不動産投資をする場合、まず収益物件を手に入れなければなりませんが、その際にローンを組んで購入する人も多いのではないでしょうか。ローンを組んで不動産投資をする場合、大切になってくるのが返済比率です。これはローンの返済の家賃収入に対する割合のことで、賃貸経営に大きな影響を与えます。そこで、返済比率について徹底解析していくことにしましょう。
☆返済比率を間違えるととんでもないことに
ローンを組んで収益物件を購入する場合、返済比率を考慮しなければなりません。
不動産投資は一種の事業なので、利益を出すことが不可欠です。
それは、収益である家賃収入のうち、
最終的にいくらかの現金が手元に残るようにする必要があるからです。
しかし、中には、家賃収入がローン返済額よりも高ければ問題ないと考え、
高い返済比率でローンを組んでしまう人がいますが、これは危険です。
不動産投資をする場合に必要となる経費はローンの返済だけではないからです。
返済比率を間違えて高めに設定してしまうと収益が赤字になり、
毎月自己資金からいくらか持ち出さなければなりません。
この状態が一時的ではなく、数年から数十年続くと耐えられなくなり、
最後は収益物件を処分することになってしまいます。
☆返済時に設定しておきたい比率と
不動産投資をする場合、設定する返済比率が重要になってきますが、
実際にどのくらいの比率で設定すればいいのかわからない人もいるでしょう。
基本的に、返済比率を40%以下にしておけば安全だと言えます。
不動産投資にかかる経費として収益物件のリフォーム代や固定資産税、管理会社への報酬などが考えられますが、これらの費用は毎月の家賃収入額の4割前後見込んでおきたいところです。
また、いつも収益物件が満室であるわけではありません。
定期的に空き室も出てしまい、家賃収入が少なくなってしまうこともあります。
このようなことから
不動産投資の経費等は家賃収入の5割程度の費用がかかり、これにローン返済額が加わることから、
最低でも50%以下、できれば40%以下にするのが理想です。
☆忘れてはならない利息のこと
不動産投資をする人の中にはワンルームではなく、
アパートやマンション一棟まるごと購入する人もいますが、このような人は組むローンの額も大きいです。
そのため、利息も多く発生し、総返済額も多くなり、
結果赤字経営に陥ってしまう場合もよくあります。
しかし、返済比率を設定する場合、
元金と利息分を合わせた総返済額をローンの返済額として考慮するので、
利息のことを忘れないで済み、賃貸経営を安定させることができます。
このような点においても、返済比率を意識することが重要だと言えるでしょう。
☆繰り上げ返済の罠
繰り上げ返済をすることで、借入元金を大幅に減り、発生する利息も抑えられるので、総返済額を少なくできるからです。
高い返済比率でローンを組んでしまった人にとっても繰り上げ返済は効果的だと言えます。
しかし、繰り上げ返済することで発生する利息が少なくなるということは、
ローンを組んでくれた銀行側から見ると、得られる利益が少なくなるので、面白い話ではありません。
繰り上げ返済をすることで銀行との関係が悪化してしまうこともあるでしょう。
今後も不動産投資をする際にお世話になる銀行との関係を良好に保つためには、必ずしも繰り上げ返済することが得策ではないのです。
☆資金には余裕を持たせること
不動産投資を少しでも早く始めようと焦ってしまい、
資金に余裕がない状態で行っても失敗してしまう可能性が高いです。
例えば、頭金が少ししか用意できないので、返済比率を高めにしてでも、無理にローンを組んで、不動産投資を始めたとします。
このような場合、
空き家リスクや家賃滞納などの収入減や予想外のリフォーム代などが発生すれば、
すぐに赤字経営となってしまいます。
そのようなことから、不動産投資をする場合には、資金に余裕を持たせることが大切です。
収益物件を購入する場合も、頭金としてある程度のお金を用意できればローンの額を抑えることができます。
その結果、毎月の返済額を抑えられるので無理のない返済比率で不動産投資が行え、
利益を出せる可能性も高くなります。
また、魅力的な収益物件が出てきた場合、資金に余裕があれば、すぐに購入して収益アップを狙うことも可能です。
【記事筆者】
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