不動産投資には安定的な現金収入が見込めるという魅力がありますが、物件を購入するにあたっては多額の資金が必要となるのが一般的です。そこで、自己資金はどれぐらい必要か、アパートとマンションでは必要となる自己資金は違うのかなどについてお伝えします。
☆アパートかマンションかで異なる?用意すべき自己資金の額は?
賃貸経営を行うには賃貸アパートか賃貸マンションを購入する必要があります。いずれの場合でも多額の資金が必要になる点は共通していますが、アパートとマンションを比較するとマンションの方が安く購入できるのが一般的です。アパートの場合は区分所有ではなく一棟買いすることになりますので、1千万円を下回る物件はほとんどなく場所によっては1億円を超えることも珍しくありません。
一方、マンションは区分所有の建物ですのでワンルームだけ購入することも可能です。そのため、数百万円で購入できる物件もあります。自己資金は物件価格の2割から3割程度用意するケースが多いといわれていますので、アパートの場合は最低数百万円は必要になり、マンションでは数十万円でも購入できるケースがあるといえるでしょう。
☆リートはいくらから?最低限必要な自己資金は?
賃貸アパートや賃貸マンションなどの実物不動産を購入して賃貸経営を行う不動産投資以外にも、不動産からの賃貸利益を得る方法があります。それがリートへの投資です。
リートとは、不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金で賃貸不動産を取得し、その物件から生じる賃貸利益を投資家に分配するという仕組みの金融商品です。
投資家は直接不動産を所有するわけではなく証券化された投資口を保有します。1口当たりの価格は10万円程度のものから100万円を超えるものまであり、上場されているJリートであれば、リート市場が開いている時間中にいつでも時価で購入できます。金融商品の購入に際して借入金を使うケースは少ないですので、リートの購入は自己資金で行うのが一般的です。そのため、リート投資に必要な自己資金は最低10万円程度ということになります。
☆いくらからなら安心?もしもの時に備えるべき自己資金!
購入する物件にどの程度の自己資金を投入すべきかを判断する場合、借入金を少なくして支払利息の負担を軽減したいという点を優先する人もいるでしょう。しかし、そうすると、多くの自己資金を物件に投入することになり、手元に残る資金が減ってしまいます。
また、借入金の比率が下がるということはレベレッジ効果も下がることになりますし、投資可能額のすべてを物件に投入してしまうと次に良い物件が出ても購入できなくなる可能性があります。
次の投資が可能な金額の自己資金を常に手元に置くようにしておけば、機動的な投資が可能になり、投資済の物件に空室が出て家賃で借入金返済がまかなえない事態になっても返済を続けることができますので安心です。
☆自己資金がゼロでも大丈夫?メリットやリスクは?
賃貸アパートや賃貸マンションへの投資をする場合、一般的には自己資金をある程度入れて残りを借入金でまかないます。しかし、金融機関によっては投資家の信用度や担保の状況から返済が見込めると判断する場合は物件購入に必要な資金全額の融資を受けられる場合あります。これをフルローンといいます。フルローンのメリットは自己資金をいっさい使わなくてもよく、また自己資金がゼロでもよいということですが、その分返済額が増加するリスクがあります。
リスクを回避するためには、家賃収入を長期的に安定して確保するための賃貸経営努力が求められるでしょう。不動産投資にはリスクがつきものですが、自己資金と借入金の割合をどうするかによってリスクが変わることを理解した上で投資することが重要でしょう。
【記事筆者】
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