不動産投資にはさまざまリスクがあります。長い間投資を続けていると、そのリスクが現実のものとなってしまうこともあるでしょう。そういった事態が発生したときのことを心配しているだけでは賃貸経営は上手くいきませんので、さまざまなリスクに対する有効な対策を知っておくことが大切です。

空室や入居者の家賃滞納の場合

不動産投資における空室リスクと家賃滞納リスクは、実際に発生してしまうと資金繰りの上で大きなダメージとなります。見込んでいた家賃がまったく入ってこなくなりますので、借入金の返済を続けるために自己資金を投入する事態になってしまうケースもあります。そういったことを防ぐためには、2つポイントがあります。

ひとつは、優秀な賃貸仲介会社との付き合いを深めておくことです。客付けの良い仲介会社であれば空室期間を最小限に抑えてくれるでしょう。

もうひとつのポイントは、家賃保証の条件が良い賃貸管理会社を選ぶことです。一般的には、賃貸アパートなどの管理は管理会社に任せます。その管理契約の中には家賃滞納があった場合の保証に関する取り決めが含まれているはずです。保証期間が長く、その他の管理業務に関するノウハウも豊富な賃貸仲介会社を見つけておくことが、家賃滞納に対する有効な対策になります。

天災や火災の場合

賃貸アパート経営者にとって、自然災害や火災は大きな脅威です。家賃収入が入らなくなるだけでなく、収入を生み出す資産そのものが失われてしまうことになるからです。対処方法としては3つ考えられます。

1つ目は、

火災保険と地震保険に加入することです。火災保険は水害まで広くカバーするタイプを選ぶことがポイントです。

2つ目は、災害に強い建物にすることです。耐震補強を実施する、耐火建築物にするなど、物件そのものを強くする方法です。

3つ目は、災害に強い立地の物件を選ぶことです。水害に関しては、河川などから離れた高い土地を選ぶことによってクリアできるようになりますし、火災についても建物が密集している場所を避けることで、もらい火の可能性を最小限に抑えることができるようになります。

購入物件に欠陥があったり事故物件だったりした場合

物件を購入したあとで、シロアリにやられていることがわかったり、雨漏りで天井や柱が腐っていたことがわかったりした場合や、購入後に、心理的瑕疵物件と呼ばれる殺人や自殺現場となった物件であったことがわかった場合はどうしたらよいのでしょう?考えるべきことは2つあります。

まず、不動産仲介業者から購入している場合は、重要事項説明義務違反になりますので、損害賠償請求などを行い、経済的な損失をカバーします。物件を手離すのであれば、売却する場合に見込まれる損失も含めて賠償請求した方がよいでしょう。次に、瑕疵物件であることを知った上でも賃貸経営を継続する場合は、物理的な問題は修繕で対応をし、心理的貸物件である点については、事前に入居者へ説明をする対応が必要です。

家賃が下落してしまう場合

長期間賃貸経営をしていると、家賃が下落してしまう場合もあります。しかし、家賃が下がる原因については冷静に分析する必要があるでしょう。正しい分析ができなければ対策を誤る可能性があります。家賃が下がる原因が相場の下落である場合は、一般的な仕様の賃貸物件であれば家賃下落は避けられません。

家賃下落を回避するためには、特徴があり特定の層からの需要が見込める物件にリフォームするなどして、相場の影響を受けにくい賃貸物件に変えていく方法が有効でしょう。また、家賃相場が下落していないにもかかわらず、物件の老朽化などで家賃が下落する場合は、リノベーションすることで家賃の下落を抑えることができるでしょう。もちろん、新たに資金を投入する場合は、リフォームなどの投資額を上昇する家賃で回収できる期間の検証を含め、投資計画をしっかり立てることが大切です。