者の集まりやすい物件を選んで始めてみましょう。”

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