リートは賃貸不動産を運用対象とする投資信託のことですが、投資するにあたっては複数の銘柄があるリート全体の動きがわかる指標があれば便利です。それがリート指数です。しかし、投資初心者などはリート指数についてよくわからないケースも多いでしょう。そこで、リート指数の意味やメリットなどについてご紹介します。

リート指数とは?

リートへの投資をしている人は、リート指数を必ずといっていいほどチェックしているはずです。

リート指数は、東京証券取引所の株式市場における日経平均やトピックスと同じようなもので、リート市場全体の状況を表す指数です。各国のリート市場ごとにリート指数は計算されていますが、Jリートの指数東証リート指数と呼ばれています。

東証リート指数は、2003年3月31日の終値を基準にして計算した全リート銘柄の時価総額を1000として、その後の時価総額を指数化したものです。例えば、東証リート指数が1800であれば、2003年当時と比較すると時価総額が1.8倍になったことを意味します。この指数は、取引が成立する都度計算が行われますので、取引時間中は刻々と変化します。

リート指数で何がわかる?

ではリート指数を見ることで何がわかるのでしょう。

リート指数は全銘柄の時価総額を指数化したものですので、その指数が変動したということは時価総額が変動したことを表わします。ポイントは各銘柄の変動ではなく、リート市場全体の変動がわかることです。時価総額の増加は、各リートの価格が上昇することによって起こります。そのため、リート指数が上昇することで、リートの人気が高くなったことがわかるのです。

また、リートの人気は、必ずしもその時点での人気を意味するものではありません。賃料の増加や稼働率の上昇が見込めるなど、将来の賃貸不動産市場への期待が高くなるとリートを購入する人が増えてリート指数があがります。そのため、リート指数を見ることで賃貸不動産市場の将来の期待度がわかります。

その結果、リート指数の変動を分析することによって、リートが全体として買い時なのか売り時なのかを判断しやすくなるでしょう。

リート指数を見るメリットは?

リート指数を見なくても、各リート銘柄の価格の動きを見ることで、買い時売り時を判断することはできます。しかし、個別銘柄への投資判断をする前に、リート市場全体の状況がどうなっているかを知ることが重要です。

もしリート指数がなかった場合は、約50銘柄あるJリート銘柄の刻々と変化するすべての価格情報を収集して指数に相当する数値を計算する必要がありますが、それを実行するのは困難ですし、仮に計算できたとしても投資家がそれぞれ計算するのは合理的とはいえないでしょう。リート指数があれば手間をかけずに市場全体の価格変動状況を把握できるメリットがあります。

また、2003年から同じ基準で算出されている指数ですので、短期的な推移だけでなく、長期的な推移を見て分析を行うことができるメリットもあります。

リート指数の見方!チェックすべきポイントって?

ではリート指数を見る場合にチェックすべきポイントは何でしょう?

まず、長期・中期・短期それぞれの期間でのリート指数の推移をチェックすることが大切です。短期的には上昇トレンドにあっても長期的には下降トレンドにあるなど、期間の違いによってトレンドは変わります。投資判断をする上では重要な情報になりますのでしっかりチェックする必要があるでしょう。

また、現在の指数の推移が過去の指数の推移と同じようなパターンになっていないかといったチェックも大切です。同じパターンが発生している場合は、その後の推移も同じようになる可能性がありますので、投資判断の役に立ちます。リートへの投資をする場合は、安定した分配金が魅力である一方で価格変動リスクもありますので、指数を上手く活用して市場全体のトレンドを把握するように心がけるとよいでしょう。